介護療養型医療施設とは?廃止された施設と今の相談先
古い資料やインターネットの記事に、まだこの名前が残っていることがあります。介護療養型医療施設は、すでに新しい仕組みへ引き継がれています。
介護療養型医療施設とは何だったのか
医療の必要な人が長く入院しながら介護を受ける、介護保険の施設でした。「介護療養病床」とも呼ばれ、病院の中に置かれることがほとんどでした。
2024年3月末で廃止されました。同じ役割は、2018年に作られた介護医療院が引き継いでいます。
この類型は2024年3月末で廃止されました。いま公表データに残っている指定は全国で56件で、介護医療院などへの移り変わりを進めている途中のものです。これから入所先として探す相手ではありません。
なぜ廃止されたのか
- 医療の必要が高くない人も長く入院している状態が続いていた
- 入院の場としては医療費がかかり、暮らしの場としては住まいの環境が整っていなかった
- 「治療する場」と「暮らす場」を分けて考え直す必要があった
そこで、暮らしの場としての機能を備えた介護医療院が新しく作られ、順次そちらへ移行しました。入っていた人が追い出されたわけではなく、多くは同じ建物のまま看板が変わっています。
今、どこへ相談すればよいか
| 困っていること | 相談先 |
|---|---|
| 日常的に医療が必要で、長く過ごせる場所を探している | 介護医療院 |
| リハビリをして自宅へ戻りたい | 介護老人保健施設(老健) |
| 医療は落ち着いていて、生活の場を探している | 特別養護老人ホーム |
| 治療が必要 | 医療保険の療養病床(病院) |
| どこへ相談すればよいか分からない | 地域包括支援センター、病院の相談窓口 |
このサイトに掲載が残っている理由
もとにしている厚生労働省のデータには、過去に指定を受けた事業所の情報が残っていることがあります。このサイトはその内容をそのまま掲載しているため、独自に消したり書き換えたりしていません。
掲載されている施設を実際に使えるかどうかは、各施設または市区町村の介護保険担当課へ直接ご確認ください。
転換が進んでいる区分
この形は、別の形の施設へ移り変わることが決まっている区分です。新しく探すときは、転換した先の施設が候補になります。
いま入っている人がすぐ出されるわけではありません。 ただし、これから探す人は、転換後の形を前提に考えてください。 名称が変わっていることがあります。
医療の必要度が高い人が対象
日常的に医療の手当てが要り、かつ介護も要る。その両方が重なっている状態が対象です。
痰の吸引、経管栄養、酸素。 在宅や他の施設で見きれない状態のときの受け皿になります。医師と看護職が常時いる形です。
探すときの窓口
家族だけで探すのは難しい形です。医療との兼ね合いで判断が要ります。
入院中なら病院の相談員、在宅ならケアマネジャーとかかりつけ医。 両方に相談してください。このサイトの市区町村ページで、地域に何があるかを先に見ておくと話が早くなります。
費用と、負担を軽くするしくみ
介護の費用に加えて、食費と部屋代がかかります。医療の部分の扱いは、施設の形によって変わります。
所得に応じて負担を軽くするしくみと、医療と介護を合算するしくみがあります。 どちらも申請が要ります。市区町村の窓口でまとめて確かめてください。
- 介護医療院と何が違うのですか。
- 介護医療院は、医療の体制を保ったうえで「暮らしの場」としての決まりが加わりました。ベッドのあいだの仕切り、談話の場所、私物を置ける環境などです。受けられる医療の中身は大きくは変わりません。
- 入っていた家族はどうなりましたか。
- 多くは同じ建物のまま介護医療院へ移行しました。転換しなかった施設では、老健や特別養護老人ホームへの移行が進められました。
- 医療保険の療養病床は残っていますか。
- 残っています。治療が必要な段階なら、医療保険の療養病床が相談先になります。判断は主治医と病院の相談窓口が行います。
介護療養型医療施設は、掲載の無い都道府県がある
全国の介護療養型医療施設は56件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり0.0件です。
いちばん多いのは富山県(0.3件)です。一方で鹿児島県には掲載がありません。全国どこにでもあるサービスではない、ということになります。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 富山県 | 10件 | 0.3件 |
| 2位 | 徳島県 | 8件 | 0.3件 |
| 3位 | 宮崎県 | 8件 | 0.2件 |
| 4位 | 福岡県 | 9件 | 0.1件 |
| 5位 | 福島県 | 3件 | 0.1件 |
| 47位 | 鹿児島県 | 0件 | 0.0件 |
| 46位 | 大分県 | 0件 | 0.0件 |
| 45位 | 熊本県 | 0件 | 0.0件 |
| 44位 | 長崎県 | 0件 | 0.0件 |
| 43位 | 佐賀県 | 0件 | 0.0件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは1県です。高齢者が多い地域ほど介護療養型医療施設が多い、という単純な関係にはなっていません。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。