訪問リハビリとは?自宅で受ける機能訓練の内容と費用

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

退院はしたものの、家の中の段差でつまずく。病院でできていた動作が、自宅ではうまくいかない。訪問リハビリテーションは、その「家での動き」を立て直すためのサービスです。

訪問リハビリテーションとは

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅を訪ね、医師の指示にもとづいて訓練を行います。1回20分から40分ほどです。

病院のリハビリ室と違い、実際に暮らしている場所で行うのが特徴です。玄関の上がりかまち、トイレの向き、寝室から台所までの距離。その家の造りに合わせて、動き方そのものを組み立て直せます。

訪問リハビリテーションとして指定を受けている事業所は全国で5,006件、65歳以上1万人あたり1.4件です。ただし訪問看護ステーションから理学療法士や作業療法士が訪問する形も広く行われているので、この数字だけで「近くにない」と決まるわけではありません。ケアマネジャーには、二つの道筋があることを伝えて探してもらってください。

来る人によって、得意なことが違う

職種主に見るところ
理学療法士立つ・歩く・起き上がるといった基本の動作、筋力、関節の動き
作業療法士着替え、食事、トイレ、料理など暮らしの中の動作、手先の動き
言語聴覚士話すこと、飲み込むこと(むせが多い場合など)

訓練だけでなく、家の使い方も変わる

  • 手すりをどこに付けると立ち上がりやすいかの助言
  • 車いすやベッドの高さの調整
  • 家族への介助のしかたの指導(腰を痛めない支え方など)
  • 福祉用具を選ぶときの相談
  • 家の中の危ない場所の洗い出し
手すりの位置や段差の解消は、住宅改修の補助(上限20万円、自己負担はそのうち1割から3割)を使えることがあります。リハビリ職の助言があると、申請のときの説明が通りやすくなります。

費用の目安(1割負担の場合)

内容目安(1割負担)
1回20分約310円
1日2回(40分)約620円
1単位を10円として計算した目安です。お住まいの地域や事業所の体制によって同じ1割負担でも金額は変わり、初めて使う月は加算が付くこともあります。正確な金額は、担当のケアマネジャーか事業所にご確認ください。 このほかに、計画を作る費用(月あたり約290円)がかかります。

似ているサービスとの違い

場所向いている場面
訪問リハビリ自宅家の中での動作を立て直したい。外出が難しい
通所リハビリ(デイケア)施設機器を使った訓練をしたい。外に出る機会も作りたい
訪問看護からのリハビリ自宅体調の管理とリハビリを一つの事業所にまとめたい
訪問介護自宅訓練ではなく、日々の介助や家事を頼みたい

訪問リハビリと訪問看護からのリハビリは、受ける側から見ると内容がよく似ています。違いは、どこの事業所から来るか(病院・診療所・老健か、訪問看護ステーションか)と、費用の計算のしかたです。どちらになるかは、地域にどちらの事業所があるかで決まることが多くあります。

始めるまでの流れ

  1. ケアマネジャーに希望を伝える
  2. かかりつけ医(または訪問リハビリを行う病院の医師)の診察を受ける
  3. 医師の指示のもとで計画が作られる
  4. 契約し、利用開始
  5. おおむね3か月ごとに医師の診察を受け、続けるかどうかを見直す

家の中でやるから、意味がある

施設で歩けても、家の廊下は幅が違い、段差があり、手すりがありません。暮らす場所でやることに、この形の値打ちがあります。

トイレまでの動線、玄関の上がり方、風呂の入り方。 実際の場面で確かめられます。 ここが通所との決定的な違いです。

家族への指導が、大きい部分

週に1回か2回来るだけでは、変わりません。残りの日をどう過ごすかで結果が決まります。

家族への介助のしかたの指導も、この形の役目です。 腰を痛めない起こし方、車いすへの移し方。一度教われば、毎日の負担が変わります。

住まいの手直しにつながる

専門職が家の中を見れば、どこが危ないかが分かります。手すりの位置、段差の解消、家具の配置。

住宅改修や福祉用具の相談に、そのままつながります。 ケアマネジャーと福祉用具の担当者を交えて見てもらう方法があります。別々に呼ぶより、一度に済みます。

医師の指示のもとで行う

自分で申し込むものではなく、主治医の指示が要ります。

かかりつけ医に相談してください。 医療機関や介護老人保健施設が提供している形と、訪問看護の事業所から来る形があります。どちらになるかで、費用の計算も変わります。

どれくらい続ければ効果が出ますか。
状態によりますが、3か月を区切りに見直すのが一般的です。「以前のように歩けるようになる」ことだけが目標ではなく、「今の力で安全に暮らせるようにする」ことも大切な目標になります。
本人にやる気がありません。
訓練という形から入らず、「庭に出たい」「トイレに一人で行きたい」といった本人の希望から組み立て直してもらってください。目標が本人のものになると、続き方が変わります。
介護保険と医療保険のどちらですか。
要介護認定を受けていれば介護保険が優先されます。認定を受けていない場合や、退院直後の一定期間は医療保険でのリハビリになることがあります。

訪問リハビリテーションの数は、都道府県で7.2倍ひらいている

全国の訪問リハビリテーションは5,006件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり1.4件です。

いちばん多いのは徳島県(4.3件)、いちばん少ないのは栃木県(0.6件)で、同じ国の中で7.2倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。

訪問リハビリテーションが多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位徳島県104件4.3件
2位鳥取県47件2.6件
3位鹿児島県131件2.5件
4位島根県54件2.4件
5位和歌山県69件2.3件
47位栃木県37件0.6件
46位新潟県41件0.6件
45位茨城県57件0.7件
44位青森県32件0.8件
43位福島県47件0.8件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは2県です。高齢者が多い地域ほど訪問リハビリテーションが多い、という単純な関係にはなっていません。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

福祉用具のことをもっと詳しく

福祉用具だけを扱う姉妹サイト「福祉用具ブラリー」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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