むせる、詰まらせる。飲み込みが弱ったときの食事

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

むせは、体が異物を出そうとしている合図です。むせなくなったから良くなった、とは限らないところが難しいところです。

危ないのは、むせないとき

むせるのは、気管に入りかけたものを出そうとする働きです。この働きが弱ると、入っても咳が出ません。 これを不顕性誤嚥といい、気づかれないまま肺炎につながります。

食事のときにむせなくなったのに、微熱が続く、痰が増えた、元気が無い、食事に時間がかかる。この組み合わせは受診の合図です。

食事のときにできること

手当ての基本
場面すること
姿勢椅子に深く座り、あごを軽く引く。足を床につける
一口の量スプーンを小さくする。口の中が空になってから次を入れる
水分さらさらした水ほどむせやすい。とろみをつける
食後すぐ横にならない。30分ほど起きている
声かけ食べている間に話しかけすぎない
とろみの濃さは自己判断で決めないでください。 濃すぎると、かえって喉に残って危険になります。言語聴覚士や医師、管理栄養士に、その人に合った濃さを決めてもらいます。

詰まりやすい食べ物

餅、団子、こんにゃく、パン、いも類、大きく切った肉。正月に餅による窒息が集中することは繰り返し注意されています。小さく切り、汁物と交互に食べ、一人で食べさせないことが備えになります。

詰まらせたときは、背中を強く叩く方法などがあります。意識が無い、声が出ない、顔色が変わったときは、ためらわず119番です。

専門の人に見てもらう

飲み込みの状態は検査で調べられます。耳鼻咽喉科やリハビリテーション科、歯科で扱います。訪問での嚥下の評価やリハビリを行っているところもあるので、通院が難しければケアマネジャーに相談してください。

口をきれいにすることが、肺炎を減らす

誤嚥性肺炎は、食べ物が入ることだけで起きるわけではありません。眠っているあいだに、口の中の細菌を含んだ唾液が少しずつ気管に流れ込むことでも起きます。

だから、飲み込みが弱っている人ほど、口の清掃が効きます。歯が残っていない人でも、歯ぐきと舌、上あご、入れ歯の清掃が要ります。寝る前の手入れがいちばん大事です。 自分でできなくなっているときは、訪問看護や訪問歯科に見てもらってください。

食べる場の作り方

テレビがついている、話しかけられる、急かされる。この三つは、どれも飲み込みを乱します。飲み込むという動作には、思っている以上に集中が要ります。

介助するときは、立って上から食べさせないでください。上を向かせると、のどがまっすぐになって気管に入りやすくなります。 横に座り、目線の高さをそろえて、あごが軽く引けた姿勢を保ちます。一口ごとに飲み込んだのを確かめてから、次を出します。

薬が飲みにくくなったとき

食事より先に、薬が飲めなくなることがあります。錠剤がのどに残る、粉がむせる。そのままにしていると、飲んだふりをして出してしまう、飲まない日が増えるといったことにつながります。

服薬用のゼリーを使う、口の中で溶ける形の薬に変える、貼り薬や液体に変えるといった手があります。錠剤をつぶしてよいかどうかは薬によって違うので、必ず薬剤師に聞いてください。 自己判断でつぶすと効き方が変わる薬があります。

食事の形は、言葉がそろっていない

「きざみ食」「ソフト食」「ミキサー食」といった呼び方は、事業所によって指すものが違います。同じ言葉のつもりで頼むと、まるで違う形のものが出てくることがあります。

デイサービス、ショートステイ、配食、施設。関わるところが増えるほど、形をそろえておく必要があります。 言語聴覚士や管理栄養士に判定してもらった内容を、ケアマネジャーを通じて全部の事業所へ伝えてください。当サイトでは、やわらかい食事に対応している配食のサービスも市区町村ごとに載せています。

むせない誤嚥がある

むせるのは、入りかけたものを出そうとしているからです。力が落ちると、むせずに入ってしまうことがあります。

むせなくなったことを、良くなったと受け取らないでください。 食後に声がかすれる、微熱が続く、痰が増える。 こうした変化があれば、医師に伝えてください。

姿勢で、ずいぶん変わる

寝たまま、あるいは後ろへ反った姿勢で食べると、飲み込みにくくなります。椅子に深く座り、足が床につき、あごを引いた形が基本です。

食べたあとすぐに横にならないでください。 しばらく起きている時間を作ります。この2つだけで、危なさが変わります。

水が、いちばん難しい

水はさらさらしているぶん速く流れます。固形物より先に、水でむせるようになることがよくあります。

とろみを付ける方法があります。 濃さは人によって違い、濃すぎても飲みにくくなります。言語聴覚士や医師に、その人に合う濃さを見てもらってください。 自己流で濃くしないでください。

食べる場面を、誰かが見ている

一人で食べているところは、誰も見ていません。どこで詰まりかけているかが分かりません。

通所のサービスや訪問介護の職員は、食べる様子を見ています。 気になることがあれば伝えてもらえるよう、先に頼んでおいてください。記録に残れば、担当者会議で共有できます。

刻み食にすれば安全ですか。
必ずしもそうではありません。細かく刻んだものは口の中でまとまらず、かえってばらけて気管に入ることがあります。まとまりのあるやわらかさが要点です。専門職に形を決めてもらってください。
食べられなくなったら、どうなりますか。
点滴、鼻から管を入れる方法、胃ろうなどの選択肢があります。どれも良し悪しがあり、本人の希望が分かっているかどうかで判断の重さが変わります。元気なうちに話しておく人生会議が役に立つ場面です。

この記事の出典

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高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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