グループホームの選び方!見学で見る暮らしぶりと退去の条件
グループホームは施設というより住まいです。設備の新しさを比べても、暮らしぶりは分かりません。見学の一時間で見るべきものは別にあります。
全国に14,160件あるといっても、住んでいる市区町村の事業所しか使えません。候補は近所の数か所で、そのうち空きがあるのはさらに一部です。それでも、空いたからという理由だけで決めないでください。9人で暮らす場所なので、合うか合わないかがそのまま日々に出ます。
入居者が、何をして過ごしているか
グループホームの良し悪しは、ほとんどここに出ます。見学に行ったときに、入居者が居間の椅子に並んで座ってテレビを見ているだけなのか、洗濯物をたたんだり、台所で野菜の下ごしらえを手伝ったり、庭に出たりしているのか。
認知症があっても、できることは残っています。それを取り上げずに続けてもらう家では、入居者の表情が違います。安全のために何もさせない家は、職員にとっては楽ですが、本人の力はそのぶん早く落ちていきます。
職員の言葉づかいを聞く
見学のあいだ、職員が入居者にどう話しかけているかを聞いてください。子ども扱いした言い方をしていないか。「だめ」「違う」と否定から入っていないか。後ろから急に体に触れていないか。名前で呼んでいるか。
認知症のある人は、言われた内容を忘れても、嫌な思いをしたことは残ります。否定され続ける家では、本人が落ち着かなくなり、それがまた「困った行動」として扱われます。悪い回り方に入っていないかを、その場の空気から確かめてください。
出ていくことになるのは、どういうときか
グループホームは、医療の必要が重くなると住み続けられなくなることがあります。入るときにいちばん確かめておくべきなのは、ここです。重要事項説明書の該当箇所を、その場で読ませてもらってください。
| 確かめること | 聞き方 |
|---|---|
| 入院したらどうなるか | 「何日入院すると契約が終わりますか」 |
| 医療的ケアの限界 | 「たんの吸引が必要になったら住み続けられますか」 |
| 寝たきりになったら | 「体が動かなくなった方は今いらっしゃいますか」 |
| 次の行き先 | 「出ることになったとき、探すのを手伝ってもらえますか」 |
三つ目の質問は、決まりを聞くのではなく実際を聞くものです。「対応します」と言いながら今そういう入居者が一人もいないなら、実際には出ることになる家だと考えたほうが確かです。
医療とのつながり
協力してくれる医療機関がどこか、往診に来てもらえるか、訪問看護と契約しているか。この三つで、どこまで住み続けられるかがおおよそ決まります。
夜間に体調が悪くなったときの流れも聞いてください。夜勤の職員が誰に連絡し、どこへ運ぶことになるのか。看取りをした経験があるかどうかも、最期まで暮らせる家かを見分ける手がかりになります。
月にいくらかかるのかを、紙でもらう
案内で示されるのは家賃と食費と介護費だけということがあります。実際には、おむつ代、日用品費、受診の付き添い代、理美容代が積み上がります。合計だけを聞いても、何がいくらなのかが分からないままです。
夜勤は一人。その一人が誰か
グループホームは一つのまとまりが九人までなので、夜勤は一人のことがほとんどです。夜のあいだに起きることのすべてを、その一人が引き受けます。
だからこそ、その職員がどれくらい経験を積んでいるかが効いてきます。「夜勤の方は何年くらい勤めておられますか」と聞いてみてください。職員が次々に入れ替わる家では、入居者が顔を覚えるより先に相手が変わり、それだけで不安が増します。
玄関のにおいと、台所の使われ方
玄関を入ったときのにおいは、手が回っているかどうかを正直に映します。排泄のにおいがこもっている家は、掃除だけの問題ではなく、人手そのものが足りていないことが多くあります。
台所も見てください。実際に調理している家は、食事の時間の前に音と匂いが立ちます。運ばれてきた食事を並べるだけの家とは、一日の張りが違います。本人が長く台所に立ってきた人なら、なおさらここは大きな差になります。
家族が関われる余地
面会の時間と回数に制限があるか、外出や外泊ができるか。入ったあとに縁が切れてしまう家か、続けて関われる家かは、この二つで分かります。
普段の様子を写真や便りで知らせてもらえるかどうかも聞いてください。離れて暮らしている家族にとっては、それが唯一の手がかりになります。家族会や行事があれば、ほかの家族から聞ける話もあります。
職員の、話しかけ方を見る
見学で見るべきは設備ではありません。職員が入居者にどう接しているかです。
名前で呼んでいるか、子ども扱いしていないか、間違いを正そうとしていないか。 ここに、その施設の考え方がそのまま出ます。 短い時間でも分かります。
入居者が、何をしているか
全員が座ってテレビを見ているのか、それぞれ何かをしているのか。この形の値打ちは、暮らしが残っているかどうかにあります。
洗濯物をたたむ、野菜を切る、掃除をする。 手を出しすぎない施設のほうが、状態が保たれます。見学の時間帯を変えて、二度行ってください。
夜の体制
少人数のぶん、夜にいる職員も少なくなります。一人で複数の入居者を見る形になります。
夜に何人いるか、何かあったときにどう動くかを聞いてください。 近くに応援が出せる体制があるか。ここは必ず確かめる部分です。
出ることになる条件
状態が進んだとき、医療の手当てが増えたとき。住み続けられなくなることがあります。
具体的に何を指すのかを、書面で確かめてください。 そのときにどこへ移ることになるのかも、聞いておく。移る先まで考えている施設は、そこも答えられます。
- 複数申し込んでも構いませんか。
- 構いません。空きが出る時期は読めないので、三か所ほど申し込んでおくのが普通です。
- 体験入居はできますか。
- できる家が多くあります。一泊でも試すと、本人が落ち着けるかどうかがかなり分かります。見学だけで決めないでください。
- 本人に説明すべきですか。
- 説明の仕方は状態によりますが、黙って連れて行くのは避けてください。「しばらくここで過ごしてみよう」と伝え、写真や使い慣れた物を一緒に持って行くほうが落ち着きます。
- 要介護度が上がったら出ることになりますか。
- 介護度そのものが理由になることは少なく、医療的ケアが必要になったときに問題が起きます。今のうちに、上の表の質問を確かめておいてください。
認知症対応型共同生活介護の定員は、まんなかが18人
当サイトに掲載している認知症対応型共同生活介護のうち、定員が分かっているのは8,234件です。その8,234件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが18人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで20,241,225人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 2,480件 | 30.1% |
| 11〜20人 | 5,239件 | 63.6% |
| 21〜30人 | 502件 | 6.1% |
| 31人以上 | 13件 | 0.2% |
いちばん多いのは11〜20人の63.6%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
認知症対応型共同生活介護を運営しているのは7,677の法人
13,914件の運営者をたどると、7,677の法人にたどり着きます。1法人あたり1.8件という計算で、複数の事業所を持つ法人が珍しくないということになります。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは10,786件(76.2%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
認知症対応型共同生活介護が1件も無い市区町村が196ある
全国1,892の市区町村のうち、認知症対応型共同生活介護の掲載があるのは1,696市区町村です。裏を返すと、196の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。