食べているのに痩せていく。低栄養に気づく目印

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

「粗食が体にいい」という考えが、高齢期には裏目に出ます。若い頃と同じ食べ方の話ではありません。

気づく目印

  • 半年で体重が2〜3kg減った。服やベルトがゆるくなった
  • ふくらはぎが細くなった。握力が落ちた
  • 傷や床ずれが治りにくい。風邪をひきやすくなった
  • 食事が「お茶漬けだけ」「パンと牛乳だけ」で済むようになった
  • 同じものばかり食べている。買い物に行かなくなった

いちばん確かなのは体重です。 月に一度でよいので測って記録してください。見た目では分かりません。

足りなくなるのはたんぱく質

高齢期に不足しやすいのは、エネルギーとたんぱく質です。肉・魚・卵・大豆・乳製品を、毎食どれか一つは入れるのが目安になります。「あっさりしたものを」と続けると、真っ先に減るのがここです。

持病で制限を受けている場合は自己判断で増やさず、主治医か管理栄養士に「たんぱく質はどこまで取ってよいか」を聞いてください。 腎臓の病気があると話が変わります。

食べない理由を探す

食が細るときの背景
背景手当て
歯や入れ歯が合わない。飲み込みにくい歯科受診。訪問歯科という選択肢もある
薬の副作用で食欲が落ちている医師・薬剤師に相談する
買い物と調理ができなくなった配食サービス、訪問介護、家事代行
一人で食べるのがつまらないデイサービスの昼食、地域の食事会
気分が沈んでいるうつの可能性がある。受診を
「食べないなら仕方がない」で止めないでください。 食べない理由のほとんどは、食欲そのものではなく別の場所にあります。歯、薬、買い物、気分のどれかであることが多くあります。

手を借りる

配食サービスを使うと、栄養を考えた食事が届き、受け取りのときに安否も確かめてもらえます。 刻んだもの、やわらかいもの、塩分やたんぱく質を調整したものを用意している事業者もあります。

体重の測り方を決めておく

体重は、測り方がばらばらだと変化が読めません。同じ曜日、同じ時間、同じ服装で測ると決めてしまうのがいちばん確実です。朝起きてトイレを済ませたあと、というのが分かりやすいでしょう。

記録はカレンダーの余白で十分です。1枚にまとまっていることが大事で、そこに数字が並んでいれば、受診のときにそのまま医師へ見せられます。「最近痩せてきた気がします」より、「3か月で2キロ減りました」のほうが、話が早く進みます。

体重計に乗るのが難しい人は、ふくらはぎの太さを目安にする方法もあります。親指と人差し指で輪を作ってふくらはぎを囲み、隙間ができるかどうかを見ます。細かい数字は出ませんが、変化には気づけます。

本人の申告より、台所を見る

「ちゃんと食べている」という言葉は、本人にとって嘘ではありません。食べたつもりでいることが多いだけです。確かめるなら、冷蔵庫の中身、ごみの量、買い物の頻度を見るほうが確実です。

同じ総菜が何日も残っている、賞味期限の切れたものが増えた、ごみに食品の袋がほとんど無い。こうした光景は、本人の言葉より正直です。 離れて暮らしていて確かめられないときは、訪問介護や配食の事業者に様子を聞くこともできます。

医療の側で確かめられること

低栄養が進んでいるかどうかは、血液検査でもある程度わかります。定期受診のときに、体重が減っていることを伝えてください。痩せた背景に、がんや甲状腺の病気、糖尿病の悪化が隠れていることがあります。 まず病気を否定してからが、栄養の話です。

医師の指示があれば、管理栄養士による栄養の指導を受けられます。在宅の場合は、居宅療養管理指導として管理栄養士が家に来る形もあります。献立を考えるのが負担になっている家庭ほど、専門職に入ってもらう値打ちがあります。

水分も一緒に減っている

食事量が減ると、食べ物から取っていた水分も減ります。高齢期はもともとのどの渇きを感じにくく、トイレが近くなるのを嫌がって飲むのを控える人もいます。

食欲の話をするときは、水分のことも一緒に見てください。1日にどれだけ飲んだかが分かるよう、決まったコップを使って回数を数える方法があります。ここが崩れると、脱水から一気に体調を落とします。

体重は、いちばん確かな物差し

食べているかどうかは、見た目では分かりません。体重が半年で落ちていれば、それは事実です。

月に一度、同じ時間に量って書いておいてください。 数字が並ぶと、いつから減り始めたかが見えます。 医師に伝えるときも、この記録がいちばん強い材料になります。

食べない理由を、決めつけない

食欲が無い、という一言の下にいくつも原因が隠れています。入れ歯が合わない、薬の影響、口が渇く、便秘、うつ、飲み込みにくい。

「年だから」で止めないでください。 原因が分かれば手が打てるものが多くあります。歯科、かかりつけ医、薬剤師。順に当たってみてください。

一人で食べると、量が減る

同じものでも、誰かと食べるほうが食べます。一人暮らしで食が細るのは、作るのが面倒だからだけではありません。

通所のサービスで昼食を取る、配食を頼んで届く人と話す。 食べる場そのものを変えると量が戻ることがあります。このサイトでは、配食を市区町村ごとに載せています。

作れなくなっていることがある

買い物に行けない、火が使えない、片づけられない。食べないのではなく、用意できていないことがあります。

冷蔵庫の中を見せてもらってください。 同じものが溜まっている、古いものが残っている。そこに答えがあります。 訪問介護や配食で埋められる部分です。

栄養補助食品を使ってもよいですか。
食事で足りないときの補いとして使えます。ただし食事の代わりにすると、かむ力と飲み込む力が落ちます。主食を減らして補助食品を増やす形にならないよう、管理栄養士に相談してください。
本人が「食べている」と言い張ります。
冷蔵庫の中身、ごみの量、買い物の頻度を見ると分かります。体重の記録があれば、話が食い違いません。責める材料にせず、受診や配食の相談材料にしてください。

訪問介護の数を、掲載データから確かめる

訪問介護が全国にどれくらいあるかというと、当サイトの掲載で34,846件です。65歳以上1万人あたりにすると全国で9.7件です。定員が分かっている8,124件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは24,741の法人です。

65歳以上の人数で割って多い順に並べると、上から大阪府・和歌山県・徳島県。少ないほうは新潟県・山形県・茨城県の順になります。件数そのものの順位とは、まるで違う顔ぶれになります。件数で並べると人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いかどうかは分からないためです。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,776市区町村で、116の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している訪問介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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