要介護3とは?特別養護老人ホームに申し込めるようになる区分
在宅か施設かの分かれ目になる区分です。申し込めるようになったからといってすぐ入れるわけではないので、動く順番が大事になります。
どういう状態か
排せつ・入浴・着替えのいずれもが、介助なしには成り立たなくなった状態です。歩行は難しく、車いすを使うことが多くなります。認知症がある場合は、目を離せない時間が長くなります。
- トイレに間に合わないことが増え、おむつを使いはじめる
- 立ち上がりに全面的な介助が要る
- 夜間に何度も起きて、そのたびに手が要る
- 受け答えがかみ合わないことが増える
1か月に使える上限
| 区分 | 1か月の上限額 | 単位 | 1割負担のときの上限 |
|---|---|---|---|
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705単位 | およそ19,705円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048単位 | およそ27,048円 |
要介護2から一気に7万円ぶん広がります。毎日どこかのサービスが入る組み方ができる広さです。
特別養護老人ホームに申し込める
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所は、原則として要介護3以上が対象です。要介護3になった時点で申し込めるようになります。
申し込み先は施設です。複数の施設に同時に申し込めます。待機の順番は申し込んだ日付ではなく、介護の必要度と家族の状況で決まるのがふつうなので、事情が変わったら施設に伝え直してください。
在宅を続けるときの組み立て
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月曜から金曜 | 通所介護(入浴つき、1日) |
| 毎日(朝・夕) | 訪問介護(身体介護・排せつと着替え) |
| 水曜 | 訪問看護 |
| 月に1回 | 短期入所生活介護(ショートステイ・2泊3日) |
| 随時 | 福祉用具貸与(特殊寝台・車いす・床ずれ防止用具) |
ショートステイをためらわないでください。介護する人が休むためのしくみです。元気なうちに1泊から慣らしておくと、急に必要になったときに使えます。
定額のサービスに切り替える手
訪問介護と通所介護を足していくと、要介護3の枠でも上限に届きます。回数を気にせず使いたいときは、1か月の額が決まっているサービスに切り替える手があります。
- 小規模多機能型居宅介護(通い・泊まり・訪問がひとつの事業所から定額で来る)
- 看護小規模多機能型居宅介護(それに訪問看護が加わる)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(1日に何度も短く来る)
1か月にいくらかかるか
上限まで使って1割負担ならおよそ27,000円です。ショートステイを挟むと、保険の外の費用(食費と部屋代)が一気に増えます。
| 何に | 1か月の目安 | 保険が効くか |
|---|---|---|
| 通所介護(週5回・入浴つき) | およそ15,000円 | 効く |
| 訪問介護(毎日朝夕・身体介護) | およそ9,000円 | 効く |
| 福祉用具貸与(特殊寝台・車いす・床ずれ防止用具) | およそ2,000円 | 効く |
| ショートステイの食費と部屋代(月2泊3日) | 月4,000円から7,000円 | 効かない |
| 通所介護の食事代(週5回) | 月12,000円前後 | 効かない |
| おむつ・尿とりパッド | 月6,000円から10,000円 | 効かない |
上限をきれいに使い切る組み方より、家族が休める組み方のほうが長続きします。毎月の請求書をケアマネジャーと一緒に見る日を、決めておいてください。
施設の費用と、負担限度額認定
特別養護老人ホームの月額は、介護保険の自己負担のほかに食費と部屋代(居住費)がかかります。この2つは保険の対象外で、部屋の形によって差が大きく出ます。
| 部屋の形 | 月額の目安(1割負担) |
|---|---|
| 多床室(相部屋) | およそ9万円から11万円 |
| 従来型個室 | およそ11万円から13万円 |
| ユニット型個室 | およそ13万円から15万円 |
所得と預貯金が一定より少ない場合は、負担限度額認定を受けると食費と部屋代が軽くなります。窓口は市区町村の介護保険担当課です。申請した月からの適用でさかのぼらないので、入所が決まったらすぐに出してください。
要介護4との境目
判定のもとになる時間の目安は、要介護3が70分以上90分未満、要介護4が90分以上110分未満です。座った姿勢を保てるか、意思を伝えられるかが分かれ目になります。
| 見るところ | 要介護3 | 要介護4 |
|---|---|---|
| 1か月の上限 | 270,480円 | 309,380円 |
