要支援1から要介護5まで。区分で何が変わるのか

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

認定の結果に書かれている区分は、体の悪さの順位ではありません。介護にかかる手間の量を示したもので、そこから使える枠の広さが決まります。

測っているのは、介護にかかる手間の量

要介護度は、病気の重さの順位ではありません。判定のもとになっているのは、その人の介護にどれくらいの時間と手間がかかるかという考え方です。だから、体は動くけれど認知症で目が離せない人が、寝たきりの人と近い区分になることもあります。

区分ごとのおおよその状態
区分おおよその状態
要支援1日常生活はほぼ自分でできるが、家事など一部に支えが要る
要支援2要支援1より支えが要る場面が増え、機能が落ちる見込みがある
要介護1立ち上がりや歩行が不安定で、身の回りの一部に介助が要る
要介護2起き上がりや歩行に介助が要り、排せつや入浴にも手が要る
要介護3身の回りのことがほぼ自分ではできず、日常的に介助が要る
要介護4介助なしでは日常生活が難しく、意思の伝達も難しくなることがある
要介護5ほぼ寝たきりで、生活のほとんどの場面で介助が要る
この表はおおよその目安です。実際の判定は認定調査の項目とコンピュータの一次判定、主治医意見書、審査会の議論を経て決まります。同じ病名でも人によって区分は変わります。

区分で変わるのは、上限額と使えるサービス

区分が変わると、1か月に介護保険で使えるサービスの上限額(区分支給限度基準額)が変わります。要支援1がいちばん狭く、要介護5がいちばん広くなります。上限を超えて使った分は、全額の自己負担になります。

もうひとつ、使えるサービスの種類そのものが変わります。要支援の人が使うのは介護予防のサービスと市区町村の総合事業で、訪問介護や通所介護の一部は総合事業の枠に移っています。特別養護老人ホームへの入所は、原則として要介護3以上です。

状態が変われば、途中でも変えられる

認定には有効期間がありますが、期間の途中でも状態が大きく変われば区分変更を申請できます。退院してきて明らかに手がかかるようになった、転んで骨折した、といったときは、次の更新を待つ必要はありません。

区分によって、そもそも使えないサービスがある

上限額の広さだけでなく、扉が開くかどうかが区分で決まるものがあります。代表は特別養護老人ホームで、入所できるのは原則として要介護3以上です。要介護1・2の人が入れるのは、家族の状況などで特に必要と認められた場合に限られます。

福祉用具の貸与にも区分の線があります。車いす、介護用ベッド、床ずれ防止用具、移動用リフトなどは、要支援1・2と要介護1の人では原則として保険の対象になりません。 状態によっては例外として認められることがありますが、認めるかどうかを決めるのは市区町村です。使いたいものがあるときは、ケアマネジャーを通して市区町村に確認を取ってください。

要支援は、行き先そのものが別の枠になる

要支援1・2と判定された人が使うのは、介護予防のサービスと、市区町村が運営する総合事業です。訪問介護と通所介護に当たるものは総合事業の枠へ移っており、同じ「ホームヘルプ」でも、要支援と要介護では別の制度で動いています。

窓口も変わります。要介護なら居宅介護支援事業所のケアマネジャー、要支援なら地域包括支援センターが計画を作ります。要支援から要介護に上がったときは、担当する人が入れ替わることになります。

区分は、いまの状態を写したもの

認定は、これから先を保証するものでも、将来の予約でもありません。調査を受けた時期の様子と、そのときの医師の見立てをもとにした判定です。半年後に状態が変われば、区分も変わります。

だから、軽い区分が出たことを「軽く見られた」と受け取る必要はありません。逆に、重い区分が出たことは、それだけ使える幅が広がったということでもあります。気にすべきなのは番号そのものより、その枠でいまの暮らしが回るかどうかです。

同じ区分でも、要る介護の量は違う

区分は、介護にどれくらい手間がかかるかを表す物差しです。病気の重さや、本人の困り具合をそのまま示すものではありません。

体は動くが目が離せない人と、寝たきりで手はかからない人が、同じ区分になることがあります。 区分だけを見て「この程度」と決めないでください。 何に困っているかは、ケアプランを作る場で伝えます。

区分によって、使えるものが変わる

使える量の上限が変わるだけではありません。特別養護老人ホームは原則として要介護3からというように、区分そのものが条件になっているものがあります。

福祉用具の貸与にも、区分による決まりがあります。 借りたいものが対象外だったときは、例外として認められる道があるかを、ケアマネジャーを通じて市区町村に確かめてもらってください。

要支援と要介護は、担当が変わる

要支援の計画は地域包括支援センターが、要介護の計画は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが作ります。

区分が変わると、担当も変わることがあります。要支援から要介護に上がった直後は、ここで一度話が途切れがちです。 それまでの経過を、新しい担当者に伝わるようにしてもらってください。

上がることだけを目指さない

重い区分が出れば使える量は増えますが、費用の自己負担も増えます。 上限まで使い切ることが目的ではありません。

いまの区分でどこまでできるかを、先に見てください。 限度額に届いていないのに足りないと感じるなら、組み方の問題であることがあります。足りないのが量なのか中身なのかで、次の手が変わります。

要支援2と要介護1は、どちらが重いのですか。
一次判定では同じくらいの手間と出ることがあり、そこから審査会が、状態が安定しているか、認知機能の低下があるかなどを見て、どちらかに振り分けます。要介護1のほうが使えるサービスの幅は広くなります。
区分が下がることはありますか。
あります。リハビリや生活の立て直しで状態がよくなれば、更新のときに軽い区分になります。使える上限は下がりますが、状態がよくなったこと自体は歓迎すべきことです。ケアプランの組み直しをケアマネジャーと相談します。

居宅介護支援は全国に35,879件ある

この記事で触れている居宅介護支援は、当サイトに35,879件掲載しています。65歳以上1万人あたりにすると全国で10.0件です。定員が分かっている11,014件では、まんなかの定員が64人でした。運営しているのは27,534の法人です。

65歳以上1万人あたりで多い順に並べると、上位は和歌山県・沖縄県・大阪府です。この上位5県には、高齢化率で全国10位以内に入る都道府県が1つもありません。高齢者が多い地域ほど居宅介護支援が多い、という関係にはなっていません。少ないほうは鳥取県・新潟県・茨城県の順です。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,855市区町村で、37の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している居宅介護支援を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

あわせて読む

福祉用具のことをもっと詳しく

福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

その国の制度を詳しく見る

世界の統計を集めた姉妹サイト「0-1.biz」の国別ページです。 その国の言葉の一次資料にあたって書いています。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

介護保険の制度と手続きのほかの記事

お住まいの地域から探す

都道府県から選ぶ

北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州・沖縄
掲載情報は 2026-07-09 公開分のデータによるものです。指定の有効性・提供内容の詳細は、各事業所または指定権者へ直接ご確認ください。