認定調査で聞かれること。立ち会うときに伝えたいこと

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

認定調査の日は、多くの家族が身構える一日です。ただ、身構えるべきなのは「よく見せること」ではなく、困っている場面を落とさず伝えることのほうです。

全国共通の項目で聞かれる

認定調査は、調査員が本人のいる場所を訪ねて行います。聞く項目は全国で共通しており、身体の動き、生活の動作、認知の状態、精神や行動の変化、社会生活への適応などに分かれています。ここで得た答えが、そのままコンピュータによる一次判定の材料になります。

聞かれることの大きな分かれ方
分野聞かれる例
身体機能・起居動作寝返り、起き上がり、立ち上がり、片足で立つ、視力、聴力
生活機能食事、排せつ、着替え、洗顔、外出の頻度
認知機能生年月日が言えるか、短期記憶、場所の理解、意思の伝達
精神・行動障害同じ話を繰り返す、昼夜が逆になる、外に出て戻れなくなる
社会生活への適応薬の管理、お金の管理、買い物、簡単な調理

本人は、できると答えがちだと知っておく

調査の場では、本人がふだんより気を張って受け答えをすることがよくあります。ふらつきながらも立ち上がって見せたり、できていないことを「できる」と答えたりします。悪気があるのではなく、他人の前で弱った姿を見せたくないという、ごく自然な反応です。

だからこそ、家族の立ち会いが要ります。 調査員は本人の答えだけでなく、家族から聞いた事実も記録に残します。伝え方は難しく考えず、いつ・どんな場面で・何に困ったかを具体的に言えば十分です。

書き留めておくと伝えやすいこと

  • 転んだ回数と、そのときの状況(トイレへ行く途中、夜中など)
  • 夜に何回起きるか、そのたびに誰が付き添っているか
  • 同じことを1日に何度たずねるか
  • 薬の飲み忘れ、飲み過ぎがどれくらいあるか
  • 入浴や着替えに、実際どれだけ手を貸しているか
  • 調子のよい日と悪い日で、どれくらい差があるか
本人の前では言いにくいことは、無理にその場で言わなくてかまいません。調査票とは別に文章で渡す、あとで電話で伝える、といった方法を調査員に相談できます。

調査で見るのは「している状態」

調査は、できるかどうかの能力を測る試験ではありません。ふだん実際にどうしているか、どれだけ手助けを受けているかを見ます。手を貸している家族の負担が、そのまま判定の材料になります。 遠慮して少なく言うと、実態より軽い結果につながります。

選択肢に収まらないことは、特記事項に書かれる

調査票の項目は、ほとんどが「できる・見守り・一部介助・全介助」といった選択肢を選ぶ形になっています。この選択だけでは伝わらないことを書き残すために、特記事項という自由記述の欄があります。

審査会で一次判定が動くとき、根拠になっているのはたいていこの特記事項です。「歩ける」と選ばれていても、特記事項に「10メートルで息が上がり、途中で2回しゃがみ込む」と書かれていれば、審査会の見え方は変わります。家族が伝えたことは、この欄に入ります。

伝えるときは、程度を表す言葉より事実のほうが残ります。「かなり大変です」ではなく「夜に3回起きて、そのたびにトイレへ付き添う」と言うほうが、そのまま書ける形になります。

調査の日を決めるとき

日程は電話で相談して決めます。本人の調子がよい時間帯をわざわざ選ぶ必要はありません。 よく見せることが目的ではないからです。優先すべきは、ふだんの様子を知っている家族が立ち会えるかどうかです。

部屋を片づけ過ぎるのも考えものです。散らかっていることを責められる場ではなく、生活がどうなっているかを見る場です。手すりを付けた場所、つかまって歩いている家具、置きっぱなしの薬など、そのままのほうが伝わります。

調査に来るのは誰か

はじめての申請では、市区町村の職員が調査を行うのが原則です。更新のときや、遠方に住んでいる場合などは、市区町村から委託された居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどが調査に来ることがあります。

誰が来ても、使う調査票と項目は全国共通です。調査員は決められた研修を受けた人に限られています。名前と所属を確かめたい場合は、その場で聞いて構いません。

「できる」と答えてしまう

調査の場で、本人は実際よりできるように答えます。恥ずかしさもありますし、調べに来た人の前では気を張るからです。

その日の受け答えだけで判断されるわけではありませんが、伝わらなかったことは残りません。 本人の答えを打ち消す必要はありません。 別に紙で渡す、あとから電話で補うという方法があります。

書いて渡すと、確実に残る

調査員は決められた項目を聞いていきます。そこに無いことも、特記事項として書いてもらえます。

夜中に何回起きるか、失敗が週に何度あるか、何を言っても通じない場面があるか。日付と回数を書いた紙を渡してください。 口で言うより正確に残り、審査会まで届きます。

認知症は、見えにくい

体は動くのに目が離せない。この状態は、体の項目だけを見ていると軽く出ます。日常生活自立度という別の見方が用意されていますが、伝わらなければ書かれません。

同じことを何度も聞く、火を消し忘れる、道が分からなくなる、薬を飲んだことを忘れる。 具体的な出来事を、いつ起きたかとあわせて伝えてください。「ときどきあります」では判断の材料になりません。

一人暮らしの親のところでは

離れて暮らしていると、日々の様子を答えられません。調査の日に立ち会えないなら、事前に情報を集めておいてください。

近所の人、民生委員、ヘルパー、デイサービスの職員が見ていることがあります。ケアマネジャーが関わっているなら、その記録が最も確かです。 日程の連絡を家族にも入れてもらえば、都合を合わせやすくなります。

調査にはどれくらい時間がかかりますか。
1時間ほどが目安です。本人の状態や、聞き取ることの多さによって前後します。
入院中でも調査は受けられますか。
受けられます。調査員が病院を訪ねます。ただし入院中は生活の様子が普段と違うため、自宅での様子を家族から補って伝えることがより大切になります。
調査の内容は見せてもらえますか。
市区町村に情報公開を請求すれば、認定調査票や主治医意見書の写しを受け取れる制度があります。結果に納得できないときの検討材料になります。手続きは市区町村によって異なるため、窓口で確かめてください。

居宅介護支援は全国に35,879件ある

この記事で触れている居宅介護支援は、当サイトに35,879件掲載しています。65歳以上1万人あたりにすると全国で10.0件です。定員が分かっている11,014件では、まんなかの定員が64人でした。運営しているのは27,534の法人です。

65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは和歌山県(15.6件)、いちばん少ないのは鳥取県(7.5件)です。同じ国の中で2.1倍のひらきがあります。全国の平均は10.0件なので、和歌山県は平均の1.6倍にあたります。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,855市区町村で、37の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している居宅介護支援を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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