介護のお金が足りないとき、どこに相談するか

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

払えないことを恥じて誰にも言えないまま、サービスをやめてしまう例があります。制度は、そこに至る前に相談することを想定して作られています。

まず、介護保険の中で使えるものを確かめる

費用が重いと感じたとき、外の制度を探す前に、介護保険の中で使っていないものがないかを確かめます。申請していないだけで受けられるものが残っていることがあります。

  • 高額介護サービス費 … 月ごとの上限を超えた分が戻る。申請が要る
  • 負担限度額認定 … 施設の食費と部屋代が軽くなる。申請が要る
  • 保険料の減免 … 収入が大きく減ったときなど。市区町村ごとに基準がある
  • 社会福祉法人による利用者負担軽減 … 対象の法人が運営する事業所で、負担が軽くなる

サービスを減らす前に相談する

費用を理由にサービスを減らすと、状態が落ちて結果的に費用が増えることがあります。 デイサービスをやめて閉じこもり、足が弱って転倒し、入院する。この道すじは珍しくありません。

ケアマネジャーは、費用の相談を受ける立場にあります。同じ目的を安く達成する組み方や、市区町村の独自事業への切り替えを提案できます。言い出しにくくても、先に言ったほうが選べる手が多く残ります。

暮らし全体が立ちゆかないとき

相談先
状況窓口
家計全体が苦しい、借金がある自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度)
収入も資産もなく生活が成り立たない福祉事務所の生活保護担当
介護のことも含めて誰かに相談したい地域包括支援センター
生活保護を受けている人の介護サービスの費用は、介護扶助でまかなわれます。介護を受けられなくなるわけではありません。 生活保護を申請すると介護が止まると誤解している人がいますが、そうではありません。

本人の資産を使う判断

本人に不動産や貯蓄があるのに、家族が立て替えているという状況があります。判断能力が落ちていて本人の口座から出せない場合は、成年後見制度や日常生活自立支援事業で道が開けることがあります。家族が代わりに払い続けるのは、長くは持ちません。

知られていない軽減が一つある

社会福祉法人が運営する事業所を使っている人には、利用者負担を軽くするしくみがあります。所得と資産が一定以下の人が対象で、市区町村に申請して確認証を受け取り、事業所へ提示すると適用されます。

どの事業所でも使えるわけではなく、この軽減を行うと申し出ている社会福祉法人の事業所に限られます。いま使っている事業所が対象かどうかは、ケアマネジャーに調べてもらえます。対象の事業所へ変えるという選択も含めて、相談する価値があります。

一時的に立ちゆかないときの貸付

収入が途切れた、まとまった出費が重なったといった一時的な事情なら、社会福祉協議会が行っている生活福祉資金の貸付があります。低い利率、あるいは無利子で借りられるものがあり、緊急に少額を必要とする場合の枠も用意されています。

借りる相談は、返せる見通しとセットで受け付けられます。 相談の場では、家計の状況を一緒に整理してもらえます。借りるかどうかを決めてから行く必要はありません。

相談に行くときに持っていくもの

年金の振込通知書、介護保険の負担割合証、直近の請求書、通帳。この四つがあれば、たいていの相談はその場で具体的に進みます。何も持たずに行っても相談は受けられますが、二度手間になりがちです。

伝え方も、飾らないほうが伝わります。「毎月◯円足りない」「あと◯か月で貯金が尽きる」と数字で言えば、使える制度が絞られます。恥ずかしさから少なめに言うと、対象になる制度から外れてしまいます。 窓口の人は、その状況を裁く立場ではありません。

止める順番を間違えない

払えないからと、まずサービスを減らす人がいます。減らした結果、状態が悪くなって、かえって費用が増えることがあります。

減らす前に、使える制度を全部当たってください。 負担が重くなったときに戻るしくみ、施設の食費と居住費を軽くするしくみ、社会福祉法人の減免。申請しなければ、どれも動きません。

本人の財産で払うのが原則

介護の費用は、本人の年金と預金から払うのが基本です。子が自分の生活を削って出す形は、長くは続きません。

本人の口座から払えるように、先に整えておいてください。 認知症が進むと、本人の口座からお金を動かせなくなります。そうなる前に、家族の間で決めておくことです。

家族の間で決めておく

誰がいくら出すのか、いつまで出すのか。決めないまま始めると、同居している人だけが負担する形になりがちです。

出せない人は、別の形で担えます。 手続きを引き受ける、月に一度泊まりに来る。お金だけを分担の物差しにしないでください。

相談する先がある

暮らしが立ちゆかなくなりそうなときは、生活困窮者自立支援制度という手前のしくみがあります。家計の相談から入れます。

市区町村の窓口が入口です。 地域包括支援センターに相談しても、つないでもらえます。限界まで我慢してから相談すると、選べる手が減ります。

施設の費用を滞納しています。
施設に相談してください。分割や、負担限度額認定の申請、生活保護への相談など、施設の相談員が一緒に考えられます。黙って滞納が続くと退所につながるため、早く伝えるほど手が残ります。
子どもに負担させたくありません。
介護の費用は本人の資産と収入から払うのが原則です。足りない場合の制度も、本人を単位に考えます。子の収入が見られる場面は限られており、まずは本人として使える制度を確かめてください。

この記事の出典

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