聞こえにくさを放っておかない。会話が減ると全部が減る
耳が遠いのは不便なだけだと思われがちですが、そこから閉じこもりが始まることがあります。
聞こえないと、話さなくなる
聞き返すことが増えると、本人は会話を避けるようになります。集まりに行かなくなり、電話に出なくなり、テレビの音だけが大きくなる。人との関わりが減ることが、体と心の衰えにつながります。
難聴は、認知症の危険を高める要素として挙げられています。 聞こえの手当てをすることには、会話を取り戻す以上の意味があります。
補聴器は買って終わりではない
- まず耳鼻咽喉科で、治療できる原因がないかを診てもらう
- 補聴器相談医や認定補聴器技能者のいるところで選ぶ
- 購入後に何度も調整する。最初から快適には聞こえない
- 慣れるまで数か月かかる。少しずつ使う時間を延ばす
- 電池と手入れが要る。本人ができないなら家族が手伝う
見えにくさも同じ
白内障や緑内障、加齢黄斑変性は、転倒や閉じこもりにつながります。眼鏡の度が合っていないだけのこともあります。 「年だから見えないのは仕方ない」と片づけず、眼科で確かめてください。
見えにくさは、薬の飲み間違いや、書類が読めないことにもつながります。通帳や請求書が扱えなくなった背景が、目にあることがあります。
話しかけ方を変える
大声を出すより、正面から、少しゆっくり、短く区切って話すほうが伝わります。後ろから話しかけない、複数人が同時に話さない、テレビを消す。これだけで会話が成り立つことがあります。
認知症と間違われる
返事がずれる、話がかみ合わない、何度も同じことを聞く。聞こえていないだけでも、外からはこう見えます。
聞こえの検査をしないまま、もの忘れの相談に進んでしまうことがあります。 どちらも起きていることもあるので、どちらかに決めつけないでください。 耳鼻咽喉科ともの忘れの外来、両方にかかって構いません。
危ないほうにも直結する
後ろから来る自転車の音、車の音、警報の音。聞こえていなければ避けられません。玄関のチャイムに気づかず、宅配も訪問も届きません。
火災警報器の音が聞こえないことが、一人暮らしでは大きな危険になります。 光や振動で知らせる機器があります。市区町村の障害福祉の窓口や、消防に相談してください。
家の中でできる手当て
聞こえにくさは、部屋の作りでも変わります。硬い床と壁の広い部屋では音が反射して、言葉が濁ります。テレビをつけたまま話すと、まず聞き取れません。
話すときは音を消す、これを家の決まりにしてください。 食卓では正面に座る、明るいところで顔が見えるようにする。口の動きと表情が見えると、聞こえの足りない分を補えます。
目と耳は、外へ出る力に効く
見えにくく聞こえにくいと、出かけることそのものが不安になります。段差が見えない、案内が聞こえない、人と話せない。そうして家から出なくなります。
閉じこもりは、そこから体力の低下と気持ちの落ち込みへ続きます。 通所のサービスや地域の集まりに通えるかどうかも、目と耳の状態に左右されます。手当てを先にしておくと、その先の選択肢が残ります。
認知症と間違えられる
聞こえていないだけなのに、話がかみ合わない、返事をしない、と受け取られます。周りが誤解します。
会話が減ると、本当に頭の働きが落ちます。 順番が逆に見えるので、見落とされます。 まず耳と目を確かめてください。
大声で話すより、伝わる方法がある
大きな声は、かえって聞き取りにくくなることがあります。音が割れます。
正面から、ゆっくり、低めの声で、短く話す。 周りの音を消す。これだけで通じることがあります。 紙に書くのも早いです。
道具は、慣れるまで時間がかかる
買ってすぐ楽になるものではありません。調整を重ねて、少しずつ合わせていきます。
うるさいからと引き出しにしまってしまう人が多くいます。 合わないときは、買った店へ持って行って調整してもらってください。そこまで含めて対応してくれる店を選ぶことです。
費用の助けがある
一定の状態に当てはまる場合、障害者手帳の対象になり、費用の助けを受けられることがあります。市区町村が独自に補助しているところもあります。
まず医療機関で診てもらい、そのうえで市区町村の窓口に聞いてください。 手続きの順番が決まっているので、先に買うと対象外になることがあります。買う前に確かめる。
- 補聴器の費用に補助はありますか。
- 身体障害者手帳の対象になる程度の難聴であれば、補装具費の支給を受けられることがあります。手帳に至らない場合でも、独自の助成を設けている市区町村があります。障害福祉の窓口で確かめてください。
- 本人が補聴器を嫌がります。
- 雑音がうるさい、見た目が嫌だ、扱えない、という理由が多くあります。調整で変えられることも、形を選べることもあります。買った店に持って行って、正直に伝えてください。
この記事の出典
- 国立長寿医療研究センター補聴器は何歳から必要?2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センター耳が聞こえにくいと認知症になりやすい?2026-08-22 確認
- 厚生労働省福祉用具(補装具費支給制度・日常生活用具給付等事業)2026-08-22 確認
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