薬が多すぎるかもしれない。ふらつきや眠気の犯人を探す
「年のせい」に見えている変化が、薬の影響だったという例は少なくありません。まず疑ってよいところです。
増える理由
複数の持病があれば、それぞれに薬が出ます。専門ごとに別の医療機関にかかっていると、誰も全体を見ていないという状態になります。ある薬の副作用に対して別の薬が足される、という連鎖も起きます。
多いこと自体が問題なのではなく、害が出ていることが問題です。 必要な薬を減らすのが目的ではありません。
薬のせいかもしれない変化
| 変化 | 関わることのある薬 |
|---|---|
| ふらつき、転倒 | 睡眠薬、精神安定剤、血圧の薬 |
| 日中の強い眠気、ぼんやり | 睡眠薬、抗アレルギー薬 |
| もの忘れが増えた | 一部の胃薬、抗コリン作用のある薬 |
| 食欲が落ちた、吐き気 | 多くの薬で起こりうる |
| 便秘、尿が出にくい | 抗コリン作用のある薬 |
整理のしかた
- お薬手帳を1冊にまとめる。市販薬とサプリメントも書き込む
- かかりつけ薬局を1つに決める
- 飲んでいる薬を全部持って、かかりつけ医か薬剤師に見てもらう
- 気になっている症状(ふらつき、眠気など)を具体的に伝える
- 減らすかどうかは医師が決める。勝手にやめない
自己判断での中止は危険です。 血圧や心臓、糖尿病の薬を急にやめると、命に関わることがあります。「多いのでは」と感じたら、やめるのではなく相談してください。
飲み忘れへの手当て
一包化、服薬カレンダー、日付の印字。薬局に頼めば、飲んだかどうかが見て分かる形にできます。 訪問薬剤管理指導として、薬剤師が家に来て整理する方法もあります。訪問看護が服薬を確かめている家庭も多くあります。
薬局を1つに決めると、何が変わるか
病院ごとに近くの薬局で受け取っていると、全部の薬を並べて見ている人が誰もいません。同じ効きの薬が二重に出ていても、飲み合わせが悪くても、そこで止まりません。
薬局を1つに決めると、飲んでいるものの全部がそこに集まります。 医師は自分の出した薬を知っていますが、他科の薬まで手元にあるとは限りません。薬剤師のほうが全体を見やすい立場にいます。
残った薬を、捨てる前に見せる
引き出しや棚に、飲みきらなかった薬が溜まっていることがあります。恥ずかしくて隠したくなるところですが、そこにいちばん多くの手がかりがあります。
何がどれだけ残っているかで、どの薬が飲めていないかが分かります。飲めない理由も見えてきます。大きくて飲み込めない、苦い、一日に何度も飲めない。残薬を持って行けば、次からの処方の数を減らせることがあります。
入院と退院で、中身が入れ替わる
入院すると、病院の採用している薬に置き換わることがあります。退院のときに元に戻る薬と、変わったままの薬が混ざります。
退院した日に、家にある古い薬をそのまま飲み続けてしまう事故が起きます。 同じ効きの薬を二重に飲むことになります。退院したらまず、家の薬を全部出して薬局に見てもらってください。
介護をする側が見ている変化を伝える
診察室で本人は「変わりありません」と答えます。家で見ている側だけが、歩き方がふらついた日、昼間に寝てばかりいる日を知っています。
いつからそうなったかを、日付で伝えてください。 ケアマネジャーやヘルパーが気づいていることもあります。担当者会議やサービス担当者への連絡帳に残っていれば、それがそのまま材料になります。
飲めていないことに、気づかない
本人は飲んだと言います。残った薬の数を見なければ、分かりません。
月に一度、残りを数えてください。 合わなければ、飲めていません。 責めずに、飲める形へ変えることのほうが大事です。
減らせる薬がある
長年出続けている薬の中に、いま必要でないものが混じっていることがあります。種類が増えるほど、体への負担も増えます。
自分の判断でやめないでください。 医師と薬剤師に、全部の薬を見せて相談してください。減らせるかどうかは、専門職が判断します。
飲む回数を、まとめられることがある
朝昼夕と分かれていると、昼が抜けます。日中に一人でいる人ほど、抜けます。
同じ効き目で、回数の少ない形に変えられる場合があります。 一回分ずつまとめてもらう方法もあります。薬局に頼めます。
薬剤師に家へ来てもらえる
薬局まで行けない、管理ができない。その場合、薬剤師が家に届けて、飲み方を整える形があります。
医師の指示があれば使えます。 残った薬の整理や、飲めているかの確認もしてもらえます。ケアマネジャーか、かかりつけの薬局に聞いてください。
- 市販薬やサプリメントも伝える必要がありますか。
- あります。処方された薬と重なったり、効き方を変えたりします。特に痛み止め、胃薬、睡眠改善薬、健康食品は伝えてください。
- 医師に「多い」と言いにくいです。
- 薬剤師から医師へ照会してもらう道があります。かかりつけ薬局に、気になっている症状を伝えてください。減らす提案は、薬剤師から出されることがよくあります。
この記事の出典
- 厚生労働省高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)PDF2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センターポリファーマシーって知っていますか?2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センター転びやすくなる原因は?2026-08-22 確認
あわせて読む
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。