グループホームとは?認知症の人が9人で暮らす住まいと費用
認知症が進んで一人暮らしが難しくなった。かといって大きな施設では落ち着かない。グループホームは、9人までの小さな家で暮らす形の住まいです。
グループホームとは
正式には「認知症対応型共同生活介護」といいます。5人から9人を1つのまとまり(ユニット)として、職員と一緒に暮らす住まいです。1つの建物にユニットは2つまで、多くても18人ほどの規模になります。
部屋は個室で、居間と台所は共同です。洗濯物をたたむ、野菜を切る、掃除をする。できることは自分でやりながら暮らすのが基本の考え方です。
全国では14,160件が指定を受けています。65歳以上約3590万人に対して1万人あたり3.9件という数です。1つの共同生活住居が9人までと決められているので、事業所の数のわりに入れる人数は多くありません。空きを待つことになるのがふつうです。
入居できる人
費用の目安
| 内訳 | 月あたりの目安 |
|---|---|
| 介護保険の自己負担(1割) | 約2万3,000円から2万6,000円 |
| 家賃 | 3万円から8万円 |
| 食費 | 4万円から5万円 |
| 光熱費・管理費など | 1万円から3万円 |
| 合計 | おおむね12万円から20万円 |
入居のときに保証金・敷金として数十万円が必要な施設があります。有料老人ホームのような高額の一時金は、ふつうありません。
ほかの住まいとの違い
| 入居できる人 | 規模 | 費用の目安(月) | |
|---|---|---|---|
| グループホーム | 認知症の診断がある人 | 9人×2まで | 12万から20万円 |
| 介護付き有料老人ホーム | 自立から要介護まで(施設による) | 数十人から百人超 | 15万から35万円 |
| 特別養護老人ホーム | 原則要介護3以上 | 50人から100人 | 8万から15万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 自立から軽度の人が中心 | さまざま | 10万から25万円 |
認知症があり、まだ体は動き、大きな施設では落ち着かない。この条件に当てはまるならグループホームが最も合います。体の介護が重くなるほど、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームのほうが向いてきます。
退去を求められることがある
入る前に必ず確かめてほしい点です。グループホームは医療の体制が薄いため、次のような状態になると住み続けられないことがあります。
- 長期の入院が必要になった(3か月ほどで契約が終わる規定が多い)
- 常時の医療的ケア(たんの吸引、点滴など)が必要になった
- 寝たきりになり、共同生活が難しくなった
- ほかの入居者への暴力など、共同生活が保てなくなった
申し込みから入居まで
- 市区町村または地域包括支援センターで、地元のグループホームの一覧をもらう
- 見学する(複数見てください)
- 申し込み、面談・体験入居
- 施設の判定を経て入居が決まる
- 契約、入居
住んでいる市区町村の中で使う
この形は、その市区町村の住民のためのものとして位置づけられています。他の市の人は、原則として入れません。
親を呼び寄せて入れる、という使い方はできないことがあります。 住民票を移してから、という手順になります。 進める前に、市区町村の担当課に確かめてください。
少人数で、家庭に近い形
数人の単位で、台所のある共用の場を囲んで暮らします。職員と一緒に、洗濯や食事の支度をすることがあります。
やることが残っている暮らしのほうが、状態が保たれます。 何もしなくてよい場所では、力が落ちていきます。そこがこの形の考え方です。
医療の対応には、限りがある
看護職の配置は施設によって違い、医療の手当てが増えると住み続けられないことがあります。
どういう状態になったら移ることになるのかを、入る前に確かめてください。 看取りまで対応する施設もあります。「対応します」の中身を、体制で確かめる。
費用の見方
介護の費用に加えて、家賃、食費、光熱費がかかります。部屋代は施設が決めるので、地域差と施設差が大きい。
特別養護老人ホームで使える食費と部屋代の軽減は、ここでは使えません。 その前提で、続けられるかを計算してください。このサイトの市区町村ページで、地域の施設を確かめられます。
- 待つことになりますか。
- 地域によります。空きがすぐ出る地域と、1年以上待つ地域があります。複数の施設に申し込んでおくのが普通です。
- 看取りまでしてもらえますか。
- 施設によります。訪問看護と連携して看取りを行うグループホームが増えています。希望するなら、その体制があるかを最初に確かめてください。
- 要支援2でも入れますか。
- 入れます。認知症の診断があることが条件です。
- 外出や外泊はできますか。
- できます。家族が連れ出すことも、正月に家へ帰ることもできます。施設に相談してください。
認知症対応型共同生活介護の数は、都道府県で3.5倍ひらいている
全国の認知症対応型共同生活介護は14,160件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり3.9件です。
いちばん多いのは愛媛県(7.8件)、いちばん少ないのは東京都(2.2件)で、同じ国の中で3.5倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 愛媛県 | 339件 | 7.8件 |
| 2位 | 佐賀県 | 193件 | 7.7件 |
| 3位 | 青森県 | 310件 | 7.4件 |
| 4位 | 長崎県 | 321件 | 7.3件 |
| 5位 | 鹿児島県 | 363件 | 6.9件 |
| 47位 | 東京都 | 699件 | 2.2件 |
| 46位 | 埼玉県 | 467件 | 2.3件 |
| 45位 | 茨城県 | 240件 | 2.8件 |
| 44位 | 兵庫県 | 449件 | 2.8件 |
| 43位 | 千葉県 | 490件 | 2.8件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは2県です。高齢者が多い地域ほど認知症対応型共同生活介護が多い、という単純な関係にはなっていません。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。
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