デイサービス(通所介護)とは?1日の流れ・費用と使い方
在宅の介護で最初に入れることが多いのが、デイサービスです。本人は人と話し、風呂に入り、体を動かして帰ってくる。家族はその時間、仕事にも自分の用にも向かえます。
デイサービスとは
正式には「通所介護」といいます。朝に送迎の車が迎えに来て、日中を施設で過ごし、夕方に送ってもらう形が基本です。週に1回から、多い人は週5回通います。
目的は2つあります。1つは本人が入浴・食事・運動・人との関わりを持つこと。もう1つは、介護している家族がその時間だけ手を離せることです。後者は制度上もはっきり認められた目的です。遠慮する必要はありません。
全国では24,473件が指定を受けています。65歳以上約3590万人に対して1万人あたり6.8件という数で、訪問介護に次いで数の多いサービスです。定員18人以下の地域密着型通所介護を別に数えているので、「デイサービス」と呼ばれる場所は実際にはこれよりさらに多くあります。
1日の流れ
- 9時ごろ 送迎の車で到着。体温・血圧を測る
- 午前 入浴(希望者)、体操やレクリエーション
- 12時ごろ 昼食。刻み食・とろみ付きなど、飲み込みに合わせた形にできる
- 午後 休憩、機能訓練、書道・手芸などの活動、おやつ
- 16時ごろ 送迎の車で帰宅
半日(3時間から4時間)だけ通う形もあります。「1日は長すぎて疲れる」「入浴だけしたい」という場合に選ばれます。
費用の目安(1割負担・7時間以上8時間未満)
これに食事代(おおむね600円から900円)が加わります。入浴やリハビリの体制に応じた加算が付くこともあるため、実際には1回あたり1,500円から2,000円ほどになることが多くあります。
似ているサービスとの違い
| 主な目的 | 来る人・いる人 | |
|---|---|---|
| 通所介護(デイサービス) | 入浴・食事・交流・体を動かすこと | 介護職員、機能訓練指導員 |
| 通所リハビリ(デイケア) | 医師の指示にもとづく機能の回復・維持 | 医師、理学療法士など |
| 認知症対応型通所介護 | 認知症のある人に合わせた少人数の通い | 認知症の対応に慣れた職員 |
| 地域密着型通所介護 | 定員18人以下の小規模な通い | 介護職員 |
| 小規模多機能型居宅介護 | 通い・泊まり・訪問を同じ職員が担う | 同じ事業所の職員 |
迷ったときの目安は、リハビリが目的の中心かどうかです。医師の指示のもとで機能の回復に取り組みたいならデイケア、暮らしの張りと入浴・食事が中心ならデイサービスになります。両方に通うこともできます。
「行きたくない」と言われたとき
デイサービスで最も多い困りごとです。断られる理由はだいたい決まっています。
- 知らない人ばかりの場所に行くのが不安
- 「年寄り扱いされる」と感じている
- 歌やレクリエーションが好みに合わない
- 入浴を人に見られたくない
- 送迎の車に乗るのが億劫
いずれも施設を替えれば解決することがあります。男性が多い施設、機能訓練に重きを置く施設、個浴(一人ずつ入る風呂)のある施設、囲碁や麻雀を置いている施設。同じ「デイサービス」でも中身は相当違います。
使い始めるまで
- 要介護認定を受ける(申請から結果までおよそ1か月)
- ケアマネジャーに「通いを入れたい」と伝える
- 候補の施設を見学・体験する
- 契約し、週何回・何曜日に通うかを決める
- 数か月に一度、続けるか内容を変えるかを見直す
要支援1・2の場合は、市区町村の「総合事業」の通所型サービスになります。通う先も内容も似ていますが、費用は月ごとの定額になることが多くあります。
行きたがらないときに、何を疑うか
「行きたくない」の中身は一つではありません。知らない場所が不安、風呂を人に見られたくない、話が合わない人がいる、送迎の車に長く乗るのがつらい。
理由が分かれば、たいてい手が打てます。 入浴だけ別の日にする、席を替えてもらう、送迎の順番を変える、日数を減らして様子を見る。 「本人が嫌がるから」で止めずに、事業所とケアマネジャーに具体的に伝えてください。
一日の中で、何をしているか
到着して体温と血圧を測り、入浴、昼食、休憩、体操やレクリエーション、おやつ、そして送り。この流れが基本です。
中身は事業所によってまったく違います。 機能訓練に時間を割くところ、趣味の活動を中心にするところ、静かに過ごせるところ。見学のときに、その日の予定表を見せてもらってください。
家族が手を離せる時間、という目的
本人のためだけのサービスではありません。介護している家族が働く、眠る、自分の用を済ませる。 その時間を作ることも目的に含まれています。
「自分が楽をするために使う」と後ろめたく感じる必要はありません。 支える側が続かなければ、在宅そのものが終わります。回数を増やしたいときは、率直にケアマネジャーへ伝えてください。
費用に、保険の外のものが乗る
介護保険で見てもらえるのは、サービスの本体部分です。食事代、おやつ代、おむつ代、行事の材料費、理美容。 これらは別にかかります。
月にいくらになるかは、事業所に実際の例を聞くのが早いです。 所得によっては食費の負担を軽くするしくみが使えます。市区町村の窓口で対象になるかを確かめてください。
- 週に何回まで通えますか。
- 制度上の上限はありませんが、要介護度ごとの月の上限額の範囲で組みます。要介護1で週2回、要介護3で週3回から4回くらいが目安になります。
- 入浴だけ頼めますか。
- 半日型で入浴を中心にしている事業所があります。自宅の浴室が使いにくい場合の選択肢になります。
- 医療的なケアが必要でも通えますか。
- たんの吸引やインスリン注射が必要な場合は、看護職員のいる事業所を選びます。重い医療的ケアが要る人向けには「療養通所介護」という枠もあります。
- 休んだ日の費用はかかりますか。
- 原則としてかかりませんが、直前の取りやめにキャンセル料を定めている事業所があります。契約前に確かめてください。
通所介護の数は、都道府県で3.9倍ひらいている
全国の通所介護は24,473件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり6.8件です。
いちばん多いのは沖縄県(16.7件)、いちばん少ないのは北海道(4.3件)で、同じ国の中で3.9倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。
| 順位 | 都道府県 | 件数 | 65歳以上1万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 599件 | 16.7件 |
| 2位 | 群馬県 | 704件 | 12.1件 |
| 3位 | 宮崎県 | 400件 | 11.4件 |
| 4位 | 佐賀県 | 285件 | 11.4件 |
| 5位 | 大分県 | 415件 | 11.1件 |
| 47位 | 北海道 | 709件 | 4.3件 |
| 46位 | 神奈川県 | 1,104件 | 4.7件 |
| 45位 | 秋田県 | 169件 | 4.8件 |
| 44位 | 東京都 | 1,512件 | 4.8件 |
| 43位 | 千葉県 | 949件 | 5.4件 |
この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入る都道府県はありません。高齢者が多い地域ほど通所介護が多い、という関係にはなっていません。事業所の数は、高齢者の数だけで決まるものではないようです。
数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。
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