主治医意見書とは?かかりつけ医がいないときの進め方

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

要介護認定でつまずきやすいのが、この書類です。本人も家族も何もしないのに手続きが止まる原因が、たいていここにあります。

本人が取りに行く書類ではない

主治医意見書は、市区町村が直接、申請書に書かれた医師へ依頼して書いてもらいます。本人や家族が病院へ取りに行ったり、費用を払ったりする必要はありません。 依頼も費用の支払いも市区町村が行います。

そのため、申請書に書く医師名が違っていたり、その医師が本人をほとんど診ていなかったりすると、そこで手続きが止まります。誰を主治医として書くかが、この手続きでいちばん効く選択です。

何が書かれるのか

  • 診断名と、いつからその状態か
  • 症状としての安定性、今後の見通し
  • 認知症の有無と、日常生活の自立度
  • 手足の麻痺や関節の動き、褥瘡などの身体の状態
  • 医学的な管理の必要性(点滴、酸素、経管栄養など)
  • サービスを使ううえでの医学的な注意点

かかりつけ医がいないとき

長く医者にかかっていない、通っているのは眼科だけ、といったことは珍しくありません。その場合は、申請の窓口でそのまま伝えます。市区町村によっては、意見書を書いてくれる医療機関を案内したり、指定した医師の診察を受けてもらったうえで書いてもらう扱いをしています。

入院中であれば、その病院の主治医が書きます。退院直後に申請するときは、退院した病院の医師と、これから通うことになる近所の診療所のどちらを主治医として書くかを、病院の相談員に相談しておくと迷いません。

医師に伝えておくとよいこと

診察室では、本人が痛みや不自由を控えめに話すことがあります。家での様子が診察の場と違うときは、受診に付き添って直接伝えるか、メモにして渡すのが確実です。夜間の様子、転倒、物忘れの頻度など、短い診察では見えない事実ほど価値があります。

審査会では、調査票と突き合わせて読まれる

介護認定審査会は、認定調査の結果と主治医意見書を並べて見ます。二つの内容が食い違っているときほど、議論の対象になります。調査では自分で歩いていたのに、意見書には関節の動きに強い制限があると書かれている、といった場合です。

医学的な理由が書かれていると、一次判定の目安が動く根拠になります。認知症の状態や、医療的な管理が必要かどうかは、調査票の選択肢だけでは表しきれません。そこを補うのがこの書類の役割です。

64歳までの人にとっては、使えるかどうかを分ける書類

40歳から64歳の人は、国が定めた16の特定疾病が原因でなければ介護保険を使えません。その病気に当たるかどうかを医学的に確かめるのが、主治医意見書です。 申請書に書いた病名がそのまま通るのではなく、医師の記載で判断されます。

このため、64歳までの申請では、その病気を実際に診ている医師を主治医として書くことが特に大切になります。整形外科と内科の両方にかかっているなら、原因になっている病気を診ているほうを書きます。

更新のたびに書かれ、サービスにも使われる

意見書は、はじめての申請だけのものではありません。更新のたび、区分変更のたびに、あらためて依頼されて書かれます。そのつど、市区町村から医療機関へ依頼が出ます。

また、本人の同意があれば、この意見書はケアマネジャーにも渡されます。ケアプランを作るときに、医学的な注意点を踏まえてもらうためです。運動を止められている、飲み込みに注意が要る、といったことが、そのままサービスの組み立てに反映されます。

医師は、家の様子を知らない

診察室にいる時間は、月に数十分です。そこで見えるのは、身なりを整えて来られた日の姿だけです。

家で何が起きているかは、伝えなければ書かれません。 転んだ回数、夜間の様子、食事の量、できなくなったこと。受診のときに紙で渡すと、意見書に反映されます。

受診が途絶えていると、書けない

何年も診てもらっていない医師には、いまの状態が分かりません。意見書を頼んでも、まず受診してくださいと言われます。

申請の前に一度かかっておくと、そこで止まりません。 通院が難しい状態なら、訪問診療を行っている医師に主治医になってもらう道もあります。どちらにするかは、ケアマネジャーと相談してください。

複数の科にかかっているとき

整形外科、内科、脳神経の科。それぞれが自分の診ている部分しか知りません。 誰を主治医にするかで、書かれる内容が変わります。

いまの生活のしにくさを、いちばん分かっている医師を選んでください。 迷ったら、いちばん長くかかっている医師です。他の科にかかっていることも、申請の窓口で伝えておいてください。

書いてもらったあとに、読めるか

意見書は本人と家族に自動では渡りません。内容を知りたいときは、市区町村へ写しを求められます。

結果に納得がいかないときは、まずここを見てください。 調査票と意見書がそろえば、どこで実態と食い違ったかが分かります。次の申請や区分変更のときに、同じことを繰り返さずに済みます。

意見書が遅れると、認定はどうなりますか。
認定の結果が出るのが遅れます。原則30日以内という期限を超える理由の多くがこれです。申請から2週間ほど経っても調査の連絡がないときは、市区町村に進み具合を問い合わせてかまいません。
主治医を変えたいときは。
市区町村の窓口に申し出れば、依頼先を変えられます。すでに依頼が出ている場合は、依頼のやり直しになるため日数がかかることを見込んでおきます。

この記事の出典

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