高齢者向け配食サービスの選び方!続く一社の見極め方
配食サービスは、届いた食事を本人が食べてくれなければ意味がありません。値段や回数を比べる前に、まず味と受け取り方を確かめてください。ここでは、長く続けられる事業者をどう見極めるかを、順を追って説明します。
このサイトに載っている配食の店舗は全国で1,366件です。配達できる範囲が決まっているので、実際に頼めるのは家の周りの数か所になります。その数か所を、どこで見分けるかという話をします。
味が合わなければ続かない
配食サービス選びは、料金表と配達エリアの比較から入りたくなります。けれども実際に続くかどうかを分けるのは、味です。届いた食事を本人が残すようになると、栄養をとるという目的そのものが果たせなくなり、頼んだ側は「せっかく手配したのに」と気を揉むことになります。その状態が一か月も続けば、結局は解約という話になります。
ですから最初にすることは、資料を取り寄せることではなく、試食を頼むことです。ほとんどの事業者が一食だけの注文や試食に応じています。二社か三社を実際に食べ比べて、本人に選んでもらってください。自分で選んだものは、多少の不満があっても続きます。反対に、家族が良いと判断して決めたものは、口に合わなかったときに本人が言い出しにくくなり、黙って残すという形で表れます。
高齢者向けの食事は塩分を抑えて作られているため、これまでの味付けに慣れた人ほど「味がしない」と感じます。試食のときにその感想が出たら、別の事業者を試すか、同じ事業者の中で献立の系統を変えられるかを聞いてください。慣れで収まることもありますが、我慢を前提にして始めると、たいてい長くは続きません。
かむ力と飲み込む力に合っているか
普通の食事のほかに、やわらかく煮たもの、細かく刻んだもの、ミキサーにかけたものなど、状態に応じた食事を用意している事業者があります。ここで確かめたいのは、今の状態に合うかどうかだけではありません。途中で変えられるかどうかです。
食べる力は、入院や体調の変化をきっかけに数か月で変わります。申し込みのときに「あとから食事の形を変えられますか」「変えるときに手続きは要りますか」と聞いておけば、必要になったときに事業者を探し直さずに済みます。医師や言語聴覚士から食事の形について指示が出ている場合は、その指示にどこまで沿えるかを申し込む前に確かめてください。飲み物のとろみの付け方まで指定がある場合、応じられる事業者は限られます。
見た目も、思っている以上に食欲を左右します。同じミキサー食でも、素材ごとに形を整えて盛り付けている事業者と、器に流し込むだけの事業者では、食べ進み方が違います。試食のときは、味だけでなく皿の上の見え方も見てください。
手渡しで受け取るか、置いていってもらうか
一人暮らしの親のために配食を頼む家族の多くは、食事そのものと同じくらい、毎日誰かが顔を見てくれることを期待しています。その期待に応えられるのは、手渡しの配達だけです。
| 手渡し | 置き配 | |
|---|---|---|
| 安否の確認 | できる | できない |
| 留守のとき | 持ち帰りか再配達 | 置いていける |
| 本人の負担 | 玄関に出る必要がある | なし |
| 向いている場面 | 見守りを兼ねたい | 日中の外出が多い |
玄関先に置いていく方式は本人の負担が軽く、日中に出かけることが多い人には向いています。ただし、中で倒れていても気づかれません。見守りを目的にするなら手渡しを選び、そのうえで、呼んでも応答がなかったときに誰へ連絡するのかを、申し込みのときに決めておいてください。連絡先が決まっていないと、事業者は「留守だった」として次の家へ回るだけになります。
止めやすさは、始めやすさと同じくらい大事
配食は始めるのは簡単ですが、続けるうちに必ず「今週は要らない」という日が出てきます。デイサービスで昼食が出る日、家族が泊まりに行く日、入院した週、旅行に連れて行った週などです。そのたびに止められないと、食べないぶんの代金を払い続けることになります。
前日までの連絡で止められるか、当日でも間に合うか、長期の入院で数週間まとめて休めるか、休んでいるあいだに基本料のような費用がかからないかを聞いてください。曜日を決めて頼めるなら、通所の日を外して組み立てられます。
解約の条件も、始める前に聞いておきたいことのひとつです。施設に入ることになった、体調が変わって別の方法にした、という理由で終わりが来るのが普通のサービスです。違約金や最低利用期間があるかどうかで、あとの身軽さが変わります。
一食の値段ではなく、ひと月の総額で比べる
表に出ている一食の値段は比べやすいのですが、それだけで決めると判断を誤ります。配達料、容器代、キャンセル料が別に加わる事業者があるからです。一食あたりでは五十円の差でも、週に五回を一年続ければ一万円を超える差になります。
週に何回、どの食事の形で頼むつもりかを伝えて、ひと月の合計を出してもらってください。二社に同じ条件で見積もってもらって並べると、表の値段では安く見えた側が高くなることがあります。
| 確かめること | 聞き方 |
