福祉用具貸与とは?借りられる13品目・費用と申し込みの流れ

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

介護ベッドを買うと20万円を超えます。介護保険で借りれば、自己負担は月に1,000円前後です。合わなければ返して替えられます。これが福祉用具貸与という仕組みです。

福祉用具貸与とは

介護保険を使って、生活に必要な道具を月ぎめで借りる仕組みです。事業所の福祉用具専門相談員が、体の状態と家の造りを見たうえで、合う品を選びます。

借りものなので、状態が変わったら別の品に替えられます。定期的に点検と手入れがあり、壊れたら直してもらえます。

全国では6,960件が指定を受けています。65歳以上1万人あたり1.9件という数で、事業所は倉庫と手入れの設備を持ち、複数の市区町村へ届けているのがふつうです。住んでいる場所で選べる相手が極端に少なくなるサービスではありません。

借りられる13品目

品目主な用途
手すり工事なしで置く。玄関、廊下、ベッドの脇、トイレ
スロープ工事なしで置く。段差、玄関、車への乗り降り
歩行器歩くのを支える。前腕で支える型もある
歩行補助つえ松葉づえ、多点つえ、ロフストランドなど
車いす自分でこぐ型と、介助者が押す型
車いす付属品クッション、電動の補助装置など
特殊寝台(介護ベッド)背や高さが動くベッド
特殊寝台付属品マットレス、サイドレール、テーブル、介助バー
床ずれ防止用具エアマットレス、体圧を分散する敷物
体位変換器向きを変えるのを助ける
認知症老人徘徊感知機器外に出たことを知らせる
移動用リフト(つり具を除く)抱え上げずに移す。据置型、床走行型
自動排泄処理装置尿や便を自動で吸引する

要介護度による制限

要支援1・2と要介護1の人は、手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえの4品目が基本です。車いす、介護ベッド、床ずれ防止用具などは原則として借りられません。

ただし、医師の意見をもとに「必要である」と認められれば借りられます(例外給付)。「軽いから無理です」で終わらせず、ケアマネジャーに相談してください。手続きは事業所とケアマネジャーが進めてくれます。

費用の目安(1割負担・1か月)

品目貸与料(全額)自己負担(1割)
介護ベッド(付属品込み)約1万5,000円約1,500円
車いす約5,000円約500円
歩行器約2,500円約250円
エアマットレス約9,000円約900円
手すり(置き型)1台約3,000円約300円

貸与料は事業所ごとに違います(品目ごとの上限額は決まっています)。福祉用具の費用は、訪問介護やデイサービスと同じく区分支給限度基準額の枠の中に入ります。枠を使い切ると全額の負担になるので、ケアマネジャーに合計を確かめてください。

介護保険の自己負担が1割の場合の目安です。2割・3割の方は倍・3倍になります。福祉用具の貸与料は事業所ごとに違います(上限額は決まっています)。実際の金額はケアマネジャーか福祉用具の事業所にご確認ください。

貸与と購入の使い分け

福祉用具貸与特定福祉用具販売
対象介護ベッド、車いすなど13品目入浴・排せつに使う6品目
なぜ分かれるか使い回せるもの人に貸せない衛生用品
支払い毎月買ったときに1回
上限限度額の枠の中年10万円まで
状態が変わったら替えられる買い直しになる
2024年から、固定用の手すり・スロープ・歩行器・つえの一部は「借りるか買うか」を選べるようになりました。長く使いそうなら購入、状態が変わりそうなら貸与が向きます。相談員に聞いてください。

申し込みの流れ

  1. ケアマネジャーに「こういうことに困っている」と伝える
  2. 福祉用具の事業所を紹介してもらう
  3. 相談員が家に来て、体の状態と家の造りを見る
  4. 品を選び、実物を持ってきてもらって試す
  5. 契約して搬入。使い方を教わる
  6. ケアプランに入れてもらう

試してから決められます。「置いてみたら廊下を通れなかった」ということが実際に起きるので、必ず家で試してください。

借りる形だから、替えられる

体の状態は変わります。買ってしまうと、合わなくなっても使い続けることになります。

借りる形なら、合わなくなった時点で別のものに替えられます。 手入れや故障のときの対応も含まれます。 そこが借りることの値打ちです。

要介護度によって、借りられないものがある

軽い区分では、対象にならない用具があります。必要と感じても、そのままでは借りられません。

状態によっては、例外として認められる道があります。 判断するのは市区町村です。「認められますか」と確かめてください。 事業所の言葉だけで決まるものではありません。

合わない道具は、危ない

高さの合わない杖、大きすぎる車いす、位置のずれた手すり。かえって転ぶ原因になります。

専門の相談員が家を見て、合わせる形になっています。 使ってみて違和感があれば、必ず伝えてください。調整も交換も、契約の中に含まれています。

定期的に、見直す機会がある

借りたまま何年も使い続けている家庭があります。状態が変われば、合う道具も変わります。

定期的に様子を見に来る決まりになっています。 そのときに、使っていないものは返してください。使わない道具の分も、費用がかかり続けています。

合わなかったら返せますか。
返せます。月の途中で返した場合の扱い(日割りか、その月は全額か)は事業所によって違うので、契約前に聞いてください。
中古品が来るのですか。
使い回しが基本です。ただし洗浄・消毒が義務づけられており、マットレスのカバーなど直接触れる部分は新しいものになります。気になる点は相談員に伝えてください。
壊れたらどうなりますか。
事業所に連絡すれば直すか交換します。費用はかかりません。故意に壊した場合を除きます。
要支援ですが介護ベッドを借りたいです。
原則は対象外ですが、医師が必要と認めれば借りられる場合があります。ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。

福祉用具貸与の数は、都道府県で2.8倍ひらいている

全国の福祉用具貸与は6,960件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり1.9件です。

いちばん多いのは島根県(3.4件)、いちばん少ないのは高知県(1.2件)で、同じ国の中で2.8倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。

福祉用具貸与が多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位島根県75件3.4件
2位大阪府777件3.3件
3位和歌山県97件3.2件
4位奈良県118件2.8件
5位徳島県67件2.8件
47位高知県29件1.2件
46位茨城県111件1.3件
45位佐賀県36件1.4件
44位神奈川県331件1.4件
43位滋賀県58件1.5件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは2県です。高齢者が多い地域ほど福祉用具貸与が多い、という単純な関係にはなっていません。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

福祉用具のことをもっと詳しく

福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

ほかのサービスも見る

福祉用具貸与を探す

都道府県から選ぶ

北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州・沖縄
掲載情報は 2026-07-09 公開分のデータによるものです。指定の有効性・提供内容の詳細は、各事業所または指定権者へ直接ご確認ください。