| 姿勢 | 支えがあれば座っていられる | 座った姿勢を保つのが難しい |
| 食事 | 見守りと一部の介助 | 介助が要り、むせることがある |
| 意思の伝達 | おおむね伝わる | 伝わりにくい場面が出る |
| 夜間の手間 | 数回 | 体位変換を含めて何度も |
要介護4になると、特別養護老人ホームの待機でも順番が前に来やすくなります。申し込みを出したあとに区分が上がったら、必ず施設に伝え直してください。順番は申し込んだ日ではなく、必要度で決まるためです。
1日の流れの例
| 時間 | 本人 | 手を貸すところ |
|---|---|---|
| 早朝 | 目が覚める | おむつ交換 |
| 朝 | 起きる、着替える | 全面的な介助、車いすへの移乗 |
| 午前 | 通所介護へ | 送り出し |
| 昼 | 通所先で食事、入浴、機能訓練 | なし |
| 夕方 | 帰宅 | 移乗、水分の補給 |
| 夜 | 夕食 | 食事の介助、服薬 |
| 夜間 | 就寝 | 2回から3回のおむつ交換と体位変換 |
要介護3の在宅は、家族が夜に眠れるかどうかで続くか決まります。朝と夕に訪問介護を入れ、夜を家族が持つ形が、いちばんよくある組み方です。
先に手を打っておくこと
要介護3は、動く順番を間違えると選択肢が減ります。申し込み・話し合い・お金の3つを、同じ時期に進めてください。
特別養護老人ホームには、入る気がなくても申し込んでおきます。待機が長い地域では、要介護4になってから出しても間に合わないことがあります。順番が来たときに断るのは自由です。
本人の意思が確かめられるうちに、どこで過ごしたいか、何を望まないかを聞いておいてください。要介護3はまだ会話が成り立つことが多い段階です。要介護4、5になってから聞こうとしても、間に合わないことがあります。
お金の面では、負担限度額認定の対象になるかを先に確かめます。所得と預貯金の要件があり、当てはまれば施設の食費と部屋代が大きく軽くなります。施設に入ってから知ると、申請の月より前にさかのぼれません。
入所の対象になる区分
この区分から、特別養護老人ホームの申し込みが原則として可能になります。ここが大きな分かれ目です。
申し込んだ順ではなく、必要度の高さで順位が決まります。 待っている間に状況が変われば、施設へ伝えてください。 伝えなければ、書類上は前のままです。
在宅を続けるなら、体制を組み直す
この段階で従来の組み方のままだと、支える側が持ちません。回数を増やすだけでは足りないことがあります。
夜間の訪問、定期的な泊まり、訪問看護。 医療が絡んでくる時期でもあります。医師とケアマネジャーが情報をやり取りする形にしてください。
住まいの手当てが追いつかなくなる
一人で立てない、トイレまで行けない。家の造りが合わなくなります。
寝る場所を一階に移す、介護用のベッドを入れる、トイレの近くへ動かす。 大きな工事より、配置を変えるほうが早いことがあります。用具の相談も同時にしてください。
- 要介護3で1か月にいくらかかりますか。
- 上限まで使って1割負担ならおよそ2万7,000円です。これに通所介護の食事代、おむつ代、ショートステイの食費と部屋代が加わり、実際には月に4万円から6万円になることが多くあります。
- 特別養護老人ホームの費用はいくらですか。
- 多床室で月におよそ10万円、ユニット型個室でおよそ14万円が目安です。所得が低い場合は負担限度額認定を受けると食費と部屋代が軽くなります。
- 待っているあいだはどうすればよいですか。
- 在宅のサービスを組みながら、介護老人保健施設のショートステイや、住宅型有料老人ホームを中継ぎに使う方法があります。ケアマネジャーに「特養待ちのあいだの組み立て」として相談してください。
介護老人福祉施設は全国に8,526件ある
この記事で触れている介護老人福祉施設は、当サイトに8,526件掲載しています。65歳以上1万人あたりにすると全国で2.4件です。定員が分かっている3,909件では、まんなかの定員が70人でした。運営しているのは5,329の法人です。
65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは島根県(4.0件)、いちばん少ないのは愛知県(1.6件)です。同じ国の中で2.5倍のひらきがあります。全国の平均は2.4件なので、島根県は平均の1.7倍にあたります。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,774市区町村で、118の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省要介護認定はどのように行われるか2026-08-22 確認
- 厚生労働省サービスにかかる利用料2026-08-22 確認
- 福祉医療機構 WAM NET介護保険サービス一覧2026-08-22 確認
- 厚生労働省地域包括ケアシステム2026-08-22 確認