離れて暮らす親を、どう見守るか

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

毎日電話をするのは続きません。続く見守りは、誰かの日常の仕事の中に組み込まれているものです。

三つのやり方

見守りの型
型例向いていること
人が訪ねる配食の手渡し、訪問介護、民生委員、新聞や乳製品の配達体調や部屋の様子まで分かる
機器で知らせる緊急通報装置、センサー、電気やガスの使用量の通知毎日、手間なく続く
サービスに組み込むデイサービス、通いの場、通院の付き添い来なければ気づいてもらえる

どれか一つに頼らないでください。 機器は電源が切れれば止まり、人の訪問は週に数回です。性質の違うものを2つ以上重ねるのが現実的です。

市区町村が用意しているもの

多くの市区町村に、高齢者向けの見守りの事業があります。緊急通報装置の貸与、配食による安否確認、乳製品の配達、電球交換やごみ出しの支援など、名前も内容も地域ごとに違います。

一覧は地域包括支援センターで教えてもらえます。介護保険とは別のしくみなので、要介護認定を受けていなくても使えるものがあります。

見守りを頼むと、その人が家の中に入ることになります。本人が納得していない見守りは長続きしません。 「監視されている」と受け取られると、鍵をかけられて終わります。配食のように、本人に利益がはっきりしているものから入ると進みやすくなります。

異変に気づく手がかり

  • 郵便物や新聞がたまっている
  • 電気やガス、水道の使用量が急に変わった
  • 冷蔵庫の中身が減っていない。同じものが増えている
  • 洗濯物が何日も同じまま
  • 電話に出ない。出ても話が噛み合わない

連絡先を、共有しておく

家族の連絡先が、近所の人やケアマネジャー、かかりつけ医に伝わっているかを確かめてください。 倒れているのを見つけた人が、誰にも連絡できないという事態が実際に起きます。

冷蔵庫に緊急連絡先と持病、飲んでいる薬を書いた紙を入れておく取り組み(救急医療情報キット)を行っている市区町村もあります。救急隊が最初に見る場所を、地域で決めておくしくみです。

鍵をどうするかを、先に決めておく

倒れているのが分かっても、家に入れなければ何もできません。実際、鍵が開かないために消防が窓を破って入る事態は起きています。

信頼できる近所の人に預ける、家族が持って帰る、暗証番号式のキーボックスを玄関に付ける。どれを選ぶにしても、預け先を複数の人が知っている状態にしてください。本人が元気なうちに決めておかないと、あとから話を切り出しにくくなります。

見守りを頼む相手を、分散させる

一人の善意に頼る見守りは、その人が体調を崩した時点で止まります。近所の人、民生委員、配食の配達員、ケアマネジャー、かかりつけの薬局。関わる人が増えるほど、途切れにくくなります。

当サイトでは、配食や訪問介護など毎日か毎週かならず人が来るサービスを、市区町村ごとに載せています。見守りだけを目的にしたサービスより、暮らしの用があって人が来るもののほうが長続きします。

機器に任せきりにしない

センサーや通知の機器は手間がかからず、その意味では優れています。ただ、電源が抜けている、電池が切れている、通信が止まっているといったことに、しばらく気づけません。

月に一度は、機器が生きているかを確かめてください。 「異常が無いから通知が来ない」のか「壊れているから来ない」のかは、外からは同じに見えます。届いた通知に返事をする決まりにしておくと、確かめる手間が減ります。

本人が拒むときの入り口

見守りの話を持ち出すと、「まだそんな年ではない」と怒られることがあります。無理に押し切ると、次の相談ができなくなります。

本人にとって得になるところから入ってください。買い物が楽になる、食事の支度をしなくてよくなる、電球を替えてもらえる。結果として様子が伝わるものを選ぶほうが、正面から見守りを頼むより通ります。

機械だけでは、埋まらない

センサーやカメラは、何かが起きたことを知らせます。知らせが届いたあと、誰が行くのかが決まっていなければ意味がありません。

遠くに住む家族の携帯に通知が来ても、駆けつけられません。 近くで動ける人を一人決めてください。 親族、近所の人、民生委員。機械はその人への引き金として使います。

毎日誰かが来る形が、いちばん強い

訪問介護、配食、通いのサービス。人が家に入る予定が毎日あれば、異変はその日のうちに分かります。

このサイトでは、見守りのある配食を市区町村ごとに載せています。 食事の手当てと見守りが一度に片づきます。手渡しかどうかを、頼むときに確かめてください。

本人が嫌がるとき

見張られていると感じると、断られます。カメラはとくにそうです。

電気やガスの使用から様子を見る形など、映さないしくみがあります。 何をどこまで見るのかを、本人に説明してから入れてください。黙って入れると、後で外されます。

市区町村が用意しているものがある

緊急通報の機器の貸し出し、安否確認の電話、乳酸菌飲料などの配達による見守り。市区町村ごとに、独自のしくみがあります。

費用がかからないものや、安く使えるものがあります。 全国共通の説明では出てきません。担当課か地域包括支援センターに、何があるかを聞いてください。

費用はかかりますか。
市区町村の事業は無料か低額のことが多く、民間のサービスは月額の料金がかかります。所得によって費用が変わる事業もあるため、担当課で確かめてください。
カメラを付けてもよいですか。
本人の同意が要ります。同意のないカメラは、見つかったときに強い反発を招きます。まずは人感センサーや電気の使用量など、姿を映さない方法から相談してください。

数えてみると、訪問介護の多い地域と少ない地域

訪問介護は、当サイトの掲載で34,852件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で9.7件です。定員が分かっている8,124件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは24,743の法人です。

65歳以上1万人あたりで多い順に並べると、上位は大阪府・和歌山県・徳島県です。上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは1県です。高齢者の多さだけで事業所の数が決まるわけではない、ということになります。少ないほうは新潟県・山形県・茨城県の順です。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,776市区町村で、116の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している訪問介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

あわせて読む

福祉用具のことをもっと詳しく

福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

体と暮らしを守るのほかの記事

お住まいの地域から探す

都道府県から選ぶ

北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州・沖縄
掲載情報は 2026-07-09 公開分のデータによるものです。指定の有効性・提供内容の詳細は、各事業所または指定権者へ直接ご確認ください。