フレイルとは?年のせいと片づけないための目印
弱ってきたことに名前がついているのは、そこが「戻りうる時期」だからです。年のせいと片づけると、その時期を逃します。
5つの目印
- 体重が意図せず減った(半年で2〜3kg程度)
- 疲れやすく、わけもなく疲れた感じが続く
- 歩く速さが遅くなった(青信号で渡りきれない)
- 握力が落ちた(ペットボトルの蓋が開けにくい)
- 身体活動が減った(外出や家事の回数が減った)
いくつか当てはまるならフレイル、1つか2つならその手前と考えられています。 数を数えることが目的ではなく、変化に気づくための目安です。
体だけの話ではない
| 面 | 現れ方 |
|---|---|
| 体 | 筋力が落ちる、歩くのが遅くなる、体重が減る |
| 心と認知 | 意欲が落ちる、気分が沈む、もの忘れが増える |
| 社会的なつながり | 外出が減る、人と会わなくなる、役割が無くなる |
崩れ始めるのは、社会的なつながりからであることが多いと言われます。 退職、配偶者との死別、引っ越し、けがでの入院。きっかけがあって外出が減り、食が細り、筋力が落ちる、という順に進みます。
きっかけを見逃さない
入院がいちばん大きな転換点です。数週間寝ていただけで筋力は落ち、退院したときには入院前の暮らしに戻れなくなっていることがあります。入院が決まった時点でケアマネジャーに伝えて、退院後の体制を先に考えてください。
似た言葉との違い
フレイルの周辺には、似た言葉がいくつもあります。筋肉の量と力が落ちた状態を指すのがサルコペニア、立つ・歩くといった移動する働きが衰えた状態を指すのがロコモティブシンドロームです。
フレイルは、この二つを含んだ、もっと広い言葉です。体だけでなく、気持ちの落ち込みや人との関わりの減少まで入ります。どの言葉で呼ぶかを気にする必要はありません。 大事なのは、いま何が弱っていて、どこから手をつけるかです。
離れて暮らす親を見るとき
年に数回しか会えないと、変化は分かりにくいものです。会話では「元気だよ」で終わってしまいます。帰省したときに見ておくとよい場所があります。
冷蔵庫の中身、玄関の靴のそろい方、ためこまれた郵便物、床に置きっぱなしのもの。それから、階段を上るときの様子と、会話のテンポです。前に帰ったときと比べて何が変わったかを、その場でメモしておくと、次に帰ったときに比べられます。
心配なことがあれば、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに電話してください。まだ介護保険を使っていない段階の相談こそ、あの窓口の本来の役目です。
戻すには、崩れた時間より長くかかる
入院で2週間寝ていた分を取り戻すには、それ以上の時間がかかります。年齢が上がるほど、この差は開きます。だから「退院してからリハビリを考える」では遅く、入院した時点から動きはじめる必要があります。
入院が決まったら、その時点でケアマネジャーに伝えてください。退院後に何を使うかは、入院中に決めておけます。 病院の相談員とケアマネジャーが話をつなげば、退院した日から支えが入る形にできます。
体だけの話ではない
筋力が落ちることだけを指すのではありません。気持ちが沈む、人と会わなくなる、物事に関心がなくなる。ここも同じ流れの中にあります。
外へ出る回数が減ったことが、いちばん早く出る合図です。 食事の量、体重、歩く速さ、出かける回数。この4つを見ていてください。 数字で追えるものは、気のせいで済ませずに済みます。
戻せる時期がある
この段階は、手を打てば戻ることがあります。すでに介護が必要な状態とは、そこが違います。
気づくのが早いほど、戻る幅が大きくなります。 半年で体重が減った、握力が落ちた、疲れやすくなった。この時点で相談してください。 「年のせい」で片づけると、そのまま進みます。
入院と入院後に、一気に進む
数週間寝ていれば、筋力は落ちます。入院前は自分で歩けていた人が、退院時には歩けなくなっていることが実際に起こります。
入院が決まったら、退院後のことを同時に動かしてください。 早い時期からのリハビリと、日中に起きていること、口から食べること。この3つを、面会のときに確かめてください。
一人暮らしでは、見つかりにくい
毎日会っていれば、少しずつの変化には気づきません。離れて暮らしていると、帰省したときの差で分かります。
冷蔵庫の中、体重、家の片づき方、同じ服を着ているか。 会話だけでは出てきません。気になったら、地域包括支援センターに相談してください。 本人が同意していなくても、心配ごとは伝えられます。
- フレイルは治りますか。
- 手を打つことで改善する可能性がある段階です。運動、食事、口の手入れ、人との関わりを組み合わせるのが基本です。ただし背景に病気が隠れていることもあるため、体重が減っているときはまず受診してください。
- 要介護認定を受けたほうがいいですか。
- この段階では非該当になることがあります。ただし基本チェックリストで事業対象者となれば、市区町村の総合事業が使えます。地域包括支援センターに相談してください。
この記事の出典
- 厚生労働省健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センターフレイルの原因は?2026-08-22 確認
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