離れて暮らす親を、どう見守るか
毎日電話をするのは続きません。続く見守りは、誰かの日常の仕事の中に組み込まれているものです。
三つのやり方
| 型 | 例 | 向いていること |
|---|---|---|
| 人が訪ねる | 配食の手渡し、訪問介護、民生委員、新聞や乳製品の配達 | 体調や部屋の様子まで分かる |
| 機器で知らせる | 緊急通報装置、センサー、電気やガスの使用量の通知 | 毎日、手間なく続く |
| サービスに組み込む | デイサービス、通いの場、通院の付き添い | 来なければ気づいてもらえる |
どれか一つに頼らないでください。 機器は電源が切れれば止まり、人の訪問は週に数回です。性質の違うものを2つ以上重ねるのが現実的です。
市区町村が用意しているもの
多くの市区町村に、高齢者向けの見守りの事業があります。緊急通報装置の貸与、配食による安否確認、乳製品の配達、電球交換やごみ出しの支援など、名前も内容も地域ごとに違います。
一覧は地域包括支援センターで教えてもらえます。介護保険とは別のしくみなので、要介護認定を受けていなくても使えるものがあります。
異変に気づく手がかり
- 郵便物や新聞がたまっている
- 電気やガス、水道の使用量が急に変わった
- 冷蔵庫の中身が減っていない。同じものが増えている
- 洗濯物が何日も同じまま
- 電話に出ない。出ても話が噛み合わない
連絡先を、共有しておく
家族の連絡先が、近所の人やケアマネジャー、かかりつけ医に伝わっているかを確かめてください。 倒れているのを見つけた人が、誰にも連絡できないという事態が実際に起きます。
冷蔵庫に緊急連絡先と持病、飲んでいる薬を書いた紙を入れておく取り組み(救急医療情報キット)を行っている市区町村もあります。救急隊が最初に見る場所を、地域で決めておくしくみです。
鍵をどうするかを、先に決めておく
倒れているのが分かっても、家に入れなければ何もできません。実際、鍵が開かないために消防が窓を破って入る事態は起きています。
信頼できる近所の人に預ける、家族が持って帰る、暗証番号式のキーボックスを玄関に付ける。どれを選ぶにしても、預け先を複数の人が知っている状態にしてください。本人が元気なうちに決めておかないと、あとから話を切り出しにくくなります。
見守りを頼む相手を、分散させる
一人の善意に頼る見守りは、その人が体調を崩した時点で止まります。近所の人、民生委員、配食の配達員、ケアマネジャー、かかりつけの薬局。関わる人が増えるほど、途切れにくくなります。
当サイトでは、配食や訪問介護など毎日か毎週かならず人が来るサービスを、市区町村ごとに載せています。見守りだけを目的にしたサービスより、暮らしの用があって人が来るもののほうが長続きします。
機器に任せきりにしない
センサーや通知の機器は手間がかからず、その意味では優れています。ただ、電源が抜けている、電池が切れている、通信が止まっているといったことに、しばらく気づけません。
月に一度は、機器が生きているかを確かめてください。 「異常が無いから通知が来ない」のか「壊れているから来ない」のかは、外からは同じに見えます。届いた通知に返事をする決まりにしておくと、確かめる手間が減ります。
本人が拒むときの入り口
見守りの話を持ち出すと、「まだそんな年ではない」と怒られることがあります。無理に押し切ると、次の相談ができなくなります。
本人にとって得になるところから入ってください。買い物が楽になる、食事の支度をしなくてよくなる、電球を替えてもらえる。結果として様子が伝わるものを選ぶほうが、正面から見守りを頼むより通ります。
機械だけでは、埋まらない
センサーやカメラは、何かが起きたことを知らせます。知らせが届いたあと、誰が行くのかが決まっていなければ意味がありません。
遠くに住む家族の携帯に通知が来ても、駆けつけられません。 近くで動ける人を一人決めてください。 親族、近所の人、民生委員。機械はその人への引き金として使います。
毎日誰かが来る形が、いちばん強い
訪問介護、配食、通いのサービス。人が家に入る予定が毎日あれば、異変はその日のうちに分かります。
このサイトでは、見守りのある配食を市区町村ごとに載せています。 食事の手当てと見守りが一度に片づきます。手渡しかどうかを、頼むときに確かめてください。
本人が嫌がるとき
見張られていると感じると、断られます。カメラはとくにそうです。
電気やガスの使用から様子を見る形など、映さないしくみがあります。 何をどこまで見るのかを、本人に説明してから入れてください。黙って入れると、後で外されます。
市区町村が用意しているものがある
緊急通報の機器の貸し出し、安否確認の電話、乳酸菌飲料などの配達による見守り。市区町村ごとに、独自のしくみがあります。
費用がかからないものや、安く使えるものがあります。 全国共通の説明では出てきません。担当課か地域包括支援センターに、何があるかを聞いてください。
- 費用はかかりますか。
- 市区町村の事業は無料か低額のことが多く、民間のサービスは月額の料金がかかります。所得によって費用が変わる事業もあるため、担当課で確かめてください。
- カメラを付けてもよいですか。
- 本人の同意が要ります。同意のないカメラは、見つかったときに強い反発を招きます。まずは人感センサーや電気の使用量など、姿を映さない方法から相談してください。
数えてみると、訪問介護の多い地域と少ない地域
訪問介護は、当サイトの掲載で34,852件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で9.7件です。定員が分かっている8,124件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは24,743の法人です。
65歳以上1万人あたりで多い順に並べると、上位は大阪府・和歌山県・徳島県です。上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは1県です。高齢者の多さだけで事業所の数が決まるわけではない、ということになります。少ないほうは新潟県・山形県・茨城県の順です。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,776市区町村で、116の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省地域包括ケアシステム2026-08-22 確認
- 内閣府令和7年版高齢社会白書 第1章第2節 健康・福祉2026-08-22 確認
- 総務省消防庁救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?2026-08-22 確認
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