介護医療院とは?医療と介護を長く続けられる施設と費用

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

たんの吸引や点滴が毎日必要で、老健にも特別養護老人ホームにも断られた。その行き先として2018年に作られたのが、介護医療院です。

介護医療院とは

医療の必要な人が長く暮らすための、介護保険の施設です。病院のような医療の体制と、生活の場としての住まいの機能を併せ持ちます。

2018年に作られ、2024年3月に廃止された介護療養型医療施設の受け皿になりました。病院の療養病床から転換した施設が多くあります。

全国での指定は937件、65歳以上38,313人に1件です。2018年にできた新しい類型で、介護療養型医療施設からの移り変わりが進むにつれて増えてきました。一つも無い市区町村もまだ多くあります。

対象になる状態

  • 要介護1から5の認定を受けている
  • 日常的に医療の管理が必要(たんの吸引、経管栄養、点滴、床ずれの手当てなど)
  • 病状は安定していて、入院までは必要ない
  • 長期にわたって療養が必要
老健で「薬が高額だから」「医療的ケアが重いから」と断られた場合の、現実的な相談先になります。

I型とII型がある

I型II型
対象重い医療が必要な人比較的落ち着いている人
医師・看護師手厚いI型より少ない
もとの形介護療養病床に近い老健に近い
費用高いやや安い

費用の目安(1割負担・1か月・要介護3)

部屋の種類食費・部屋代を含めた合計
従来型の相部屋おおむね10万円から14万円
ユニット型の個室おおむね14万円から18万円

入居一時金はありません。所得が低い場合の軽減(負担限度額認定)も使えます。医療の体制が厚いぶん、老健よりやや高くなります。

介護保険の自己負担が1割の場合の目安です。これとは別に、食費・部屋代・日用品費がかかります。所得が低い場合は食費と部屋代が軽くなる仕組み(負担限度額認定)があり、市区町村の介護保険担当課で申請できます。正確な金額は施設にご確認ください。

ほかの施設との違い

医療の厚み期間看取り
介護医療院厚い(医師が常勤)期限なし行う
介護老人保健施設中くらい(医師が常勤)3か月ごとに判定施設による
特別養護老人ホーム薄い(医師は非常勤が多い)期限なし行う
医療の病院(療養病床)最も厚い医療の必要による行う

暮らしの場としての工夫

病院から転換した施設が多いため、「病室に見えないように」という工夫が求められています。ベッドのあいだに家具や仕切りを置く、談話の場所を設けるといった決まりがあります。

見学のときは、病室のままになっていないか、入居者が起きて過ごす時間があるかを見てください。

医療と介護を、同じ場所で受ける

医療の手当てが日常的に必要で、かつ介護も要る人のための施設です。どちらか一方では対応できない状態が対象になります。

痰の吸引、経管栄養、酸素、点滴。 これらが続いている人が、家でも他の施設でも見きれないときの受け皿です。 医師と看護職が常時いる形になっています。

長く住まうことも想定されている

在宅へ戻ることを前提とする施設とは、位置づけが違います。生活の場としての役割も持たされています。

看取りまで対応する施設が多くあります。 状態が進んでも移らずに済む可能性が高い。そこがこの形のいちばんの値打ちです。

数が少ない

全国的に数が限られており、近くに無い地域があります。

このサイトの市区町村ページで、地域にあるかを確かめられます。 無ければ、医療に対応する他の施設や、在宅で訪問看護を組む形を考えることになります。ケアマネジャーと病院の相談員に、両方あたってください。

費用の見方

介護の費用に加えて、食費と部屋代がかかります。医療にかかる部分の扱いは、施設の形によって違います。

負担を軽くするしくみや、医療と介護を合算するしくみが使えることがあります。 申請しなければ適用されません。市区町村の窓口で、対象になるかを確かめてください。

看取りまでしてもらえますか。
介護医療院は看取りを行うことが役割の一つです。実際にどれくらい行っているかを聞いてみてください。
数が少ないと聞きました。
特別養護老人ホームや老健に比べると数は少なくなります。地域にあるかどうかは、ケアマネジャーか病院の相談窓口(地域連携室)に確かめてください。
医療保険の療養病床とどちらがいいですか。
医療が重い時期は病院、状態が落ち着いて長く過ごすなら介護医療院、というのが基本の考え方です。費用も介護医療院のほうが抑えられます。

介護医療院は、掲載の無い都道府県がある

全国の介護医療院は937件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり0.3件です。

いちばん多いのは高知県(1.5件)です。一方で宮城県には掲載がありません。全国どこにでもあるサービスではない、ということになります。

介護医療院が多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位高知県35件1.5件
2位熊本県53件1.0件
3位富山県32件1.0件
4位徳島県25件1.0件
5位鹿児島県29件0.6件
47位宮城県3件0.0件
46位山梨県3件0.1件
45位滋賀県4件0.1件
44位神奈川県15件0.1件
43位埼玉県19件0.1件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは2県です。高齢者が多い地域ほど介護医療院が多い、という単純な関係にはなっていません。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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