グループホームとは?認知症の人が9人で暮らす住まいと費用

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

認知症が進んで一人暮らしが難しくなった。かといって大きな施設では落ち着かない。グループホームは、9人までの小さな家で暮らす形の住まいです。

グループホームとは

正式には「認知症対応型共同生活介護」といいます。5人から9人を1つのまとまり(ユニット)として、職員と一緒に暮らす住まいです。1つの建物にユニットは2つまで、多くても18人ほどの規模になります。

部屋は個室で、居間と台所は共同です。洗濯物をたたむ、野菜を切る、掃除をする。できることは自分でやりながら暮らすのが基本の考え方です。

全国では14,160件が指定を受けています。65歳以上約3590万人に対して1万人あたり3.9件という数です。1つの共同生活住居が9人までと決められているので、事業所の数のわりに入れる人数は多くありません。空きを待つことになるのがふつうです。

入居できる人

  • 認知症の診断を受けている
  • 要支援2、または要介護1から5の認定を受けている
  • 施設と同じ市区町村に住民票がある(地域密着型のため)
  • 共同生活を送れる状態である(重い医療的ケアが常時必要でない)
住民票のある市区町村の施設しか選べません。親を呼び寄せて同じ市区町村のグループホームに入れたい場合は、先に住民票を移す必要があります。手順は市区町村の担当課に確かめてください。

費用の目安

内訳月あたりの目安
介護保険の自己負担(1割)約2万3,000円から2万6,000円
家賃3万円から8万円
食費4万円から5万円
光熱費・管理費など1万円から3万円
合計おおむね12万円から20万円

入居のときに保証金・敷金として数十万円が必要な施設があります。有料老人ホームのような高額の一時金は、ふつうありません。

介護保険の自己負担が1割の場合の目安です。これとは別に、家賃・管理費・食費・光熱費・おむつ代がかかります。入居時に必要なお金は施設ごとに大きく違います。正確な金額は施設にご確認ください。

ほかの住まいとの違い

入居できる人規模費用の目安(月)
グループホーム認知症の診断がある人9人×2まで12万から20万円
介護付き有料老人ホーム自立から要介護まで(施設による)数十人から百人超15万から35万円
特別養護老人ホーム原則要介護3以上50人から100人8万から15万円
サービス付き高齢者向け住宅自立から軽度の人が中心さまざま10万から25万円

認知症があり、まだ体は動き、大きな施設では落ち着かない。この条件に当てはまるならグループホームが最も合います。体の介護が重くなるほど、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームのほうが向いてきます。

退去を求められることがある

入る前に必ず確かめてほしい点です。グループホームは医療の体制が薄いため、次のような状態になると住み続けられないことがあります。

  • 長期の入院が必要になった(3か月ほどで契約が終わる規定が多い)
  • 常時の医療的ケア(たんの吸引、点滴など)が必要になった
  • 寝たきりになり、共同生活が難しくなった
  • ほかの入居者への暴力など、共同生活が保てなくなった
「どういう状態になったら出ることになりますか」「そのとき次の行き先を一緒に探してもらえますか」の2つを、契約前に必ず聞いてください。ここを曖昧にしたまま入ると、いちばんつらい時期に住まいを失います。

申し込みから入居まで

  1. 市区町村または地域包括支援センターで、地元のグループホームの一覧をもらう
  2. 見学する(複数見てください)
  3. 申し込み、面談・体験入居
  4. 施設の判定を経て入居が決まる
  5. 契約、入居

住んでいる市区町村の中で使う

この形は、その市区町村の住民のためのものとして位置づけられています。他の市の人は、原則として入れません。

親を呼び寄せて入れる、という使い方はできないことがあります。 住民票を移してから、という手順になります。 進める前に、市区町村の担当課に確かめてください。

少人数で、家庭に近い形

数人の単位で、台所のある共用の場を囲んで暮らします。職員と一緒に、洗濯や食事の支度をすることがあります。

やることが残っている暮らしのほうが、状態が保たれます。 何もしなくてよい場所では、力が落ちていきます。そこがこの形の考え方です。

医療の対応には、限りがある

看護職の配置は施設によって違い、医療の手当てが増えると住み続けられないことがあります。

どういう状態になったら移ることになるのかを、入る前に確かめてください。 看取りまで対応する施設もあります。「対応します」の中身を、体制で確かめる。

費用の見方

介護の費用に加えて、家賃、食費、光熱費がかかります。部屋代は施設が決めるので、地域差と施設差が大きい。

特別養護老人ホームで使える食費と部屋代の軽減は、ここでは使えません。 その前提で、続けられるかを計算してください。このサイトの市区町村ページで、地域の施設を確かめられます。

待つことになりますか。
地域によります。空きがすぐ出る地域と、1年以上待つ地域があります。複数の施設に申し込んでおくのが普通です。
看取りまでしてもらえますか。
施設によります。訪問看護と連携して看取りを行うグループホームが増えています。希望するなら、その体制があるかを最初に確かめてください。
要支援2でも入れますか。
入れます。認知症の診断があることが条件です。
外出や外泊はできますか。
できます。家族が連れ出すことも、正月に家へ帰ることもできます。施設に相談してください。

認知症対応型共同生活介護の数は、都道府県で3.5倍ひらいている

全国の認知症対応型共同生活介護は14,160件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり3.9件です。

いちばん多いのは愛媛県(7.8件)、いちばん少ないのは東京都(2.2件)で、同じ国の中で3.5倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。

認知症対応型共同生活介護が多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位愛媛県339件7.8件
2位佐賀県193件7.7件
3位青森県310件7.4件
4位長崎県321件7.3件
5位鹿児島県363件6.9件
47位東京都699件2.2件
46位埼玉県467件2.3件
45位茨城県240件2.8件
44位兵庫県449件2.8件
43位千葉県490件2.8件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは2県です。高齢者が多い地域ほど認知症対応型共同生活介護が多い、という単純な関係にはなっていません。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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