高額療養費とは?入院前に用意しておくもの

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

介護がはじまると、入院も増えます。あとから戻る制度として知られていますが、先に手を打てば立て替えそのものを避けられます。

上限は年齢と所得で決まる

1か月に医療機関へ払った自己負担が上限を超えると、超えた分が戻ります。上限は年齢と所得で段階が分かれていて、70歳以上と70歳未満でも計算のしかたが違います。

同じ月の中で計算する点に注意します。月をまたいだ入院は、月ごとに区切って計算されるため、合計では大きくても月ごとには上限に届かないことがあります。

先に手を打てば、立て替えずに済む

入院や高額な治療が分かっているときは、窓口での支払いを最初から上限までにできます。 方法は二つです。

  • マイナ保険証を使い、窓口で情報の提供に同意する
  • 加入している医療保険に限度額適用認定証を申請し、医療機関に出す
限度額適用認定証は、申請してから手元に届くまで日数がかかります。入院の予定が決まったら、その時点で加入先へ連絡してください。国民健康保険なら市区町村、会社員の健康保険なら健康保険組合や協会けんぽが窓口です。

介護のほうの上限とは別

医療の高額療養費と、介護の高額介護サービス費は、それぞれ別に計算されます。両方を使っている年は、1年分を合わせて見る高額医療・高額介護合算療養費のほうも確かめる価値があります。

何度も重なる年は、上限そのものが下がる

直近の12か月のうちに高額療養費を受けた月が一定の回数に達すると、そこから先の上限が引き下げられます。多数回該当と呼ばれるしくみです。

長く治療が続く病気では、ここが効いてきます。自分が何回目なのかは、加入している医療保険が把握しています。入退院が続いているときは、一度問い合わせて回数を確かめておくとよいでしょう。

家族の分をまとめられることがある

同じ医療保険に入っている家族の窓口負担を合わせて計算できる場合があります。ただし、70歳未満の人については、一定額に満たない負担は合算の対象になりません。

70歳以上になると、この足切りが無くなり、まとめやすくなります。 高齢の夫婦がそれぞれ通院しているような場合は、合算を確かめる価値があります。扱いは加入している保険によって細かく違うので、窓口で聞いてください。

戻るまでの時間と、その間の資金

後から戻る形を取ると、実際に振り込まれるのは受診した月から数か月後です。医療機関からの請求が保険者に届いてから計算するためで、早くはなりません。

その間の支払いが難しいときのために、高額療養費が支給されるまでのつなぎとして貸付を行っている保険者があります。先に限度額を適用してもらえば、そもそも立て替えが要らなくなります。 入院の予定が立った時点で手を打つのが、いちばん確実です。

介護保険の施設に入っている人の医療費

施設に入っていても、医療は医療保険で受けます。入所中に外来へ通ったり、別の病院へ入院したりした分は、高額療養費の対象です。介護の請求と医療の請求は別々に届くので、両方を並べて見る必要があります。

施設の請求書だけを見て「これで全部だ」と考えていると、医療費が想定から抜け落ちます。1年の見通しを立てるときは、通院の頻度と薬代も合わせて数えてください。

先に手続きしておけば、窓口で払わずに済む

後から戻してもらうこともできますが、入院の前に手続きをしておけば、窓口で払う額そのものが上限までで済みます。

いったん払って戻すまでには、数か月かかります。 その間、大きな額を立て替えることになります。入院が決まった時点で、加入している保険に連絡してください。

暦の月ごとに数える

数えるのは月単位です。月をまたいで入院すると、それぞれの月で別に計算されます。

同じ日数の入院でも、月の変わり目にかかると負担が重くなることがあります。 予定して入る手術では、この違いが出ます。日程に幅があるなら、相談員に聞いてみてください。

介護が重なっている家庭では

医療でこの制度を使い、介護でも自己負担の上限に届いている。そういう年は、両方を合わせて考えるしくみが別にあります。

入院した年は、必ず介護の側の担当課にも伝えてください。 医療の窓口だけで完結すると、合わせて見るしくみに載りません。1年分の領収書を残しておいてください。

額は所得と年齢で変わる

上限の額は一つではありません。所得の段階と、70歳を境にした扱いの違いがあります。

いくらになるかは、加入している保険に聞くのが確実です。 制度の見直しで変わることもあります。古い説明を読んで自分の額を決めないでください。

入院中の食事代や差額ベッド代も対象ですか。
対象外です。保険が効く診療の自己負担だけが計算に入ります。個室を希望したときの差額ベッド代、寝間着代なども入りません。
同じ月に複数の病院にかかりました。
合算できる場合があります。年齢や加入している医療保険によって扱いが違うため、加入先の窓口で確かめてください。

この記事の出典

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