福祉用具貸与の選び方!相談員の見きわめと品の合わせ方
福祉用具は、品そのものより誰が選ぶかで使い心地が決まります。家の造りと本人の体を見ずにカタログだけで決める相談員には任せないでください。
全国に6,960件あります。ただ、実際にはケアマネジャーが付き合いのある事業所を1つ挙げて、そのまま決まることが多いはずです。替えてはいけないという決まりはありません。合わないと感じたら替えられる、という前提で読んでください。
家に来て、実際に見てくれるか
廊下の幅、敷居の高さ、ベッドを置く場所、トイレまでの動線。これを見ずに選べる品はありません。事業所の窓口で話を聞くだけで決めてしまうと、届いた品が部屋に入らないということが起こります。
訪問して測ってくれる事業所を選んでください。そのときは、本人が実際に立ったり歩いたりするところを見てもらいます。家族が介助している場面も見てもらってください。夜のトイレなど、いちばん困っている時間帯のことは、こちらから言わないと伝わりません。
実物を置いていってもらえるか
カタログで決めた車いすが玄関を通らない。介護ベッドが部屋に入らない。これはよくある話です。寸法の上では入るはずでも、曲がり角で引っかかることがあります。
実物を持ってきて数日置いていってくれる事業所があります。本人が使えるか、家族が動かせるかは、何日か家に置いてみないと分かりません。試させてもらえるかを、契約の前に聞いてください。
同じ品でも、事業所によって値段が違う
福祉用具の貸与料は事業所が決めます。同じ機種でも、借りる先によって月々の額が変わります。一割負担なら差は小さく見えますが、何年も借りるものなので積み上がります。
| 確かめること | なぜ大事か |
|---|---|
| 同じ品でいくらですか | 事業所ごとに違う。上限額の範囲で差が出る |
| 全国の平均額はいくらですか | 相談員には説明する決まりがある |
| ほかの機種の候補はありますか | 複数を示す決まりがある |
| 月の合計はいくらですか | 限度額の枠に収まるか |
合わなくなったときに替えてくれるか
借りる形を選ぶ意味は、状態が変わったときに替えられることにあります。ところが、納品したあと一度も顔を見せない事業所もあります。
半年に一度は様子を見に来る決まりになっているので、実際に来ているかを聞いてください。合わなくなったときに替えてもらえるか、そのたびに費用がかかるのか。退院した日に間に合わせて搬入してもらえるかも、急ぐ場面では効いてきます。
困りごとから品を探す
品の名前から入ると選べません。今いちばん困っていることを言葉にして、それに合うものを相談員に出してもらってください。
| 困りごと | 検討する品 |
|---|---|
| 起き上がりがつらい | 介護ベッド(背上げ)、介助バー |
| 夜のトイレが不安 | 手すり、ポータブルトイレ(購入)、センサー |
| 玄関の段差 | スロープ、置き型の手すり |
| 歩くとふらつく | 歩行器、多点つえ |
| 長く座っていると痛がる | 車いすクッション |
| 寝たきりで床ずれが心配 | エアマットレス、体位変換器 |
| 抱え上げるのが限界 | 移動用リフト |
毎日使うのは誰か
本人が使いやすいかだけでなく、介助する家族が扱えるかも見てください。重い車いすは、車に積むときに持ち上げられません。リフトは楽になりますが、操作を覚えるまでに何日かかかります。
「誰が毎日使うのか」を相談員に伝えてください。介助する人が高齢だったり、腰を痛めていたりするなら、選ぶ品は変わります。本人に合わせただけの品は、家族が使いこなせずに物置へ行きます。
合わないと感じたら、事業所を替えられる
一度契約したら替えられないと思っている人がいますが、そんなことはありません。ケアマネジャーに伝えれば替えられます。品を返して、新しい事業所から借り直す形になります。
言い出しにくければ、ケアマネジャーから伝えてもらってください。事業所に直接言いにくいことを引き受けるのが、ケアマネジャーの仕事のひとつです。
同じ道具でも、値段が違う
貸与の料金は事業所ごとに決められます。同じ製品でも、事業所によって額が変わります。
複数の製品と価格を示すことが求められています。 比べたうえで選べるはずです。 一つしか出てこないときは、他にどんな選択肢があるかを聞いてください。
相談員の腕が、そのまま結果になる
どの道具が合うかを見極めるのは、専門の相談員です。ここの力量で、暮らしやすさが変わります。
家の中を見て、実際に動いてもらってから選ぶ人を選んでください。 カタログだけで決める相談員は、避けたほうがよい。試しに使わせてもらえるかも聞く。
故障と、手入れの対応
壊れたとき、汚れたとき。どれくらいで来てもらえるかを確かめてください。
ベッドや車いすが使えない日は、そのまま生活が止まります。 代わりの品をすぐ出せるかどうかも聞いてください。ここが弱い事業所は、いざというときに困ります。
ケアマネジャーと同じ法人かどうか
同じ法人だと、話は早く進みます。ただし、選択肢がそこに寄ることがあります。
他の事業所も比べたいと言って構いません。 正当な要望です。このサイトの市区町村ページで、地域の事業所を確かめられます。
- 事業所は自分で選べますか。
- 選べます。ケアマネジャーは複数の候補を示すことになっています。一か所しか出てこない場合は、ほかにないか聞いてください。
- 相談員に資格はありますか。
- 福祉用具専門相談員という資格があり、事業所には配置が義務づけられています。理学療法士や作業療法士が在籍する事業所もあり、体の状態から選んでもらえます。
- 限度額を超えそうです。
- ケアマネジャーに合計を出してもらってください。福祉用具を減らすか、ほかのサービスを調整するかの判断になります。借りるより買うほうが安くなる品もあります。
日曜に開いている福祉用具貸与は8.3%
6,960件のうち、日曜に開いているのは576件でした。土曜は3,212件(46.1%)、祝日は1,386件(19.9%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
福祉用具貸与を運営しているのは4,932の法人
6,754件の運営者をたどると、4,932の法人にたどり着きます。1法人あたり1.4件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは4,770件(68.5%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
福祉用具貸与が1件も無い市区町村が682ある
全国1,892の市区町村のうち、福祉用具貸与の掲載があるのは1,210市区町村です。裏を返すと、682の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
福祉用具のことをもっと詳しく
福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。