居宅介護支援とは?ケアマネジャーの役割と自己負担0円の理由
介護保険のサービスは、窓口がばらばらで、名前も分かりにくく、家族だけで組み立てるのは無理があります。その組み立てを引き受けるのが、ケアマネジャーです。
居宅介護支援とは
自宅で暮らす要介護1から5の人に対して、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプラン(居宅サービス計画)を作り、事業所との調整と、その後の見直しを続ける仕組みです。
ケアマネジャーが所属する事業所を「居宅介護支援事業所」といいます。このサイトでも、この名前で掲載しています。
全国では35,879件が指定を受けています。65歳以上約3590万人に対して1万人あたり10件で、介護保険のサービスの中でもっとも数の多い類型です。在宅で介護保険を使う人には必ずケアマネジャーが付くので、その受け皿として全国にくまなく置かれています。
自己負担は0円
居宅介護支援だけは、利用者の自己負担がありません。全額が介護保険から支払われます。お金の話でためらう必要はありません。
ケアマネジャーがすること
- 本人と家族の話を聞き、困りごとを整理する
- ケアプラン(どのサービスを週に何回使うか)を作る
- サービス事業所を探し、日程を調整する
- 月に1回以上、自宅を訪問して様子を見る
- 状態が変わったらプランを作り直す
- 限度額の枠に収まるよう費用を管理する
- 介護保険の更新・区分変更の手続きを代わりに行う
- 主治医や病院、地域包括支援センターとつなぐ
要支援の人はどこへ行くのか
| 認定 | プランを作るところ | 名前 |
|---|---|---|
| 要支援1・2 | 地域包括支援センター | 介護予防支援 |
| 要介護1から5 | 居宅介護支援事業所 | 居宅介護支援 |
| 施設に入所 | その施設のケアマネジャー | 施設サービス計画 |
| 認定なし(総合事業) | 地域包括支援センター | 介護予防ケアマネジメント |
要支援から要介護に上がったときは、地域包括支援センターから居宅介護支援事業所へ移ります。そのまま同じ人が担当することもあれば、替わることもあります。
1人のケアマネジャーが担当する人数
おおむね1人あたり44人までという目安があります。抱えている人数が多いほど、1人あたりに割ける時間は減ります。契約前に「今、何人くらいご担当ですか」と聞いてみてください。
利用開始までの流れ
- 市区町村の窓口で要介護認定を申請する(地域包括支援センターでも受け付けます)
- 訪問調査と主治医意見書を経て、30日ほどで結果が届く
- 要介護1から5なら、居宅介護支援事業所を選ぶ
- 契約し、ケアマネジャーが自宅へ来て困りごとを聞く
- ケアプランの案が出るので、内容を確かめて同意する
- サービス担当者会議(本人・家族・事業所が集まる)
- サービスの利用が始まる
よく混同されるところとの違い
| 居宅介護支援事業所 | 地域包括支援センター | |
|---|---|---|
| 運営 | 民間の事業者が多い | 市区町村(委託を含む) |
| 対象 | 要介護1から5 | 要支援・認定前・地域の高齢者全般 |
| 選べるか | 自由に選べる | 住まいの地区で決まる |
| 費用 | 0円 | 0円 |
| 主な役割 | ケアプランを作り、続ける | 最初の相談窓口、権利を守る、地域の調整 |
どちらへ相談すればよいか分からないときは、地域包括支援センターへ行ってください。必要なら居宅介護支援事業所へつないでくれます。
利用者の負担が無い、ということ
この部分に、利用者の自己負担はありません。相談すること自体に、費用はかかりません。
だから、遠慮する理由がありません。 困ったことは、その都度伝えてください。 「こんなことで連絡してよいのか」と迷う必要はありません。それが役目です。
事業所は、自分で選ぶ
割り当てられるものではありません。市区町村の窓口や地域包括支援センターで一覧をもらい、自分で選びます。
どこを選べばよいか分からないときは、複数を挙げてもらってください。 このサイトの市区町村ページでも、地域の事業所を確かめられます。近さと、対応の早さで選ぶ人が多いです。
計画は、押し付けられるものではない
出された案に納得できなければ、変えてもらえます。署名する前に、中身を読んでください。
なぜこのサービスが要るのか、なぜこの回数なのか。 説明を求めてよいものです。分からないまま署名すると、それで決まります。
担当者は、替えられる
合わない、連絡が取れない、話が通じない。我慢して続ける必要はありません。
同じ事業所の中で担当を替えてもらう方法と、事業所ごと替える方法があります。 言いにくければ、市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談してください。間に入ってもらえます。
- ケアマネジャーは自分で選べますか。
- 選べます。市区町村の窓口や地域包括支援センターで一覧をもらえます。このサイトの市区町村ページからも探せます。
- 合わなかったら替えられますか。
- 替えられます。理由を言う必要もありません。新しい事業所と契約すれば、引き継ぎは事業所どうしで行われます。言い出しにくければ、地域包括支援センターか市区町村の担当課に相談してください。
- ケアプランは自分で作れますか。
- 作れます(セルフケアプラン)。ただし、事業所との調整、給付管理の書類、毎月の実績の突き合わせをすべて自分で行うことになります。負担は小さくありません。
- 家族が遠方に住んでいます。
- ケアマネジャーは、離れて暮らす家族との連絡も引き受けます。電話・メール・記録の共有など、希望する連絡の取り方を最初に伝えておいてください。
居宅介護支援の数は、都道府県で2.1倍ひらいている
全国の居宅介護支援は35,879件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり10.0件です。
いちばん多いのは和歌山県(15.6件)、いちばん少ないのは鳥取県(7.5件)で、同じ国の中で2.1倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 473件 | 15.6件 |
| 2位 | 沖縄県 | 521件 | 14.5件 |
| 3位 | 大阪府 | 3,251件 | 13.8件 |
| 4位 | 大分県 | 516件 | 13.8件 |
| 5位 | 奈良県 | 575件 | 13.6件 |
| 47位 | 鳥取県 | 134件 | 7.5件 |
| 46位 | 新潟県 | 575件 | 8.1件 |
| 45位 | 茨城県 | 698件 | 8.1件 |
| 44位 | 埼玉県 | 1,640件 | 8.2件 |
| 43位 | 山形県 | 301件 | 8.4件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入る都道府県はありません。高齢者が多い地域ほど居宅介護支援が多い、という関係にはなっていません。事業所の数は、高齢者の数だけで決まるものではないようです。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。
福祉用具のことをもっと詳しく
福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。