訪問リハビリの選び方!目標の立て方で決まる
訪問リハビリで多い困りごとは、「毎週来てもらっているが、何が変わったのか分からない」というものです。これは事業所選びと、最初の目標の立て方でかなり防げます。どこを見ればいいかを説明します。
訪問リハビリテーションの事業所は全国で5,006件、65歳以上1万人あたり1.4件にとどまります。候補が少ないので、来てくれるところが一つ見つかった時点で決めてしまいがちです。それでも最初の面談で確かめておくと、あとの数か月が変わります。
目標を、暮らしの言葉で立ててくれるか
ここがいちばん大きな分かれ目です。よい事業所は、最初の訪問で本人と家族に「何ができるようになりたいですか」と聞きます。そして「筋力の維持」ではなく、「風呂に一人で入る」「仏壇まで歩いて行く」「孫の結婚式に出る」といった、暮らしの言葉で目標を立ててくれます。
なぜこれが大事かというと、目標が具体的でないと、続けるかどうかの判断ができなくなるからです。「筋力の維持」を目標にすると、一年たっても達したのかどうかが誰にも分かりません。結果として、何となく続き、何となく費用を払い続けることになります。
「風呂に一人で入る」なら、三か月後にできたかできなかったかがはっきりします。できたなら次の目標へ、できなかったなら方法を変えるか、手すりを付けるといった別の手を考える。そうやって前へ進みます。
課題に合う職種が来るか
リハビリの専門職は三つに分かれていて、得意とするところが違います。歩くこと、立ち上がることが課題なら理学療法士。着替えや食事、トイレなど暮らしの動作が課題なら作業療法士。むせる、話しづらいといった課題なら言語聴覚士です。
事業所によって、どの職種がいるかは違います。とくに言語聴覚士は数が少なく、地域によっては訪問で頼めないことがあります。飲み込みが心配な場合は、対応できる事業所があるかをケアマネジャーに先に確かめてもらってください。見つからない場合は、通所リハビリや病院の外来という道もあります。
家族に「やり方」を残してくれるか
週に一回、四十分の訪問だけで体が変わることはありません。残りの六日をどう過ごすかのほうが、はるかに大きく効きます。だから、訪問の時間の外まで考えてくれる事業所を選びます。
家でできる運動を紙や写真にして置いていってくれるか。介助のしかたを家族に教えてくれるか。そして、やりすぎの見分け方まで教えてくれるか。最後のひとつは見落とされがちですが、良かれと思って毎日長く歩かせ、膝を痛めてしまう例は実際にあります。
家の中を見て、環境まで提案してくれるか
訪問リハビリのいちばんの強みは、暮らしている場所そのものを見られることです。病院のリハビリ室でうまく歩けても、家の廊下は狭く、敷居の段差があり、手すりのない場所で立ち上がらなければなりません。
手すりの位置、いすの高さ、よく使う物の置き場所、夜中にトイレへ行くときの道すじ。そこまで踏み込んだ話が出てくるかどうかで、その事業所の力量が見えます。福祉用具の担当者や住宅改修と話をつないでくれるなら、なお心強いところです。
やめどきを一緒に考えてくれるか
状態が落ち着いてきたら、訪問リハビリから通所リハビリへ移る、地域の体操教室に切り替える、という道もあります。外に出る機会が増えるという意味では、そのほうが良いこともあります。
「そろそろ次の段階ですね」と言ってくれる事業所は、本人の暮らしのほうを向いています。反対に、変化がないまま何年も同じ内容が続いているなら、ケアマネジャーに見直しを頼んでください。限られた月の上限額を、ほかに回したほうがよいこともあります。
面談で聞いてみるとよいこと
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 「三か月後、どうなっていそうですか」 | 見通しを言葉にできるか |
| 「家でやることはありますか」 | 訪問時間の外まで考えているか |
| 「担当の方は替わりますか」 | 引き継ぎの仕組みがあるか |
| 「うまくいかない場合はどうしますか」 | 計画を変える柔軟さがあるか |
一つ目の問いに、はっきり答えられるかどうかが目安になります。「やってみないと分かりません」で終わる相手より、「まず座って立つところから始めて、一か月で手すりを使って立てるように」と道すじを描ける相手のほうが、結果として遠くまで行けます。
来る専門職の種類を確かめる
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士。課題によって、必要な専門職が変わります。
歩くことなら理学療法士、暮らしの動作なら作業療法士、言葉や飲み込みなら言語聴覚士。 希望する職種が来られるかを、先に聞いてください。 地域によっては、いない職種があります。
目標を、暮らしの言葉で書いてもらう
「機能の維持」では、達したかどうかが分かりません。何ができるようになりたいのかを、具体的に決めてください。
「トイレまで一人で行く」「玄関の段を上がる」「箸で食べる」。 この形で書いてもらえば、進み具合が見えます。定期的に見直す機会があります。
家族が立ち会えるか
家族が見ていないと、教わったことが伝わりません。本人だけでは覚えられないことがあります。
立ち会える時間帯で組んでもらってください。 難しければ、やることを紙に書いて残してもらう。動画で撮らせてもらう方法もあります。
通所へ移す時期を、決めておく
この形は、外へ出られない時期を埋めるものでもあります。動けるようになったら、通うほうが人との関わりが増えます。
いつまでにどうなったら通所へ移すか、目安を決めておいてください。 惰性で続けると、費用も限度額も使い続けます。担当者と相談して決める。
- 通所リハビリと迷っています。
- 外出できるなら通所リハビリのほうが、機器も人手も充実しています。外出が負担な時期は訪問から始め、力が戻ってきたら通所へ移る、という順にすることが多くあります。家の中での動作が課題なら、訪問のほうが的を射ています。
- 訪問リハビリと訪問介護は同じ日に使えますか。
- 使えます。時間が重ならないように組みます。調整はケアマネジャーが行うので、希望があれば伝えてください。
- 要支援でも使えますか。
- 使えます。介護予防訪問リハビリテーションという名前になり、費用や回数の考え方が少し変わります。目的も、今できていることを保つほうへ寄ります。
訪問リハビリテーションの定員は、まんなかが30人
当サイトに掲載している訪問リハビリテーションのうち、定員が分かっているのは1,090件です。その1,090件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが30人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで550人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 276件 | 25.3% |
| 11〜20人 | 204件 | 18.7% |
| 21〜30人 | 134件 | 12.3% |
| 31人以上 | 476件 | 43.7% |
いちばん多いのは31人以上の43.7%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
訪問リハビリテーションを運営しているのは3,650の法人
4,687件の運営者をたどると、3,650の法人にたどり着きます。1法人あたり1.3件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは4,674件(93.4%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
訪問リハビリテーションが1件も無い市区町村が643ある
全国1,892の市区町村のうち、訪問リハビリテーションの掲載があるのは1,249市区町村です。裏を返すと、643の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
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