医療費と介護費を1年で合算して戻すしくみ

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

入退院を繰り返しながら介護も使っている年は、医療と介護のどちらの上限にも引っかからないまま、合計だけが重くなることがあります。それを拾うための制度です。

1年分をまとめて見る

医療費には高額療養費、介護費には高額介護サービス費という月ごとの上限があります。ところが、どちらも上限には届かないけれど、合わせると相当な額になるという年があります。この制度は、そこを1年単位で拾います。

対象になるのは、8月1日から翌年7月31日までの1年間です。年度でも暦年でもないので、計算するときは注意します。

同じ医療保険に入っている人で合計する

合計するのは、同じ医療保険に加入している世帯の分です。夫婦で同じ健康保険に入っていて、二人とも医療と介護を使っているなら、四つの負担を合わせます。別々の医療保険に入っている場合は合算できません。

計算に入るもの
費目対象
医療機関の窓口負担(高額療養費で戻った分を除く)入る
介護サービスの自己負担(高額介護サービス費で戻った分を除く)入る
入院時の食事代、差額ベッド代入らない
施設の食費・部屋代入らない
介護保険の上限を超えて全額払った分入らない

申請の窓口は二つに関わる

介護分は市区町村、医療分は加入している医療保険が持っています。そのため、市区町村で介護分の自己負担額証明書をもらい、それを医療保険の窓口へ出す、という順で進むのが一般的です。後期高齢者医療の人は、市区町村の窓口で両方できることが多くなります。

市区町村によっては、該当しそうな人に案内を送っています。ただし別の医療保険をまたぐ場合など、把握しきれない組み合わせもあります。心当たりがあるときは、案内を待たずに問い合わせてください。

2年で時効になる

申請できる期間は、対象の1年が終わった翌日から2年です。入退院が続いた年ほど手続きが後回しになりがちですが、期限があることは覚えておいてください。

該当しやすいのは、こういう年

毎年のように該当する人もいれば、一生に何度もない人もいます。当てはまりやすいのは、入院と退院を繰り返した年、退院してすぐ施設に入った年、そして夫婦のどちらもが医療と介護を使っている年です。

月ごとの上限には届かないのに、年で見ると重いという形が、この制度がとらえようとしているものです。「うちは高額療養費も高額介護サービス費も一度も戻ってきていないから関係ない」と思っている人ほど、確かめる価値があります。

計算の順番

先に、月ごとのしくみが働きます。高額療養費で戻った分、高額介護サービス費で戻った分は、それぞれ差し引かれます。そのうえで、残った自己負担を1年分足し合わせ、年間の上限と比べます。

つまり、この制度は最後に効く受け皿です。 先に月ごとの手続きをしていないと、そちらで戻るはずだった分がここで戻ることもありません。まずは月ごとのしくみを取りこぼしていないかを確かめてください。

年の途中で状況が変わったとき

判定の基準になるのは、対象期間の末日である7月31日の時点です。この日に加入している医療保険が窓口になり、この日の所得区分で上限が決まります。年の途中で75歳になって後期高齢者医療へ移った人、退職して国民健康保険へ移った人は、扱いが細かくなります。

引っ越しがあった場合も、介護分の自己負担額証明書を前の市区町村から取り寄せる必要が出てきます。手間はかかりますが、窓口で事情を話せば取り方を案内してもらえます。

本人が亡くなったあとでも申請できる

対象の期間中に払った分ですので、その後に本人が亡くなっていても、相続人が申請して受け取れます。手続きには相続関係を示す書類が要ります。

長い療養のあとに亡くなった年は、医療費も介護費も重なっているものです。忙しい時期ですが、2年の期限があることは頭の隅に置いておいてください。

医療と介護を、別々に見ているうちは気づかない

医療の窓口と介護の事業所は、それぞれ別に請求してきます。合わせていくら払ったかを数えている人は、家族の中にもいません。

入院と介護が重なった年に、この制度が効くことが多くあります。 1年分の領収書を並べて、初めて分かります。 捨てずに取っておいてください。

数えるのは1年分

月ごとではなく、決められた1年の期間で合計します。その年の途中で亡くなった場合や、途中で保険が変わった場合は扱いが違います。

保険が変わった年は、とくに見落とされます。 会社の保険から国民健康保険に変わった、後期高齢者の医療に移った。そうした年は、市区町村と加入している保険の両方に聞いてください。

手続きの窓口が分かれる

介護の分は市区町村、医療の分は加入している保険。それぞれに書類を出す形になります。

片方だけで完結しません。 どちらから始めるかは保険の種類で違います。まず市区町村の担当課に、この制度を使いたいと言ってください。 手順を案内してもらえます。

対象にならないものを、混ぜない

入院中の食事代や差額のベッド代、介護の保険外サービス、福祉用具の購入費。払っていても、この計算には入りません。

戻る額を先に計算しないほうがよいです。 対象になるかどうかの線引きが細かく、思っていた額と違うことがあります。まず申請して、判断してもらってください。

年の途中で医療保険が変わりました。
7月31日時点で加入している医療保険が窓口になります。年度の途中で75歳になって後期高齢者医療へ移った場合など、扱いが細かくなるので窓口で確かめてください。
戻る額が数百円ということもありますか。
あります。上限を超えた分が戻るしくみなので、わずかに超えただけなら額も小さくなります。制度上、支給されない下限が設けられていることもあります。

この記事の出典

あわせて読む

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

介護のお金のほかの記事

お住まいの地域から探す

都道府県から選ぶ

北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州・沖縄
掲載情報は 2026-07-09 公開分のデータによるものです。指定の有効性・提供内容の詳細は、各事業所または指定権者へ直接ご確認ください。