眠れない、昼夜が逆転した。まず変えるのは日中

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

夜のことを夜だけで解決しようとすると、たいていうまくいきません。手を入れる場所は日中にあります。

年をとると眠りは変わる

加齢とともに、眠りは浅く、短く、早寝早起きになります。これは異常ではありません。 若い頃と同じ8時間を求めて寝床にいる時間を延ばすと、眠れない時間が増え、かえって不眠を感じやすくなります。

寝床にいる時間を8時間以内を目安にすることが勧められています。眠くなってから床に入り、目が覚めたら起きる。この形のほうが、結果として眠れたと感じられます。

日中に手を入れる

  • 朝、決まった時間に起きて、日の光を浴びる
  • 日中に体を動かす。外出の用事を作る
  • 昼寝は短く(30分程度まで)。夕方以降は寝ない
  • 夕方以降のカフェインと、寝る前の飲酒を控える
  • 夕食から就寝までの時間を空ける
寝酒は眠りを浅くします。 寝つきは良くなったように感じても、夜中に目が覚めやすくなり、トイレも近くなります。転倒の危険も上がります。

眠れない背景を疑う

不眠の背景にあること
背景手がかり
夜間頻尿何度もトイレに起きる。飲み方と病気の両方を見る
痛み、かゆみ腰、膝、皮膚。日中は気にならず夜に出ることがある
気分の落ち込み早朝に目が覚める。何をしても楽しくない
睡眠時無呼吸いびき、日中の強い眠気
薬の影響飲み始めた時期と重なっていないか
むずむず脚脚の不快感で寝つけない

昼夜が逆転したとき

認知症のある人では、昼夜が入れ替わることがあります。介護している人が眠れなくなり、そこから共倒れになるのが最も避けたい流れです。

日中の活動を増やすこと、デイサービスで昼間に過ごすことが基本になりますが、それでも足りないときはショートステイで夜を預けるという手があります。眠れていないことを、必ずケアマネジャーに伝えてください。

寝る部屋のほうに原因があることがある

眠れないと聞くと、まず薬の話になりがちです。けれども、部屋が寒い、廊下の明かりがまぶしい、テレビがついたまま、布団が重い、といったことで眠れていない人がかなりいます。

夜中にトイレへ立つ人では、寝床からトイレまでの暗さと寒さが、眠りを浅くしていることがあります。足元灯を付ける、トイレまでの距離を短くする、ポータブルトイレを置く。転倒を防ぐ工夫が、そのまま眠りの工夫になることは多くあります。

「眠れない」の中身を聞き分ける

同じ「眠れない」でも、寝つけないのか、途中で目が覚めるのか、朝早く目が覚めてしまうのか、眠っているのに眠った気がしないのかで、話は変わります。医師に伝えるときも、この違いが手がかりになります。

何時に床に入って、何時に目が覚めて、昼間にどれくらい寝ているか。一週間ぶんを紙に書いて持っていくと、それだけで話が早くなります。本人の「まったく寝ていない」という感じ方と、実際に眠っている時間は、ずれていることがよくあります。

足がむずむずする、いびきが止まる

夜になると脚が気持ち悪くて動かさずにいられない、大きないびきのあと呼吸が止まっている。この二つは、眠れない理由として見落とされがちなものです。どちらも、本人より周りの人のほうが先に気づきます。

眠りの問題としてではなく、体の問題として扱う必要があります。気づいたことは、そのまま医師に伝えてください。眠れないという訴えだけを伝えて睡眠薬が増えていく、という流れがいちばん避けたいところです。

介護している人の眠りも、同じくらい大事

夜に何度も起こされる生活が続くと、介護している側が先に倒れます。判断力が落ち、いらだちやすくなり、それが本人への当たり方に出ます。

眠れていないのは本人だけではない、ということを、ケアマネジャーに正直に伝えてください。夜間対応の訪問介護、ショートステイ、見守りの機器。家族が眠るための手当ては、わがままではなく介護を続けるための条件です。

眠れないのか、寝すぎているのか

夜眠れないという相談の裏で、昼に何時間も寝ていることがあります。一日の合計で見ると足りているのに、夜だけを見て薬に頼ることになります。

一日の様子を、時間帯ごとに書いてみてください。 何時に寝て、何時に起きて、昼にどれだけ寝たか。 数日つければ、何が起きているかが見えます。

朝の光と、日中の活動

家の中で一日過ごしていると、昼と夜の区別があいまいになります。カーテンを開ける、朝のうちに外の光を浴びる。 ここから整えます。

日中に体を動かす機会があると、夜の眠りが変わります。 通所のサービスに行った日はよく眠る、という家庭が多くあります。薬より先に、ここを試してください。

眠りを妨げているものを探す

夜中に何度もトイレへ行く、足がむずむずする、いびきが止まる、痛みがある。眠れない原因が別にあることがあります。

「眠れない」だけを医師に伝えると、そこだけへの手当てになります。 何で目が覚めるのかを、具体的に伝えてください。原因のほうが手当てできることがあります。

介護する側の眠りも、崩れる

夜中に起こされる日が続くと、支える側が先に倒れます。ここは我慢の問題ではありません。

ショートステイで一晩休む、夜の訪問を入れる、部屋を分ける。 組み方で減らせます。「自分が我慢すれば」で続けた結果、介護そのものが続かなくなります。

睡眠薬を使ってもよいですか。
医師の判断で使われることはあります。ただし高齢期はふらつきや転倒、日中の眠気が出やすく、量と種類の選び方が重要です。市販の睡眠改善薬を自己判断で続けるのは避けてください。
早く目が覚めてしまいます。
加齢による変化のことが多いのですが、気分の落ち込みでも起こります。早朝の覚醒に加えて、意欲や食欲が落ちているときは受診してください。

短期入所生活介護は全国に11,230件ある

この記事で触れている短期入所生活介護は、当サイトに11,230件掲載しています。65歳以上1万人あたりにすると全国で3.1件です。定員が分かっている3,528件では、まんなかの定員が13人でした。運営しているのは6,455の法人です。

65歳以上の人数で割って多い順に並べると、上から秋田県・広島県・岩手県。少ないほうは東京都・沖縄県・神奈川県の順になります。件数そのものの順位とは、まるで違う顔ぶれになります。件数で並べると人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いかどうかは分からないためです。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,784市区町村で、108の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している短期入所生活介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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