尿もれ、間に合わない、夜間のトイレ。相談していい困りごと

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

恥ずかしさから誰にも言えず、外出をやめてしまう人がいます。原因が分かれば手が打てることの多い困りごとです。

「年のせい」ではないことがある

尿もれには型があり、咳やくしゃみで漏れるもの、急に我慢できなくなるもの、出しきれずに漏れるもので、対処が変わります。前立腺の病気、膀胱の炎症、薬の影響が背景にあることもあります。

まず泌尿器科です。 骨盤底筋の体操、薬、生活の工夫で改善することがあります。おむつを増やす前に、原因を確かめる価値があります。

夜間のトイレは転倒の話でもある

夜中に何度も起きると、睡眠が細切れになり、暗い廊下で転びます。ベッドの近くにポータブルトイレを置く、足元灯をつける、手すりを付けるといった手当てが、転倒の予防にもなります。

夜間の頻尿には、心臓や腎臓の病気、睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。 昼間より夜に尿量が多いときは、受診してください。

道具でできること

使える道具と、その扱い
道具介護保険での扱い
ポータブルトイレ、補高便座特定福祉用具販売(購入費の支給。年10万円まで)
手すり、段差の解消、洋式への取り替え住宅改修(原則20万円まで)
自動排泄処理装置本体はレンタル、交換部品は購入費の支給
紙おむつ、尿とりパッド介護保険の対象外(市区町村の給付がある場合がある)

おむつ代は、条件を満たせば医療費控除の対象になります。市区町村がおむつを支給したり、費用を助成したりしている場合もあるので、担当課に「おむつの助成はありますか」と聞いてください。

介助のしかたも相談できる

トイレへの移動や、ズボンの上げ下ろしの介助は、腰を痛めやすい場面です。訪問介護のヘルパーや、訪問リハビリの理学療法士に、その人と家の作りに合ったやり方を見せてもらうのが確実です。

出ないほうも、同じくらい体にこたえる

漏れることばかりが話題になりますが、便が出ないことも同じくらい暮らしを狂わせます。おなかが張って食欲が落ち、食べないから余計に出なくなる。この繰り返しに入ると、体力が落ちていきます。

水分、食物繊維、体を動かすこと、それに毎日同じ時間にトイレに座ること。まずはここからです。何日も出ていないのに、市販の下剤を足し続けるのは危険です。便が詰まっているのに刺激の強い下剤を使うと、かえって具合が悪くなることがあります。 出ない日が続くときは医師に相談してください。

外へ出ることを、あきらめさせない

漏らしたらどうしよう、という不安から外出をやめてしまう人は多くいます。ところが外へ出なくなると、足腰が弱り、人と会わなくなり、そのぶん体も気持ちも落ちていきます。困りごとが増える方向です。

出かける前にトイレに寄る、行き先のトイレの場所を先に調べておく、替えの下着とパッドを小さな袋に入れて持つ。この程度の備えで出られる人が、かなりいます。「行かない」ではなく「行けるようにする」ほうへ考えてください。

誘い方ひとつで変わることがある

「トイレに行こう」と言われるのを嫌がる人がいます。子ども扱いされたように感じるからです。とくに人前で言われると、意地になって断ることがあります。

「ちょっと一緒に歩こうか」「そろそろ休憩にしませんか」と誘って、通り道にトイレがあるようにする。声をかける場所を、人の目が無いところにする。認知症がある人では、トイレの戸に大きく字を書いて貼るだけで、間に合うようになることがあります。

後始末の手間を、道具で減らす

介護をやめたくなる場面として、後始末の負担はかなり上のほうに来ます。ここを我慢で乗り切ろうとすると続きません。

ポータブルトイレの消臭剤、使い捨ての処理袋、防水シーツ、洗いやすい寝具。どれも大げさな話ではありませんが、積み重なると差が出ます。ポータブルトイレのように介護保険で購入費の支給を受けられるものもあるので、買う前にケアマネジャーに聞いてください。順番を逆にすると対象外になります。

隠される

失敗しても言いません。汚れた下着を隠す、片づけようとしてかえって広げる。恥ずかしさが理由なので、問い詰めても出てきません。

洗濯物やごみの様子から気づくことが多くあります。 見つけたときに責めないでください。 一度責められると、次からもっと隠します。気づかなかったふりをして、環境のほうを変えてください。

間に合わないのか、分からないのか

同じ失敗に見えても、原因が違います。トイレまで遠くて間に合わない、場所が分からない、脱ぐのに手間取る、尿意そのものが分からない。

どこでつまずいているかで、手当てが変わります。 道具で解けるのか、間取りの問題か、体の問題か。ケアマネジャーに、失敗した場面をそのまま伝えてください。

道具を変えるだけで解けることがある

手すりを付ける、便座を高くする、寝室の近くに置く形のトイレを使う。体を変えるより、周りを変えるほうが早いことがあります。

福祉用具や住宅改修の対象になるものがあります。 買う対象のものと借りる対象のものが分かれています。先にケアマネジャーへ相談してから手配してください。

介護する側が、いちばん疲れるところ

夜中に何度も起こされる、汚れたものを洗い続ける。ここで限界が来る家庭が多くあります。

我慢を続けないでください。 夜だけ紙に替える、ショートステイで一晩休む、訪問介護を朝に入れる。組み方で減らせる部分があります。 疲れきってからでは、選べる手が減ります。

失禁を怒ってしまいます。
掃除と洗濯の負担が続けば、誰でもそうなります。防水シーツ、パッドの見直し、訪問介護の回数を増やす、ショートステイで休むといった手立てがあります。ケアマネジャーに正直に伝えてください。
おむつに切り替えるべきですか。
間に合わないことが増えたからといって、すぐ切り替えると排せつの力が落ちることがあります。時間を決めて誘う、動線を短くする、夜だけ使うなど、段階があります。専門職と相談して決めてください。

数えてみると、訪問介護の多い地域と少ない地域

訪問介護は、当サイトの掲載で34,852件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で9.7件です。定員が分かっている8,124件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは24,743の法人です。

65歳以上の人数で割って多い順に並べると、上から大阪府・和歌山県・徳島県。少ないほうは新潟県・山形県・茨城県の順になります。件数そのものの順位とは、まるで違う顔ぶれになります。件数で並べると人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いかどうかは分からないためです。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,776市区町村で、116の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している訪問介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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