訪問看護とは?看護師に頼めることと費用、医療保険との違い
退院の話が出たとき、家族が最初に不安になるのは「家で薬や傷の手当てをちゃんとできるだろうか」という点です。訪問看護は、その部分を看護師が引き受けてくれる仕組みです。
訪問看護とは
看護師(保健師・准看護師を含みます)が自宅を訪ね、主治医の指示にもとづいて健康状態を確かめ、必要な処置を行うサービスです。理学療法士や作業療法士が訪問して、リハビリを行う形もあります。
訪問介護との一番の違いは、医療にあたることができる点です。床ずれの手当て、たんの吸引、点滴の管理、カテーテルや胃ろうの世話は、訪問看護の役目になります。
頼めること
- 体温・血圧・脈・呼吸の確認と、体調の変化の見きわめ
- 床ずれの予防と手当て
- 飲んでいる薬の整理、飲み忘れの確認、点滴や注射の管理
- たんの吸引、在宅酸素や人工呼吸器の世話
- 胃ろう、尿の管、人工肛門の世話
- 入浴や清拭、排せつの介助(体調を見ながら行います)
- リハビリ(歩く練習、飲み込みの練習など)
- 看取りの時期の痛みの緩和と、家族への助言
- 介護している家族への手技の指導と相談
「家族が処置をできるように教えてほしい」と頼めるのも訪問看護の特長です。おむつの当て方、体位の変え方、たんの取り方を、実際の場面で教えてもらえます。
介護保険と医療保険、どちらが使われるか
訪問看護は、同じ内容でも使う保険が変わります。要介護認定を受けている人は、原則として介護保険が優先されます。ただし次の場合は医療保険に切り替わります。
- 厚生労働大臣が定める病気(末期のがん、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患など)にあたる場合
- 急に状態が悪くなり、主治医が「特別訪問看護指示書」を出した場合(原則14日間)
- 要介護認定を受けていない場合
どちらになるかで自己負担の割合も、回数の数え方も変わります。判断は主治医とケアマネジャー、訪問看護ステーションが行うので、家族が選ぶものではありません。
費用の目安(介護保険・1割負担の場合)
| 訪問時間 | 訪問看護ステーションから | 病院・診療所から |
|---|---|---|
| 20分未満 | 約310円 | 約270円 |
| 30分未満 | 約470円 | 約400円 |
| 30分以上1時間未満 | 約820円 | 約570円 |
| 1時間以上1時間30分未満 | 約1,120円 | 約860円 |
1単位を10円として計算した目安です。お住まいの地域や事業所の体制によって同じ1割負担でも金額は変わり、初めて使う月は加算が付くこともあります。正確な金額は、担当のケアマネジャーか事業所にご確認ください。 夜間・早朝・深夜の訪問や、緊急時に来てもらえる契約には加算が付きます。
利用を始めるには、主治医の指示書が必要
- ケアマネジャーか、病院の相談窓口(地域連携室)に希望を伝える
- 訪問看護ステーションを選ぶ
- 主治医が「訪問看護指示書」を出す
- ステーションの看護師が自宅を訪ね、状態を見たうえで計画を作る
- 契約し、利用開始
退院を控えている場合は、入院中に病院の相談窓口へ伝えるのが早道です。退院の日から切れ目なく訪問が始まるよう、病院が調整してくれます。
訪問介護との違い
| 訪問看護 | 訪問介護 | |
|---|---|---|
| 来る人 | 看護師、理学療法士など | ホームヘルパー |
| 医療的な処置 | できる | できない |
| 家事 | 原則としてしない | できる(本人の分に限る) |
| 始めるのに必要なもの | 主治医の指示書 | ケアプラン |
| 使う保険 | 介護保険または医療保険 | 介護保険 |
- 夜中に具合が悪くなったとき、来てもらえますか。
- 「緊急時訪問看護加算」を付けた契約をしていれば、24時間つながる連絡先が渡され、必要と判断されれば夜間でも訪問してもらえます。離れて暮らしている場合、この契約があるかどうかは大きな差になります。
- 週に何回まで来てもらえますか。
- 介護保険では月の上限額の範囲で、医療保険では原則として週3回までです。末期のがんなど対象の病気にあたる場合は、この制限がなくなります。
- 訪問看護と訪問リハビリは同時に使えますか。
- 使えます。訪問看護ステーションから理学療法士が来る形も、訪問リハビリテーションとして別に頼む形もあります。組み合わせはケアマネジャーが調整します。