負担限度額認定とは?施設の食費と部屋代が軽くなるしくみ
施設の費用でいちばん重いのは、介護の部分ではなく食費と部屋代です。ここを軽くする制度があり、しかも申請しないと始まりません。
対象は、所得も預貯金も少ない人
認定を受けられるのは、本人と世帯の所得が一定以下で、かつ預貯金などの資産も一定以下の人です。所得だけでなく資産も見るのが、この制度の特徴です。配偶者がいる場合は、世帯を分けていても配偶者の所得と資産が見られます。
申請のときに預貯金通帳の写しを出します。通帳の残高を確かめる手続きがあるため、思っていたより準備するものが多く感じるかもしれません。
軽くなるのは食費と部屋代
| 費目 | この制度 |
|---|---|
| 介護サービスの部分 | 効かない(高額介護サービス費のほう) |
| 食費 | 効く |
| 部屋代(居住費・滞在費) | 効く |
| 日用品費、理美容代 | 効かない |
対象になる施設
ショートステイにも効く
見落とされやすいのですが、ショートステイの食費と滞在費にも効きます。自宅で暮らしながら定期的にショートステイを使っている場合、年間で見ると差は小さくありません。
毎年、更新が要る
認定証の有効期間は8月から翌年7月までで、毎年申請し直します。更新の案内が届くので、届いたら早めに手続きします。切れたまま入所を続けると、その月から軽減が止まります。
部屋のかたちで、部屋代がまるで違う
同じ施設でも、部屋のかたちによって部屋代は大きく変わります。何人かで使う多床室、昔ながらの個室、少人数の生活単位ごとに分かれたユニット型の個室。この順で高くなっていくのが一般的です。
軽減の額も、部屋のかたちごとに決められています。多床室なら軽減後の負担がかなり小さくなる一方、ユニット型の個室では軽減を受けてもそれなりの額が残ります。費用を抑えたいなら、施設を選ぶ段階で部屋のかたちを確かめてください。
資産として見られるもの
見られるのは、預貯金、有価証券、投資信託、金や銀のような換金しやすい貴金属、そして手元に置いている現金です。自宅などの不動産、生命保険、自動車は資産として数えません。 借入金があれば差し引いて考えます。
配偶者がいる場合は、住民票の世帯を分けていても、配偶者の所得と資産が見られます。夫婦のどちらかが施設に入るときに世帯を分ける人がいますが、この制度についてはその効果がありません。
申請では、本人と配偶者の通帳の写しを出します。複数の口座があれば全部です。使っていない口座も含めて求められるので、あらかじめ手元にそろえておくと窓口での二度手間が減ります。
認定証は、施設に見せてはじめて効く
市区町村から認定証が届いても、それだけでは請求は変わりません。施設に提示して、はじめて軽減された額で請求されるようになります。届いたらすぐに施設の担当者へ渡してください。
ショートステイでも同じです。利用のたびに提示するのではなく、契約している事業所に写しを預けておくのが実務的な形です。年に一度更新されるので、新しい認定証が届いたら、そのつど差し替えてもらいます。
対象外の住まいで負担が重いとき
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームは、この制度の対象外です。家賃と食費は契約に基づく実費で、軽減のしくみがありません。
費用が重くて続けられないときは、対象になる施設への住み替えを検討することになります。特別養護老人ホームは要介護3以上が原則ですが、申し込みは早めにしておけます。当サイトでは市区町村ごとに施設の一覧を載せていますので、いま住んでいる地域に何件あるかを見たうえで、ケアマネジャーに相談してください。
申請しないと、施設の費用が下がらない
この認定は、施設に入るときやショートステイを使うときの食費と居住費を軽くするものです。介護のサービス費とは別の話です。
自動では適用されません。 市区町村へ申請して認定証を受け取り、それを施設へ見せて初めて効きます。入所の手続きと同時に進めてください。
預貯金も見られる
所得だけで決まるのではありません。預貯金の額も条件に入っています。 通帳の写しを求められます。
配偶者の所得と預貯金も見られます。 世帯を分けていても、配偶者は別扱いになりません。申請の前に、何を出す必要があるかを担当課で確かめてください。
有効期間があり、毎年出し直す
認定証には期限があります。一度取れば終わりではありません。
更新の案内が届いたら、必ず出し直してください。 切れると、その日から食費と居住費が元の額に戻ります。施設の請求で気づくことになり、その月の分は戻りません。
ショートステイでも効く
施設に入っている人だけのものではありません。短期入所を使うときの食費と滞在費にも効きます。
定期的にショートステイを使っている家庭では、年間で大きな差になります。 使っているのに申請していない例があります。ケアマネジャーに、対象になりそうかを聞いてください。
- 申請したのに認められませんでした。
- 所得か預貯金が基準を超えていた可能性が高いです。理由は市区町村の窓口で確かめられます。状況が変われば改めて申請できるので、収入や資産が減ったときは再度相談してください。
- 入所してから申請しても間に合いますか。
- 入所後でも申請できますが、適用されるのは原則として申請した月からです。さかのぼって軽くはならないため、入所が決まった時点で市区町村へ相談するのが確実です。
数えてみると、短期入所生活介護の多い地域と少ない地域
短期入所生活介護は、当サイトの掲載で11,228件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で3.1件です。定員が分かっている3,529件では、まんなかの定員が13人でした。運営しているのは6,456の法人です。
65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは秋田県(8.4件)、いちばん少ないのは東京都(1.9件)です。同じ国の中で4.4倍のひらきがあります。全国の平均は3.1件なので、秋田県は平均の2.7倍にあたります。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,784市区町村で、108の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省サービスにかかる利用料2026-08-22 確認
- デジタル庁 e-Gov法令検索介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)2026-08-22 確認
- 福祉医療機構 WAM NET介護保険制度解説2026-08-22 確認
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