特定施設入居者生活介護とは?介護付き有料老人ホームの仕組み
有料老人ホームのパンフレットには「介護付き」「住宅型」という言葉が並びます。この違いを作っているのが、特定施設入居者生活介護という指定です。費用の仕組みも、受けられる介護もここで変わります。
特定施設入居者生活介護とは
有料老人ホームなどが都道府県から「特定施設」の指定を受けると、その施設の職員が入居者へ直接介護を行えるようになります。これが特定施設入居者生活介護です。広告では「介護付き有料老人ホーム」と表示されます。
指定を受けられるのは、有料老人ホーム・軽費老人ホーム(ケアハウス)・サービス付き高齢者向け住宅の3種類です。どれも建物の種類が違うだけで、受けられる介護の仕組みは同じです。
「介護付き」と「住宅型」の違い
| 介護付き(特定施設) | 住宅型 | |
|---|---|---|
| 介護をする人 | 施設の職員 | 外部の訪問介護など |
| 費用の仕組み | 要介護度ごとの定額 | 使ったサービスの分だけ |
| 使いすぎたとき | 定額なので変わらない | 上限を超えた分は全額自己負担 |
| 介護が軽いとき | 割高になることがある | 安く抑えられる |
| 事業所を選べるか | 選べない(施設の職員) | 選べる |
介護が重くなるほど「介護付き」が有利になり、軽いうちは「住宅型」のほうが安く済みます。入居のときに軽くても、数年後を考えると介護付きを選ぶ人が多くなります。
外部サービス利用型という形もある
特定施設の中には「外部サービス利用型」という形があります。施設がケアプランを作り、実際の介護は外部の事業所が行う仕組みです。費用の考え方が通常の特定施設と違うので、どちらの型かを必ず確かめてください。
費用の目安
| 内訳 | 月あたりの目安 |
|---|---|
| 介護保険の自己負担(1割・要介護1) | 約1万6,000円 |
| 介護保険の自己負担(1割・要介護5) | 約2万5,000円 |
| 家賃・管理費 | 5万円から20万円以上 |
| 食費 | 4万円から6万円 |
| 合計 | おおむね15万円から35万円 |
入居のときの一時金は0円の施設から数千万円の施設まであります。一時金を払う代わりに月々を抑える形と、一時金なしで月々を高くする形の2通りが多く見られます。
介護保険の自己負担が1割の場合の目安です。これとは別に、家賃・管理費・食費・光熱費・おむつ代がかかります。入居時に必要なお金は施設ごとに大きく違います。正確な金額は施設にご確認ください。
ほかの住まいとの違い
| 入居の条件 | 費用の目安(月) | 待ち | |
|---|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 施設による(自立から要介護5まで) | 15万から35万円 | 短い |
| 特別養護老人ホーム | 原則要介護3以上 | 8万から15万円 | 長い |
| グループホーム | 認知症の診断がある人 | 12万から20万円 | 地域による |
| 介護老人保健施設 | 要介護1以上・在宅復帰が目的 | 9万から17万円 | 中くらい |
費用は高くなりますが、待たずに入れることが多いのが特定施設の利点です。特別養護老人ホームの順番を待つあいだ、ここで過ごすという選び方もあります。
- 自立でも入れますか。
- 施設によります。自立から受け入れる施設と、要介護1以上に限る施設があります。自立で入って、介護が必要になったらそのまま暮らせるかも確かめてください。
- 入居一時金は返ってきますか。
- 一定期間内に退去した場合は、決められた計算で返還されます。「返還の計算方法」と「初期償却の割合」を契約前に必ず確かめてください。ここは最もお金の動く部分です。
- 看取りまでしてもらえますか。
- 施設によります。協力医療機関との関係と、看取りの経験を聞いてください。
- 要支援でも入れますか。
- 入れます。「介護予防特定施設入居者生活介護」となり、費用は下がります。