訪問介護とは?頼めること・費用の目安と利用開始までの流れ

介護の窓口 編集部最終更新 2026-08-21

親の家に行くたびに、浴槽をまたげなくなっていた、冷蔵庫の中が同じ総菜ばかりになっていた。そんな変化に気づいたときに、最初の候補になるのが訪問介護です。入浴や着替えの手伝いから、掃除・洗濯・買い物まで、自宅に来て引き受けてもらえます。

訪問介護は「自宅に来てもらう介護」

訪問介護は、ホームヘルパー(介護福祉士や、決められた研修を修了した人)が自宅を訪ね、暮らしのうち一人では難しくなった部分を手伝うサービスです。「ホームヘルプ」と呼ばれることもあります。

介護保険を使うので、費用の1割から3割(所得によって変わります)が自己負担になります。1回20分ほどの短い訪問から、1時間を超える訪問まで、内容に応じて時間が決まります。

頼めることは、大きく2つ

身体介護:体に直接ふれる手伝い

  • 入浴・シャワー・体を拭くことの手伝い
  • トイレの介助、おむつの交換
  • 着替え、歯みがき、爪切りなどの身じたく
  • ベッドから車いすへの移り方の手伝い
  • 食事を口に運ぶ手伝い、飲み込みの見守り
  • 通院のときの付き添い(乗り降りの介助を含みます)

生活援助:暮らしまわりの家事

  • 掃除、ごみ出し
  • 洗濯、衣類の整理
  • 食事の用意と後片づけ
  • 日用品の買い物
  • 薬の受け取り

身体介護と生活援助では、1回あたりの費用も、頼める時間の長さも違います。どちらをどれだけ使うかは、ケアプラン(後述)で決めていきます。

訪問介護では頼めないこと

訪問介護は「本人が暮らしていくために必要なこと」に限られます。同居している家族の分まで含めた家事や、暮らしに直接関わらないことは引き受けられません。

  • 家族の分の食事づくり、家族の部屋の掃除、家族の洗濯
  • 大掃除、窓ふき、床のワックスがけ、庭の手入れ、ペットの世話
  • 正月やお盆のための特別な料理
  • 本人が留守のあいだの留守番
  • 金銭の管理、預金の引き出し
  • 医療行為(点滴、床ずれの処置、インスリン注射など)
ここに挙げたことも、介護保険を使わない自費のサービス(家事代行など)でなら頼めることがあります。「介護保険では無理」と言われても、別の方法があるかをケアマネジャーに聞いてみてください。

費用の目安(1割負担の場合)

1回あたりの自己負担の目安
内容時間目安(1割負担)
身体介護20分未満約160円
身体介護20分以上30分未満約240円
身体介護30分以上1時間未満約390円
身体介護1時間以上1時間30分未満約570円
生活援助20分以上45分未満約180円
生活援助45分以上約220円
1単位を10円として計算した目安です。お住まいの地域や事業所の体制によって同じ1割負担でも金額は変わり、初めて使う月は加算が付くこともあります。正確な金額は、担当のケアマネジャーか事業所にご確認ください。

週に何回まで使えるかは、要介護度ごとに決まっている「区分支給限度基準額」という月あたりの上限で決まります。上限を超えた分は全額が自己負担になるため、他のサービス(通所や福祉用具のレンタル)との組み合わせで調整することになります。

似ているサービスとの違い

来る人主にできること費用
訪問介護ホームヘルパー入浴・トイレ・食事の手伝い、掃除・洗濯・買い物介護保険(1〜3割負担)
訪問看護看護師床ずれの手当て、点滴やたんの吸引、薬の管理、体調の確認介護保険または医療保険
訪問入浴介護介護職員と看護職員のチーム専用の浴槽を持ち込んでの入浴介護保険(1〜3割負担)
家事代行家事のスタッフ掃除・料理・買い物(家族の分も頼めます)全額自己負担

線引きの目安は「体にふれるか」「医療にあたるか」です。床ずれの手当てや、たんの吸引のように医療にあたることは訪問看護の役目になります。反対に、家族の分の家事や大掃除のように介護保険の枠から外れることは、自費の家事代行のほうが頼みやすくなります。

利用開始までの流れ

  1. 市区町村の介護保険担当課か、地域包括支援センターに相談する
  2. 要介護認定を申し込む(申請から結果が出るまでおよそ1か月)
  3. 要介護1から5と認定されたら、居宅介護支援事業所のケアマネジャーを決める
  4. ケアマネジャーと話し合い、何にどれだけ使うかを決めたケアプランを作る
  5. 訪問介護の事業所を選び、面談のうえで契約する
  6. 利用開始。数週間使ってみて、合わなければ内容も事業所も変えられる

要支援1・2と認定された場合は、訪問介護ではなく市区町村の「総合事業」の訪問型サービスを使うことになります。名前と手続きは違いますが、掃除や買い物を手伝ってもらえる点は同じです。窓口は地域包括支援センターです。

よくある質問

本人が「他人を家に入れたくない」と嫌がります。
めずらしいことではありません。いきなり入浴の介助から始めず、掃除や買い物など負担の軽いところから週1回だけ入ってもらい、顔なじみになってから広げていく方法がよく取られます。「家族が困っているから手伝ってもらう」という伝え方のほうが受け入れられることもあります。
一人暮らしでなくても使えますか。
使えます。ただし同居している家族がいる場合、生活援助(掃除や調理)は「家族が家事をできない事情がある」と認められたときに限られます。身体介護は同居の有無に関わらず使えます。
曜日や時間は選べますか。
事業所の空き状況によります。朝の身じたくの時間帯と夕方は希望が集中しやすいため、早めに相談するほど希望が通りやすくなります。
ヘルパーが合わないときはどうすればいいですか。
担当を替えてもらうことも、事業所ごと替えることもできます。まずはケアマネジャーに伝えてください。言いにくい内容でも、間に入って事業所へ伝えるのがケアマネジャーの仕事です。

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