要支援2とは?要介護1との違いと、使えるサービスの範囲
要支援2と要介護1は、判定のもとになる時間の目安が同じです。それでも使えるサービスと上限額は違います。どこで分かれるのかを知っておくと、結果の見方が変わります。
どういう状態か
立ち上がりや歩行が不安定になり、入浴や掃除など、力の要る場面で手が必要になってきた状態です。家の中は伝い歩きでどうにかなるが、外出は付き添いがないと心配、という段階が典型です。
- 浴槽をまたぐのが怖い
- 階段の上り下りに手すりが要る
- 重いものを持つと転びそうになる
- 外出の回数が目に見えて減った
1か月に使える上限
| 区分 | 1か月の上限額 | 単位 | 1割負担のときの上限 |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032単位 | およそ5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531単位 | およそ10,531円 |
要支援1のおよそ2倍です。週に3回から4回のサービスが組める広さになります。
要介護1との分かれ目
一次判定に使う時間の目安では、要支援2と要介護1はどちらも32分以上50分未満です。同じ範囲に入った人を、審査会が次の2つで振り分けます。
- 状態が安定しているか(半年ほどで大きく変わる見込みがあるか)
- 認知機能の低下により、サービスを使ううえで理解が難しくないか
どちらかに当てはまれば要介護1、どちらにも当てはまらなければ要支援2になります。
| 見るところ | 要支援2 | 要介護1 |
|---|---|---|
| 1か月の上限 | 105,310円 | 167,650円 |
| 計画を作る人 | 地域包括支援センター | ケアマネジャー(居宅介護支援事業所) |
| 訪問介護 | 総合事業の訪問型サービス | 介護保険の訪問介護 |
| 通所介護 | 総合事業の通所型サービス | 介護保険の通所介護 |
| 小規模多機能 | 介護予防の枠で使える | 使える |
| グループホーム | 使える(要支援2から) | 使える |
週のプランの例
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月曜・木曜 | 介護予防通所リハビリテーション(半日) |
| 水曜 | 総合事業の訪問型サービス(掃除と買い物) |
| 随時 | 介護予防福祉用具貸与(歩行器・手すり) |
1か月にいくらかかるか
上限まで使って1割負担なら、1か月およそ10,500円です。週に3回から4回のサービスを組んだときの、介護保険の外の費用も含めた目安を並べます。
| 何に | 1か月の目安 |
|---|---|
| 介護予防通所リハビリテーション(週2回) | およそ4,000円 |
| 総合事業の訪問型サービス(週1回) | およそ1,200円 |
| 介護予防福祉用具貸与(歩行器) | 月に数百円 |
| 通所したときの昼食代(週2回) | 月4,000円から5,600円 |
保険の中の負担より、食事代のほうが高くつくことがあります。見積もりをもらうときは、保険が効く額と効かない額を分けて出してもらってください。
介護予防のサービスは、何が違うのか
名前に「介護予防」が付くサービスは、要介護のサービスと中身が似ていますが、狙いが違います。要介護のサービスは、できないことを代わりにやる。介護予防のサービスは、できることを保つ。
たとえば介護予防訪問入浴介護と訪問入浴介護は、同じように浴槽を持ち込む形でも、前者は自分でできる動作を残す組み立てになります。掃除も、全部やってもらうのではなく、一緒にやる形が基本です。
「手伝ってもらえると思ったのに、見ているだけで何もしてくれない」という不満は、ここのずれから生まれます。あらかじめ狙いを聞いておくと、行き違いが減ります。
有効期間と、区分変更を考えるとき
認定の有効期間は、はじめてなら原則6か月、更新なら原則12か月です。切れる60日前から更新を申請できます。期間の終わりは認定結果の通知に書かれています。
転んで骨折した、入院した、認知症の診断が付いた。こうした変化があったときは、更新を待たずに区分変更を申請してください。要介護1に上がれば上限額は167,650円になり、担当のケアマネジャーが付きます。
1日の流れの例
| 時間 | 本人 | 手を貸すところ |
|---|---|---|
