夜間対応型訪問介護とは?夜のトイレと緊急通報を支える仕組み
夜中のトイレのたびに家族が起きる。転んでいないか気になって眠れない。在宅の介護がいちばん続けにくくなるのは、たいてい夜です。夜間対応型訪問介護は、その時間帯だけを引き受ける仕組みです。
夜間対応型訪問介護とは
夜10時から朝6時を必ず含む時間帯に、ヘルパーが自宅を訪ねるサービスです。住んでいる市区町村にある事業所しか使えない「地域密着型」のサービスにあたります。
この形の事業所は全国で199件しかありません。65歳以上約18万人に1件という数で、介護保険のサービスの中でもっとも少ない部類です。住んでいる市区町村に無ければ使えないので、まずは市区町村の担当課か地域包括支援センターに、あるかどうかを聞いてください。
2つの訪問がある
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 定期巡回 | 毎晩決まった時間に訪問する。おむつ交換、トイレの介助、寝返りの手伝い、無事かどうかの確認 |
| 随時訪問 | 本人が通報ボタンを押したときに訪問する。転んだ、トイレに行きたい、具合が悪いなど |
通報を受ける窓口(オペレーションセンター)が置かれ、押されたボタンに応じて、話を聞いて助言するか、ヘルパーを向かわせるか、救急車を呼ぶかを判断します。
費用の目安(1割負担の場合)
| 内容 | 目安(1割負担) |
|---|---|
| 基本料金(月あたり) | 約1,010円 |
| 定期巡回(1回) | 約380円 |
| 随時訪問(1回・ヘルパー1人) | 約590円 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違い
| 夜間対応型訪問介護 | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | |
|---|---|---|
| 対応する時間 | 夜間(22時から6時を必ず含む) | 24時間 |
| 来る人 | ホームヘルパー | ホームヘルパーと看護師 |
| 医療的な処置 | できない | できる |
| 向いている状態 | 夜のトイレや見守りだけが課題 | 日中も含めて短い訪問を何度も必要とする |
日中は家族が見られる、あるいは通所を使っている。困っているのは夜だけ。そういう場合は夜間対応型で足ります。日中も含めて細かく人手が要るなら、定期巡回のほうが向いています。
使えるかどうかは、住んでいる市区町村で決まる
地域密着型のサービスなので、自分の住む市区町村に事業所がなければ使えません。全国的にも事業所の数は多くありません。まずは地域包括支援センターか担当のケアマネジャーに、「この市に夜間対応型はありますか」と確かめてください。
夜が不安な家庭のためのしくみ
夜中に何度も起こされる、転んでいないか心配で眠れない。在宅が続かなくなる理由の多くは、夜にあります。
決まった時間に見に来てもらう形と、呼べば来てもらう形があります。 この2つを組み合わせて、夜の不安を減らします。 家族が眠れるようになることが、いちばんの効果です。
呼ぶ手段が、家に置かれる
本人が押せば、事業所につながる機器が置かれます。押せるかどうかが前提になります。
認知症のある人では、押せないことがあります。 その場合は、定期的に見に来てもらう形が中心になります。どちらが向くかを、事業所と相談してください。
一人暮らしでも使える
家族がいないと使えない、というものではありません。一人で暮らしている人にこそ効きます。
夜に人が来る、押せば来てもらえる。 それだけで、家で続けられる期間が延びます。鍵の預け方も、契約の中で決めます。
地域にあるとは限らない
夜に人を動かす形なので、事業所の数が限られます。市内に無い地域があります。
このサイトの市区町村ページで、地域にあるかを確かめられます。 無ければ、定期巡回のサービスや、見守りの機器で代えられないかを考えてください。ケアマネジャーに、代わりの案を出してもらう。
- 通報ボタンはどんなものですか。
- 首から下げる形や、枕元に置く形のものが貸し出されます。押すとオペレーションセンターにつながり、声でやりとりできる機種もあります。
- 何回呼んでも料金は同じですか。
- 訪問ごとに費用がかかる形と、月の定額に含める形があります。呼ぶことをためらってしまうと意味がないので、契約前に数え方を確かめておいてください。
- 一人暮らしでも使えますか。
- 使えます。むしろ一人暮らしの方に向いたサービスです。
夜間対応型訪問介護は、掲載の無い都道府県がある
全国の夜間対応型訪問介護は199件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり0.1件です。
いちばん多いのは神奈川県(0.2件)です。一方で沖縄県には掲載がありません。全国どこにでもあるサービスではない、ということになります。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 神奈川県 | 54件 | 0.2件 |
| 2位 | 京都府 | 17件 | 0.2件 |
| 3位 | 大分県 | 7件 | 0.2件 |
| 4位 | 東京都 | 47件 | 0.1件 |
| 5位 | 広島県 | 5件 | 0.1件 |
| 47位 | 沖縄県 | 0件 | 0.0件 |
| 46位 | 鹿児島県 | 0件 | 0.0件 |
| 45位 | 熊本県 | 0件 | 0.0件 |
| 44位 | 佐賀県 | 0件 | 0.0件 |
| 43位 | 高知県 | 0件 | 0.0件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入る都道府県はありません。高齢者が多い地域ほど夜間対応型訪問介護が多い、という関係にはなっていません。事業所の数は、高齢者の数だけで決まるものではないようです。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。
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