福祉用具の購入の選び方!買ってから後悔しないために
福祉用具の購入は、体に直に触れるものなので返品ができません。買ってから「浴槽に入らなかった」では取り返しがつきません。何から確かめるかを決めてから動いてください。
全国に5,839件あるといっても、選ぶ前に知っておかないと保険が使えなくなる決まりがあります。順番を間違えると、あとから取り返せません。そこから説明します。
自分で買ってしまうと、保険は使えない
これがいちばん多い失敗です。介護保険の指定を受けた事業所から買わないと、払い戻しの対象になりません。ホームセンターや通信販売で先に買ってしまうと、あとから申請しても一円も戻りません。
同じ品物が同じ値段で売られていても、買う場所が違えば扱いが変わります。納得のいかない話に聞こえますが、仕組みがそうなっています。欲しいものが決まっていても、まずケアマネジャーか福祉用具の相談員に一本電話を入れてください。
寸法は、相談員に来て測ってもらう
浴室や便所は、見た目より寸法の余裕がありません。数センチの違いで入らなかった、置けたけれど扉が閉まらなくなった、ということが起こります。
| 買うもの | 測るところ |
|---|---|
| 浴槽内いす | 浴槽の内側の幅・長さ・深さ |
| 浴槽の手すり | 浴槽のふちの厚みと幅 |
| シャワーいす | 洗い場の広さ、扉が開くか |
| ポータブルトイレ | ベッドの脇に置ける広さ、高さの合わせ |
| 補高便座 | 便器の形と、今の高さ |
借りるか買うかを選べるものがある
固定の手すり、スロープ、歩行器、つえの一部は、借りるか買うかを選べるようになりました。安いほうを選べばいいというものではなく、見通しで決めます。
半年から一年以上使いそうなら、買ったほうが安くなることが多くあります。反対に、これから状態が変わりそうなときや、退院直後で見通しが立たないときは、借りて様子を見てください。合わなくなったら替えられます。本人がその品にもう慣れているのなら、手放さずに買っておくほうが落ち着きます。
全額を先に払わずに済むことがある
いったん全額を払って、あとから九割が戻ってくる形(償還払い)が基本です。十万円の品なら、一度は十万円を用意することになります。
ただし市区町村によっては、最初から一割だけ払えばよい形(受領委任払い)が使えます。手元の負担を抑えたいなら、この扱いに対応している事業所かどうかを聞いてください。市区町村の介護保険担当課でも確かめられます。
年に十万円の枠を、何に使うか
購入で使える枠は年に十万円までで、毎年四月に元へ戻ります。同じ年度にいくつも買う予定があるなら、順番を決めてから使ってください。
三月に困りごとが出たときは、四月まで待てば枠が新しくなります。急がないものなら、その一か月を待つだけで実質の負担が変わります。
使う人が扱えるかどうか
本人が一人で座れる高さか。介助する家族が動かせる重さか。この二つが合っていないと、結局は使わなくなります。軽くて丈夫なものは値が張りますが、毎日持ち上げるものなら、そこは削らないほうがいい部分です。
掃除のしやすさも見てください。入浴や排せつの用具は毎日洗います。継ぎ目が多い品は、数か月でぬめりが取れなくなります。滑り止めがついているか、浴室に置きっぱなしにできないなら折りたためるかも、買う前に確かめてください。
住宅改修と組み合わせて考える
浴室の手すりは、工事で壁に取り付ければ住宅改修(二十万円まで)の枠になります。浴槽のふちに引っかける手すりなら、購入(十万円まで)の枠です。枠が別なので、両方を組み合わせて使えます。
指定を受けた事業所で買う
同じ製品が、通信販売や量販店でも売られています。そこで買うと、保険の対象になりません。
指定を受けた事業所から買う必要があります。 安く見えても、保険が使えなければ結果として高く付きます。 どこが指定を受けているかは、市区町村で確かめられます。
実物を見て、試す
写真や説明だけでは、合うかどうか分かりません。高さ、幅、重さ、手すりの位置。
実物を持ってきてもらって、使ってみてから決めてください。 家の中に置いてみないと分からないことがあります。試させてもらえるかを聞く。
将来の状態まで、見込む
いまちょうどよいものが、半年後には合わなくなることがあります。買ったものは替えられません。
調整の幅があるものを選んでください。 高さを変えられる、部品を足せる。相談員に、この先どうなるかを踏まえて選んでもらう。
手入れと、使い方の説明
買った後の手入れを、誰がやるのか。任せきりにすると、傷んだまま使うことになります。
洗い方、点検の目安、部品の替え時。 買うときに教わってください。紙で渡してもらえば、家族の間で共有できます。
- 相談員が勧める品と、自分で調べた品が違います。
- なぜその品を勧めるのかを聞いてください。家の造りや体の状態からの理由があるはずです。説明を聞いても納得できなければ、両方を試させてもらってください。
- 中古で買っても保険は使えますか。
- 使えません。指定を受けた事業所から新品を買う場合が対象です。
- 施設に入っている家族のために買えますか。
- 施設で用意されている品は対象になりません。持ち込みが必要なものかどうかを、ケアマネジャーか施設の相談員に確かめてください。
日曜に開いている特定福祉用具販売は7.9%
5,839件のうち、日曜に開いているのは462件でした。土曜は2,808件(48.1%)、祝日は1,137件(19.5%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
特定福祉用具販売を運営しているのは3,938の法人
5,634件の運営者をたどると、3,938の法人にたどり着きます。1法人あたり1.4件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは4,156件(71.2%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
特定福祉用具販売が1件も無い市区町村が725ある
全国1,892の市区町村のうち、特定福祉用具販売の掲載があるのは1,167市区町村です。裏を返すと、725の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
福祉用具のことをもっと詳しく
福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。