| 朝 | 起きて着替える | 立ち上がりの見守り |
| 午前 | 介護予防通所リハビリテーションへ | 送り出しと持ち物の確認 |
| 昼 | 通所先で食事とリハビリ | なし |
| 夕方 | 帰宅、洗濯物をたたむ | なし |
| 夜 | 入浴 | 浴槽の出入りの介助 |
| 就寝前 | 薬を飲む | 飲んだかどうかの確認 |
要支援2になると、入浴と外出のところで確実に人手が要るようになります。週のどこかで、誰かが必ず立ち会う形を組んでおくと安心です。
先に手を打っておくこと
要支援2は、要介護に進むかどうかの分かれ道です。ここで止められる人と、半年で要介護2まで落ちる人がいます。差が付くのは、次の3つの備えです。
住まいの手直しは、この段階が最後の余裕です。手すり、段差の解消、滑りにくい床材への変更。20万円の枠は使い切らなくても残るので、必要なところから順に使ってください。工事の前に申請しないと支給されない点だけ、忘れないでください。
リハビリは、やめると戻ります。通所リハビリテーションに通っているあいだは保てても、中断すると数か月で元より落ちることがあります。続けられる曜日と場所を選んでください。
もの忘れが出てきたら、早めに受診してください。認知症の診断が付くと、要介護1に振り分けられる可能性が上がるだけでなく、グループホームや認知症対応型通所介護という選択肢が開きます。診断を避けることで得をすることは、ほとんどありません。
境目にいる区分
この区分は、予防の枠で使う最後の段階です。もう一段進むと、担当も計画の作り方も変わります。
いま何ができているかを、書き留めておいてください。 半年後に比べる材料になります。 落ちてきたと感じたら、更新を待たずに区分変更を出せます。
福祉用具で借りられるものが限られる
この段階では、借りられる用具の種類に制限があります。必要と感じても、そのままでは対象にならないものがあります。
状態によっては、例外として認められる道があります。 判断するのは市区町村です。担当に「認められますか」と確かめてください。 事業所の言葉だけで決まるものではありません。
転ぶ前に、家を直す
この区分の人が骨折すると、一気に段階が進みます。入院して寝ている間に、体の力が落ちます。
手すり、段差、風呂、夜のトイレまでの道。 住宅改修は、この段階で使うのがいちばん効きます。動けるうちにやっておく。
- 要支援2から要介護1に上がると、負担は増えますか。
- 使える枠が広がるぶん、同じ割合で使えば自己負担の額も増えます。ただし1回あたりの負担割合(1割から3割)は変わりません。
- 結果に納得できないときはどうすればよいですか。
- まず市区町村の担当課に判定の理由を聞いてください。そのうえで状態が変わったのであれば区分変更を、判定そのものに不服があるなら介護保険審査会への審査請求を選びます。
- 要支援2でもケアマネジャーを付けられますか。
- 要支援のあいだの計画は地域包括支援センターが作ります。ただし地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に委託することがあり、その場合は実際にケアマネジャーが担当します。
通所リハビリテーションは全国に7,641件ある
この記事で触れている通所リハビリテーションは、当サイトに7,641件掲載しています。65歳以上1万人あたりにすると全国で2.1件です。定員が分かっている2,767件では、まんなかの定員が39人でした。運営しているのは5,426の法人です。
65歳以上の人数で割って多い順に並べると、上から徳島県・鹿児島県・佐賀県。少ないほうは神奈川県・東京都・埼玉県の順になります。件数そのものの順位とは、まるで違う顔ぶれになります。件数で並べると人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いかどうかは分からないためです。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,471市区町村で、421の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省要介護認定はどのように行われるか2026-08-22 確認
- 厚生労働省サービスにかかる利用料2026-08-22 確認
- 厚生労働省介護予防・日常生活支援総合事業の流れ2026-08-22 確認
- 福祉医療機構 WAM NET介護保険サービス一覧2026-08-22 確認