特定福祉用具販売とは?年10万円まで使える6品目と申請方法
シャワーいすやポータブルトイレは、人に貸し借りするものではないため、借りるのではなく買う扱いになります。その代わり、年に10万円までは介護保険が使えます。
特定福祉用具販売とは
入浴や排せつに使う用具を、介護保険を使って買う仕組みです。衛生の面から使い回せない品なので、貸与ではなく購入の扱いになっています。
毎年4月1日から翌年3月31日までのあいだに10万円まで(自己負担1割なら1万円)使えます。
全国での指定は5,839件、65歳以上1万人あたり1.6件です。貸与の事業所が販売も手がけていることが多く、借りているものと買うものを同じ相談員に見てもらえる形になります。
対象になる6品目
| 品目 | 具体例 |
|---|---|
| 腰掛便座 | ポータブルトイレ、洋式にする補高便座、立ち上がりを助ける手すり付き便座 |
| 自動排泄処理装置の交換可能部品 | レシーバー、チューブ、タンクなど |
| 排泄予測支援機器 | 尿がたまったことを知らせる機器 |
| 入浴補助用具 | シャワーいす、浴槽内いす、浴槽の手すり、すのこ、入浴台 |
| 簡易浴槽 | 空気式や折りたたみ式で、部屋で入浴できるもの |
| 移動用リフトのつり具 | リフトで体を支える布の部分 |
費用の目安
| 品目 | 商品の価格 | 自己負担(1割) |
|---|---|---|
| シャワーいす | 約1万5,000円 | 約1,500円 |
| ポータブルトイレ | 約4万円 | 約4,000円 |
| 浴槽の手すり | 約1万5,000円 | 約1,500円 |
| 浴槽内いす | 約1万2,000円 | 約1,200円 |
| 補高便座 | 約1万円 | 約1,000円 |
10万円の枠は毎年4月に元へ戻ります。同じ品目を再び買う場合は、壊れた、体の状態が変わったといった理由が必要です。
2つの支払い方
| 償還払い | 受領委任払い | |
|---|---|---|
| 最初に払う額 | 全額(例:4万円) | 1割だけ(例:4,000円) |
| あとから戻る額 | 9割(約1か月から2か月後) | なし |
| 申請 | 自分で市区町村へ | 事業所が代行 |
| 使えるか | 全国で使える | 市区町村が認めた事業所のみ |
買う前に必ず確かめること
- 介護保険の指定を受けた事業所から買うこと(通信販売やホームセンターは対象外です)
- 買う前にケアマネジャーか福祉用具専門相談員に相談すること
- 要介護(要支援)の認定を受けていること
- 領収書と、保険が使えることを示す書類をもらうこと
申請の手順(償還払いの場合)
- ケアマネジャーか相談員に相談する
- 指定を受けた事業所で品を選び、購入する
- 領収書と、品目・型式が書かれた書類をもらう
- 市区町村の介護保険担当課に申請書を出す
- 1か月から2か月後に9割が指定の口座へ振り込まれる
買う形になるものが、決まっている
肌に触れるもの、繰り返し使うのに向かないもの。これらは借りる形ではなく、買う形になります。
何が対象になるかは決められています。 対象外のものを買っても、保険は使えません。 ケアマネジャーか事業所に、対象かどうかを先に確かめてください。
買う前に、確かめる
先に買ってしまうと、保険の対象になりません。手続きの順番が決まっています。
ケアマネジャーに相談し、計画に位置づけてから買う。 この順番を外すと、全額の負担になります。急いでいても、ここは省かないでください。
年ごとに、使える上限がある
1年の間に使える額に上限が定められています。使い切ると、その年は対象になりません。
何をいつ買うかを、年間で組んでください。 年度の切り替わりの時期も確かめる。ケアマネジャーに、残りがいくらかを聞けます。
払い方が二通りある
いったん全額を払って後から戻してもらう形と、最初から自己負担の分だけを払う形があります。
どちらになるかは、市区町村と事業所によって違います。 まとまった額を先に用意できないときは、先に確かめてください。手続きの書類も変わります。
- インターネットで安く売っています。
- 介護保険の指定を受けた事業所以外から買うと保険が使えません。同じ品でも、指定事業所を通せば1割で済みます。結果としてそちらが安くなります。
- 10万円を使い切ったらどうなりますか。
- 翌年度(4月)まで待つか、全額を自分で払うことになります。市区町村によっては独自の助成があるので、担当課に聞いてみてください。
- 住宅改修とは別枠ですか。
- 別枠です。住宅改修は20万円まで、福祉用具の購入は年10万円までで、それぞれ独立しています。どちらも区分支給限度基準額の枠の外です。
- 返品はできますか。
- 衛生用品なので、開封後の返品は原則できません。だからこそ、買う前に相談員に家を見てもらってください。
特定福祉用具販売の数は、都道府県で3.1倍ひらいている
全国の特定福祉用具販売は5,839件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり1.6件です。
いちばん多いのは和歌山県(3.4件)、いちばん少ないのは宮崎県(1.1件)で、同じ国の中で3.1倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 102件 | 3.4件 |
| 2位 | 島根県 | 75件 | 3.4件 |
| 3位 | 奈良県 | 115件 | 2.7件 |
| 4位 | 熊本県 | 133件 | 2.4件 |
| 5位 | 愛知県 | 415件 | 2.2件 |
| 47位 | 宮崎県 | 37件 | 1.1件 |
| 46位 | 石川県 | 37件 | 1.1件 |
| 45位 | 青森県 | 48件 | 1.1件 |
| 44位 | 宮城県 | 70件 | 1.1件 |
| 43位 | 新潟県 | 78件 | 1.1件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは1県です。高齢者が多い地域ほど特定福祉用具販売が多い、という単純な関係にはなっていません。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。
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