介護医療院の選び方!医療の中身と暮らしぶりを両方見る
介護医療院は、医療の必要が続く人が長く暮らすための場所です。医療の中身だけを見て決めると、住まいとしては味気ない場所を選んでしまうことがあります。医療と暮らしの両方を見てください。
全国で937件。候補は同じ市区町村に一つ、隣の市まで広げて二つ三つ、というのがふつうです。選べる数が少ないぶん、受け入れてもらえる状態かどうかを先に確かめる意味が大きくなります。
I型かII型かで、受け入れられる状態が変わる
介護医療院には、I型とII型があります。I型は、医療の必要が重い人を想定した造りで、医師や看護職員の配置が手厚くなっています。II型は、状態が落ち着いていて、生活が中心になる人に向いています。
同じ建物のなかに両方を持つ施設もあります。見学のときに「うちはI型ですか、II型ですか」と聞けば、すぐに答えが返ってきます。本人の状態がどちらに近いのかは、入院中なら病院の相談員が判断の材料を持っています。
受けられる医療の範囲を、具体名で確かめる
「医療対応できます」という言葉は、施設ごとに中身が違います。たんの吸引を一日に何回まで引き受けてもらえるのか、胃ろうや経鼻の栄養、中心静脈栄養に対応できるのか、在宅酸素や人工呼吸器を使ったまま入れるのか。本人が今受けている処置の名前を挙げて、一つずつ聞いてください。
人工透析は、施設のなかでは行えないところがほとんどです。通院になるとすれば、送迎は誰がするのか、週三回の通院に付き添いが必要なのかまで確かめておかないと、入ってから家族の負担が増えます。
夜間に何人いるかを、数で聞く
日中の体制は、どの施設もそれなりに整っています。差が出るのは夜です。医師が当直しているのか、呼べば来る形なのか。看護職員が何人いるのか。答えが濁るようなら、その時間帯は手薄だと考えたほうが確かです。
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 夜間の看護職員は何人ですか | 人数で答えられるか |
| 医師は当直ですか、呼び出しですか | 急変したときの速さ |
| 急変したらどこへ運びますか | 搬送先が決まっているか |
| 家族への連絡はどの段階で来ますか | 離れて暮らす場合の備え |
最期をどこで迎えることになるのか
介護医療院は、長く医療を受けながら暮らす人が入る場所です。看取りまで引き受けるのか、状態が変わった時点で病院へ移すのか。この方針は施設によってはっきり分かれます。
「最期はどこで迎えることになりますか」と、入る前に聞いてください。家族の希望をどこまで聞いてもらえるのかも、そのときに確かめます。曖昧なまま入ると、いちばん動揺している時期に、家族が施設と話し合うことになります。
病室のままになっていないか
介護医療院の多くは、療養病床を持っていた病院が転換してできました。そのため、見た目が病室のままのところがあります。制度の上では暮らしの場ですが、中身が追いついているかどうかは施設ごとに差があります。
見学のときは、ベッドのあいだに仕切りや家具があるか、私物を置ける場所があるか、食事や談話のための場所があるかを見てください。そして何より、入居者が起きて過ごしている時間があるかどうかです。昼間に全員が横になっているなら、それは暮らしの場ではなく病室のままです。
家族が関われる余地がどれくらいあるか
面会の時間と回数、外出や外泊ができるかどうか、リハビリや行事に立ち会えるかどうか。こうした点は、医療を重く見ている施設ほど制限が厳しくなりがちです。
制限そのものが悪いわけではありません。感染に弱い人が多い施設では、必要な備えでもあります。大事なのは、なぜその決まりがあるのかを説明してもらえるかどうかです。理由を説明できる施設は、状況が変われば見直しもしてくれます。
一か月の合計を、紙で出してもらう
介護費と食費と部屋代のほかに、おむつ代、日用品費、医療材料の実費がかかることがあります。項目ごとの単価を聞いても全体像はつかめないので、一か月の合計を紙で出してもらってください。
所得が低い場合は、食費と部屋代が軽くなる負担限度額認定という仕組みがあります。申請済みかどうかを確かめて、まだなら市区町村の介護保険担当課で手続きしてください。金額はあくまで目安として聞き、最終的には施設が出す見積りで確かめます。
対応できる医療の中身を、具体的に聞く
同じ形の施設でも、受け入れられる状態に幅があります。人工呼吸器、透析、感染症。
いま必要な手当てを、一つずつ挙げて確かめてください。 「たいてい対応できます」で済ませないこと。 入所してから移ることになるのが、いちばん本人に負担がかかります。
夜間の体制
夜に医師がいるのか、看護職が何人いるのか。急に容体が変わるのは夜です。
当直の形と、人数を聞いてください。 併設の医療機関があるなら、そことどうつながっているかも確かめる。ここが実質的な安心の中身です。
暮らしとしての側面
医療が中心になると、日々の過ごし方が病室と変わらなくなることがあります。生活の場でもあるはずです。
日中に何をして過ごしているか、外の空気に触れる機会があるかを見てください。 面会がどれくらい自由かも同じです。そこに施設の考え方が出ます。
最期をどう迎えるか
この施設を選ぶ人の多くは、そこまでを見据えることになります。
どこまでの手当てを望むかを、本人と家族と施設の間で共有してください。 書いて残し、施設と医師の両方が同じものを持つ形にする。気持ちが変われば、書き直せます。
- 老健に断られたのですが、ここなら入れますか。
- 医療的ケアや薬の管理が理由で断られたのなら、可能性は高くなります。断られた理由をそのまま伝えて相談してください。隠すと、入ってから対応できないことが分かって困ります。
- 入所までどれくらい待ちますか。
- 地域と施設によります。数そのものが少ないので、複数に相談しておいてください。入院中なら、病院の相談窓口が地域の空き状況をよく知っています。
- 状態が良くなったら出ることになりますか。
- 老健と違い、在宅復帰を前提にした施設ではありません。長く暮らせます。ただし医療の必要がなくなったときの扱いは施設ごとに違うので、契約の前に確かめてください。
- 特養と迷っています。どちらがいいですか。
- 医療の必要が続くなら介護医療院、医療より暮らしが中心なら特養が合います。判断がつかないときは、今受けている処置を挙げて両方に相談し、受け入れられると言ったほうを選ぶのが確実です。
介護医療院の定員は、まんなかが48人
当サイトに掲載している介護医療院のうち、定員が分かっているのは173件です。その173件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが48人でした。いちばん小さいところで6人、いちばん大きいところで320人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 7件 | 4% |
| 11〜20人 | 26件 | 15% |
| 21〜30人 | 14件 | 8.1% |
| 31人以上 | 126件 | 72.8% |
いちばん多いのは31人以上の72.8%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
介護医療院を運営しているのは839の法人
905件の運営者をたどると、839の法人にたどり着きます。1法人あたり1.1件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは836件(89.2%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
介護医療院が1件も無い市区町村が1,332ある
全国1,892の市区町村のうち、介護医療院の掲載があるのは560市区町村です。裏を返すと、1,332の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。