居宅介護支援とは?ケアマネジャーの役割と自己負担0円の理由

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

介護保険のサービスは、窓口がばらばらで、名前も分かりにくく、家族だけで組み立てるのは無理があります。その組み立てを引き受けるのが、ケアマネジャーです。

居宅介護支援とは

自宅で暮らす要介護1から5の人に対して、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプラン(居宅サービス計画)を作り、事業所との調整と、その後の見直しを続ける仕組みです。

ケアマネジャーが所属する事業所を「居宅介護支援事業所」といいます。このサイトでも、この名前で掲載しています。

全国では35,879件が指定を受けています。65歳以上約3590万人に対して1万人あたり10件で、介護保険のサービスの中でもっとも数の多い類型です。在宅で介護保険を使う人には必ずケアマネジャーが付くので、その受け皿として全国にくまなく置かれています。

自己負担は0円

居宅介護支援だけは、利用者の自己負担がありません。全額が介護保険から支払われます。お金の話でためらう必要はありません。

「無料だと遠慮してしまう」という声をよく聞きますが、相談されることが仕事です。困っていることは、そのまま伝えてください。

ケアマネジャーがすること

  • 本人と家族の話を聞き、困りごとを整理する
  • ケアプラン(どのサービスを週に何回使うか)を作る
  • サービス事業所を探し、日程を調整する
  • 月に1回以上、自宅を訪問して様子を見る
  • 状態が変わったらプランを作り直す
  • 限度額の枠に収まるよう費用を管理する
  • 介護保険の更新・区分変更の手続きを代わりに行う
  • 主治医や病院、地域包括支援センターとつなぐ

要支援の人はどこへ行くのか

認定プランを作るところ名前
要支援1・2地域包括支援センター介護予防支援
要介護1から5居宅介護支援事業所居宅介護支援
施設に入所その施設のケアマネジャー施設サービス計画
認定なし(総合事業)地域包括支援センター介護予防ケアマネジメント

要支援から要介護に上がったときは、地域包括支援センターから居宅介護支援事業所へ移ります。そのまま同じ人が担当することもあれば、替わることもあります。

1人のケアマネジャーが担当する人数

おおむね1人あたり44人までという目安があります。抱えている人数が多いほど、1人あたりに割ける時間は減ります。契約前に「今、何人くらいご担当ですか」と聞いてみてください。

利用開始までの流れ

  1. 市区町村の窓口で要介護認定を申請する(地域包括支援センターでも受け付けます)
  2. 訪問調査と主治医意見書を経て、30日ほどで結果が届く
  3. 要介護1から5なら、居宅介護支援事業所を選ぶ
  4. 契約し、ケアマネジャーが自宅へ来て困りごとを聞く
  5. ケアプランの案が出るので、内容を確かめて同意する
  6. サービス担当者会議(本人・家族・事業所が集まる)
  7. サービスの利用が始まる
認定の結果が出る前でも、「暫定ケアプラン」で先にサービスを使い始められます。退院日が迫っているときなどに使う方法です。認定が想定より軽く出ると自己負担が増える可能性があるので、ケアマネジャーによく確かめてください。

よく混同されるところとの違い

居宅介護支援事業所地域包括支援センター
運営民間の事業者が多い市区町村(委託を含む)
対象要介護1から5要支援・認定前・地域の高齢者全般
選べるか自由に選べる住まいの地区で決まる
費用0円0円
主な役割ケアプランを作り、続ける最初の相談窓口、権利を守る、地域の調整

どちらへ相談すればよいか分からないときは、地域包括支援センターへ行ってください。必要なら居宅介護支援事業所へつないでくれます。

利用者の負担が無い、ということ

この部分に、利用者の自己負担はありません。相談すること自体に、費用はかかりません。

だから、遠慮する理由がありません。 困ったことは、その都度伝えてください。 「こんなことで連絡してよいのか」と迷う必要はありません。それが役目です。

事業所は、自分で選ぶ

割り当てられるものではありません。市区町村の窓口や地域包括支援センターで一覧をもらい、自分で選びます。

どこを選べばよいか分からないときは、複数を挙げてもらってください。 このサイトの市区町村ページでも、地域の事業所を確かめられます。近さと、対応の早さで選ぶ人が多いです。

計画は、押し付けられるものではない

出された案に納得できなければ、変えてもらえます。署名する前に、中身を読んでください。

なぜこのサービスが要るのか、なぜこの回数なのか。 説明を求めてよいものです。分からないまま署名すると、それで決まります。

担当者は、替えられる

合わない、連絡が取れない、話が通じない。我慢して続ける必要はありません。

同じ事業所の中で担当を替えてもらう方法と、事業所ごと替える方法があります。 言いにくければ、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してください。間に入ってもらえます。

ケアマネジャーは自分で選べますか。
選べます。市区町村の窓口や地域包括支援センターで一覧をもらえます。このサイトの市区町村ページからも探せます。
合わなかったら替えられますか。
替えられます。理由を言う必要もありません。新しい事業所と契約すれば、引き継ぎは事業所どうしで行われます。言い出しにくければ、地域包括支援センターか市区町村の担当課に相談してください。
ケアプランは自分で作れますか。
作れます(セルフケアプラン)。ただし、事業所との調整、給付管理の書類、毎月の実績の突き合わせをすべて自分で行うことになります。負担は小さくありません。
家族が遠方に住んでいます。
ケアマネジャーは、離れて暮らす家族との連絡も引き受けます。電話・メール・記録の共有など、希望する連絡の取り方を最初に伝えておいてください。

居宅介護支援の数は、都道府県で2.1倍ひらいている

全国の居宅介護支援は35,879件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり10.0件です。

いちばん多いのは和歌山県(15.6件)、いちばん少ないのは鳥取県(7.5件)で、同じ国の中で2.1倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。

居宅介護支援が多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位和歌山県473件15.6件
2位沖縄県521件14.5件
3位大阪府3,251件13.8件
4位大分県516件13.8件
5位奈良県575件13.6件
47位鳥取県134件7.5件
46位新潟県575件8.1件
45位茨城県698件8.1件
44位埼玉県1,640件8.2件
43位山形県301件8.4件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入る都道府県はありません。高齢者が多い地域ほど居宅介護支援が多い、という関係にはなっていません。事業所の数は、高齢者の数だけで決まるものではないようです。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

福祉用具のことをもっと詳しく

福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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