介護サービスは医療費控除になる?対象になるものの見分け方
介護の費用が医療費控除に使えることは、あまり知られていません。ただし全部が対象になるわけではなく、線引きは領収書の書き方に表れます。
医療系かどうかで分かれる
在宅で使うサービスのうち、訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、短期入所療養介護といった医療系のサービスの自己負担は、医療費控除の対象になります。
一方、訪問介護や通所介護のような生活系のサービスは、単独では対象になりません。ただし、医療系のサービスと合わせてケアプランに位置づけられている場合には、対象になる扱いがあります。
施設に入っている場合
| 施設 | 自己負担・食費・部屋代の扱い |
|---|---|
| 介護老人保健施設、介護医療院 | 全額が医療費控除の対象 |
| 特別養護老人ホーム | 自己負担、食費、部屋代の2分の1が対象 |
| 有料老人ホーム、グループホーム | 施設サービスとしての対象外(別途、医療費部分のみ) |
判断は領収書に書かれている
事業所や施設が発行する領収書には、医療費控除の対象になる金額が記載されます。 自分で計算する必要はありません。年末に1年分をまとめて出してもらえることもあるので、確定申告の前にケアマネジャーか施設に相談してください。
本人が申告しなくても使える
医療費控除は、生計を一にしている家族の分をまとめて、一人が申告できます。本人に所得がなく税金を払っていない場合でも、実際に費用を払っている家族の申告に含められます。
誰の申告に載せるかで、戻る額が変わる
医療費控除は、所得から一定額を差し引くしくみです。差し引いたことで軽くなる税額は、その人の税率によって決まります。同じ費用でも、所得の高い人の申告に載せたほうが、戻る額は大きくなります。
ただし、所得がそれほど多くない人の場合は、差し引ける基準そのものが下がるしくみがあります。どちらが有利かは家族構成と収入によって変わるので、両方で試算してみるのが確実です。国税庁の確定申告書等作成コーナーで数字を入れ替えれば、その場で比べられます。
1年分をまとめる作業
対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに実際に払った分です。サービスを使った月ではなく、払った日で数えます。年をまたいで請求が届くサービスがあるので、12月分と1月分の扱いは請求書の日付で確かめてください。
健康保険から届く医療費のお知らせには、介護保険のサービスは載っていません。介護の分は、自分で領収書を集めるしかありません。月ごとに封筒へ入れておくだけで、年末の作業がまるで違います。
過去の分も、あとから申告できる
医療費控除を受けるための申告は、5年さかのぼってできます。「去年やり忘れた」「そもそも知らなかった」という場合でも、領収書が残っていれば取り戻せます。
すでに確定申告をした年の分についても、申告し直すことができます。年金を受け取っていて申告そのものをしていない人なら、なおのこと手続きは簡単です。何年分が対象になるかは、税務署に聞けば教えてもらえます。
介護のどこが対象になるか
介護サービスなら何でも対象になるわけではありません。医療の性格を持つサービスと、それに伴って使ったものが対象です。
訪問看護やリハビリを含む組み合わせで使っている場合は、対象になる部分があります。 判断の目印は、事業所が発行する領収書です。 対象になる額が別に書かれています。
領収書に書いてある
事業所は、医療費控除の対象になる額を領収書に記載します。自分で計算する必要はありません。
書かれていない場合は、事業所に聞いてください。 対象外なのか、書き漏れなのかが分かります。確定申告の時期に慌てて探すより、毎月受け取ったときに分けておくほうが楽です。
家族の分を、まとめて申告できる
生計を一にしている家族の分は、合わせて申告できます。別々に住んでいても、仕送りをしていれば対象になることがあります。
誰の名前で申告するかで、戻る額が変わります。 所得の多い人がまとめたほうが有利になることが一般的です。確定申告の相談は、税務署か市区町村の相談会で受けられます。
遡って申告できる
過去の年の分を、後から申告できます。気づいたのが数年後でも、期間内なら間に合います。
領収書を捨てないでください。 介護が始まった年は手続きに追われて、控除まで手が回らないことがよくあります。落ち着いてからまとめて出すこともできます。
- 交通費は対象になりますか。
- 通院のための公共交通機関の運賃は、医療費控除の対象になります。付き添いが必要な場合の付添人の交通費も対象になることがあります。自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。
- 高額介護サービス費で戻った分はどうしますか。
- 戻った分は差し引いて計算します。実際に負担した額だけが控除の対象です。同じ考え方で、高額療養費で戻った分も差し引きます。
訪問看護が1件も無い市区町村が369ある
数のうえでは、訪問看護は全国に18,202件です。65歳以上1万人あたりにすると全国で5.1件です。定員が分かっている4,522件では、まんなかの定員が50人でした。運営しているのは13,422の法人です。
65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは大阪府(7.9件)、いちばん少ないのは新潟県(2.4件)です。同じ国の中で3.3倍のひらきがあります。全国の平均は5.1件なので、大阪府は平均の1.5倍にあたります。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,523市区町村で、369の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 国税庁No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価2026-08-22 確認
- 国税庁No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価2026-08-22 確認
- 厚生労働省サービスにかかる利用料2026-08-22 確認
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