老人ホームの紹介センターとは?無料の理由と使うときの注意
施設を探しはじめると、「無料で紹介します」という窓口を必ず目にします。なぜ無料なのかを知っておくと、この仕組みを上手に使えます。
入居相談・紹介とは
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などを探している人に、条件に合う住まいを提案し、見学の手配や入居の手続きを手伝う民間のサービスです。「紹介センター」「入居相談室」などと呼ばれます。
このサイトには、高齢者住まい事業者団体連合会に届け出た事業者の相談窓口を1,284件掲載しています。窓口の置かれている場所には偏りがあり、都市部に集まっている一方で、一つも無い市区町村もあります。紹介できる地域は都道府県の単位で届け出るので、窓口が隣の市にあっても相談はできます。
なぜ無料なのか
入居が決まると、施設から紹介センターへ紹介料が支払われるためです。相場は入居一時金や月額利用料の1か月ぶんから数か月ぶんです。相談する側は費用を払いません。
この仕組みは違法でも不当でもありませんが、知っておくと次の点が見えてきます。
- 提携していない施設は紹介の候補に出てこない
- 紹介料の高い施設が先に出てくることがある
- 特別養護老人ホームなど公的な施設は紹介の対象になりにくい(紹介料がないため)
- 早く決まったほうが紹介センターの利益になる
頼めること
- 条件(地域・費用・医療的ケア・認知症の状態)に合う施設を挙げてもらう
- 空き状況を調べてもらう
- 見学の日程を組んでもらう。同行してもらう
- 費用の見積もりを出してもらう
- 入居の申し込みや書類の手伝い
- 入居後に合わなかったときの相談
ほかの相談先との違い
| 相談先 | 費用 | 扱う範囲 | 偏り |
|---|---|---|---|
| 紹介センター(民間) | 無料 | 提携する民間の施設 | 提携先に限られる |
| ケアマネジャー | 無料 | 介護保険のサービス全般 | 母体の法人に寄ることがある |
| 地域包括支援センター | 無料 | 公的な施設を含む地域全般 | 少ない |
| 病院の相談窓口 | 無料 | 退院先として受け入れ可能な施設 | 少ない |
| 市区町村の担当課 | 無料 | 公的な制度と施設 | なし |
公的な施設(特別養護老人ホーム、老健、介護医療院)を含めて広く検討したいなら、地域包括支援センターか、入院中なら病院の相談窓口が先です。民間の有料老人ホームを中心に探すなら、紹介センターが効きます。
紹介の対象になる住まい
| 種類 | 特徴 | 費用の目安(月) |
|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 介護の職員が常駐。手厚い | 15万から35万円 |
| 住宅型有料老人ホーム | 介護は外部のサービスを使う | 12万から25万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 賃貸。安否確認と生活相談が付く | 10万から25万円 |
| グループホーム | 認知症の人が9人以下で暮らす | 12万から18万円 |
誰の側に立っている相談先か
無料で相談に乗ってくれる窓口の多くは、施設から紹介料を受け取る形で運営されています。
紹介料を払う施設だけが候補になっている可能性があります。 どういう形で運営しているかを、最初に聞いてください。 悪いことではありませんが、知っておくべきことです。
公的な相談先と、併せて使う
地域包括支援センターとケアマネジャーは、紹介料を受け取りません。まずそちらに相談してください。
民間の相談窓口は、公的な相談を補うものとして使うのが安全です。 両方から候補を出してもらい、重なるところを見る。片方だけに頼らない。
介護保険のサービスではない
ここで扱うのは民間のサービスです。介護保険の指定を受けた事業所ではありません。
相談そのものは無料でも、契約に至れば施設側から手数料が動きます。 その分は、最終的に費用のどこかに含まれます。構造を知っておいてください。
見学は、自分の足で行く
紹介された施設をそのまま受け入れるのではなく、必ず自分で見てください。
同行してもらう場合も、案内された場所以外を見せてもらう。 このサイトの市区町村ページで、地域にどんな施設があるかを先に確かめておくと、提示された候補が偏っているかどうかが分かります。自分で全体を知ってから話を聞く。
- 本当に費用はかからないのですか。
- 相談する側は無料です。入居が決まったときに施設から紹介料が支払われます。ただし、その紹介料は施設の運営費から出るので、間接的には入居費用に含まれています。
- 複数の紹介センターを使ってもいいですか。
- 使えます。扱う施設が違うので、2か所か3か所に相談すると候補が広がります。同じ施設に別々の窓口から申し込まないよう、見学した施設は記録しておいてください。
- 急かされている気がします。
- 早く決まるほど紹介センターの利益になる仕組みです。見学して納得できなければ断って構いません。「もう少し考えます」と言える相手かどうかも、選ぶときの目安になります。
- 特別養護老人ホームは紹介してもらえますか。
- 紹介料がないため、扱わないところがほとんどです。特別養護老人ホームは、市区町村の担当課か地域包括支援センター、施設へ直接申し込んでください。