|---|---|
| 一食いくらか | 食事の形ごとに聞く |
| 配達料がかかるか | 地域や回数で変わることがある |
| ひと月でいくらか | 週の回数を伝えて出してもらう |
| 支払い方 | 口座振替、現金、クレジットカード |
支払い方も確かめておきます。口座振替に対応していれば、本人が毎回現金を用意する手間がなくなり、家族が立て替えて精算する必要もなくなります。
市区町村の助成が使えるかを先に調べる
多くの市区町村が、一人暮らしの高齢者などを対象に配食の費用を一部負担する制度を持っています。一食あたり数百円が引かれるため、続けるほど差が大きくなります。
気をつけたいのは、助成の対象が「市区町村の指定した業者」に限られることが多い点です。先に事業者を決めて申し込んだあとで、その業者は対象外だと分かることがあります。順番としては、介護保険の担当課か地域包括支援センターに「配食の助成はありますか」「対象の業者はどこですか」と聞いてから、その中で試食して選ぶのが無駄になりません。
届く時間が生活に合っているか
見落とされやすいのが配達の時間です。夕食が十五時ごろに届く地域もあります。配達の順路の都合でそうなるのですが、届いてから食べるまで数時間空くことになり、温め直しが必要になります。本人が電子レンジを使えるかどうかまで含めて考える必要があります。
何時ごろに届くのか、時間の希望をどこまで聞いてもらえるのか、遅れるときに連絡が来るのかを聞いてください。土日祝の配達があるかどうかも、家族が行けない日を埋める使い方をするなら確かめておきたいところです。
家族に様子が伝わる仕組みがあるか
離れて暮らしている場合、配達の人が毎日会っているという事実は、家族にとって大きな意味を持ちます。事業者によっては、気づいたことを家族へ知らせる仕組みを持っています。
「今日はお元気そうでした」「少し咳をされていました」という短い連絡が届くだけで、電話をかけて確かめる回数は減ります。反対に、何も伝わらない事業者だと、頼んでいるのに様子が分からないという落ち着かなさが残ります。連絡の方法と、どんなときに連絡が来るのかを聞いておいてください。
決める順番
ここまでを並べ替えると、進め方はこうなります。まず市区町村の担当課に助成の有無を聞き、対象の業者を教えてもらう。その中から二社か三社に試食を頼み、本人に選んでもらう。選んだ事業者に、食事の形を変えられるか、手渡しか、休めるか、ひと月いくらかを確かめて申し込む。この順番なら、選び直しになりません。
迷ったときは、味と手渡しの二つを優先してください。この二つが合っていれば、回数も時間帯も、始めてから調整できます。
本人が食べられるものかどうか
安くても、口に合わなければ残ります。残れば意味がありません。
まず試してみてください。 お試しの回数を用意している事業者が多くあります。 味の濃さ、量、温度。本人が続けられるかどうかが、いちばんの条件です。
届く時間と、受け取り方
手渡しか、置いていく形か。冷凍でまとめて届く形もあります。
手渡しなら、顔を見てもらえます。 冷凍なら、都合のよいときに食べられます。本人が電子レンジを使えるかどうかも、選ぶときの条件になります。
休みの日と、地域の範囲
土日や年末年始に届くかどうかは、事業者によって違います。そこが空くと、結局その日は困ります。
届けられる地域も限られます。 住所を伝えて、対象になるかを最初に確かめてください。このサイトの市区町村ページで、その地域に届く事業者を確かめられます。
費用の総額で比べる
一食あたりの金額だけでなく、配送料、休止したときの扱い、まとめて頼んだときの差を含めて比べてください。
市区町村の補助が使える場合、対象の事業者が決まっていることがあります。 先に担当課へ確かめると、選ぶ範囲が絞れます。補助の有無で、負担が大きく変わります。
- 毎日でなくてもいいですか。
- 週に一回から頼める事業者が多くあります。デイサービスで昼食が出る日は外す、家族が行く日は外す、といった組み立てができます。始めるときは少なめにして、本人の様子を見ながら増やすほうが失敗しません。
- 容器はどうしますか。
- 使い捨ての事業者と、回収する事業者があります。回収するほうは次の配達のときに引き取るので、洗って出しておく必要があります。本人にそれができるかどうかで選んでください。洗えないまま溜まると、それ自体が気の重い用事になります。
- 味が濃い、薄いと言われました。
- 同じ事業者の中で別の献立に変えられるかを聞き、難しければ事業者を替えてください。高齢者向けは塩分を抑えているため、薄いと感じる人が多くいます。汁物だけ家族が味を足す、という折り合いの付け方もあります。
- 施設に入ることになったら、すぐ止められますか。
- 事業者によります。前日までの連絡で止められるところが多い一方、最低利用期間や解約の予告期間を決めているところもあります。申し込む前に、終わり方の条件も聞いておいてください。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。