避難行動要支援者名簿と個別避難計画。登録しておく

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

当日に考えられることは多くありません。誰が呼びに来るのか、どこへ行くのかを、先に決めておく制度があります。

名簿に載る、という備え

市区町村は、自力での避難が難しい人の避難行動要支援者名簿を作ることになっています。高齢者、障害のある人、要介護の人などが対象です。

名簿の情報を平時から地域へ渡すには、本人の同意が要ります。 同意しておけば、民生委員や自治会、消防団に伝わり、いざというときに声をかけてもらえます。同意していないと、災害が起きるまで共有されません。

個別避難計画

名簿に載った人について、一人ひとりの個別避難計画を作る取り組みが進んでいます。誰が支援するか、どの経路で、どこへ避難するか、必要な道具は何かを具体的に決めておくものです。

計画に書くこと
項目中身
避難を支援する人近所の誰か。複数決めておく
避難先指定避難所か、福祉避難所か
移動の手段歩けるか、車いすか、車が要るか
必要な配慮薬、酸素、透析、食事の形、認知症の有無
連絡先家族、ケアマネジャー、かかりつけ医
作成にはケアマネジャーが関わることがあります。 本人の状態をいちばんよく知っているためです。担当者会議のときに、災害時のことも話題にしてください。

福祉避難所

一般の避難所での生活が難しい人のために、福祉避難所が指定されています。ただし数が限られ、直接行ける場所とは限りません。どこが指定されているか、どういう手順で移るのかを、平時に確かめておいてください。

家に置いておくもの

  • 常用薬の予備とお薬手帳の写し
  • 介護保険被保険者証、健康保険証、身分証の写し
  • おむつ、清拭用品、入れ歯の洗浄剤など、代えのきかないもの
  • 飲み込みにくい人向けの食品、とろみ剤
  • 眼鏡、補聴器の予備電池
  • 連絡先と持病を書いた紙(本人が説明できないときのため)

停電と断水で、先に困ること

高齢者のいる家では、水と電気が止まったときの困り方が、ほかの家と違います。電動ベッドが動かない、エアコンが止まる、酸素の機器や吸引器が使えない。トイレが流せないことも、すぐに効いてきます。

医療の機器を使っている人は、停電時にどうするかを、機器を借りている業者と主治医に必ず確かめてください。予備の電源、業者の緊急連絡先、停電が続いたときの受け入れ先まで、紙に書いておきます。 当日に電話をかけて調べる時間はありません。

避難するかどうかの合図を決めておく

足腰が弱い人ほど、動き出すのに時間がかかります。周りが避難を始めてからでは間に合いません。

高齢者等避難という呼びかけが出たら動く、と先に決めておいてください。これは、支援が要る人に早めに動いてもらうための呼びかけです。雨がまだ強くないうちに動くことになるので、家族のあいだで納得しておかないと、本人が渋ります。

避難所での暮らしを、想像しておく

体育館の床で寝る、和式のトイレしかない、夜も明かりが点いている、人の出入りが多い。認知症のある人には、環境が変わること自体が負担になります。

段ボールベッドや簡易の間仕切りが用意されることがありますが、数が足りるとは限りません。行くつもりの避難所に、要介護の人が使える設備があるかを、平時に見に行っておいてください。 難しければ、親戚の家や在宅での避難も選択肢に入ります。

ケアマネジャーと事業所にも、備えがある

災害のとき、ケアマネジャーや事業所は利用者の安否確認をすることになっています。ただし、道が寸断されればすぐには来られません。

避難したら、落ち着いた時点でケアマネジャーに居場所を伝えてください。 通っていたデイサービスが止まる、訪問が来られない、といったときに、代わりの手を考えてもらえます。事業所が被災することもあるので、頼み先を一つに絞らないでおくほうが安全です。

避難できるかどうかを、先に確かめる

避難所まで歩けるか、階段を上れるか、誰が連れて行くのか。当日に考えることではありません。

歩いて行けないなら、その計画は成り立ちません。 市区町村には、一人で逃げるのが難しい人の名簿を作るしくみがあります。 対象になるかを担当課で確かめてください。

避難所で過ごせるかどうか

体育館の床で何日も過ごすのは、体の弱った人には難しいことがあります。トイレ、段差、寒さ、音。

配慮のある避難先が用意されている市区町村があります。 どこがそれにあたるかを、先に聞いておいてください。当日に探すことになりません。

薬と道具を、持ち出せる形にする

飲んでいる薬、お薬手帳、めがね、入れ歯、補聴器の電池。無いと過ごせないものが人によって違います。

一週間分をまとめて、持ち出せる場所に置いてください。 おむつやとろみを付けるものも、避難先では手に入りません。本人に要るものは、家族が用意するしかありません。

停電と断水で、何が止まるか

電気で動く医療の機器、エレベーター、給湯、冷暖房。止まったときにどうするかを、あらかじめ聞いておいてください。

電気が要る機器を使っているなら、主治医と機器の会社に相談してください。 事前に届け出ておく先があります。サービスの事業所にも、災害のときにどう動くかを聞いておいてください。

避難所へ行けない場合はどうしますか。
在宅での避難が現実的なこともあります。その場合も市区町村に把握してもらう必要があるため、名簿への登録と、地域の支援者との顔合わせをしておいてください。
施設に入っている場合は。
施設が避難の計画と訓練を行うことになっています。入居や入所を決めるときに、災害時の対応と、家族への連絡方法を確かめておいてください。

この記事の出典

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