デイサービスの選び方!見学で本当に見るところ
デイサービスは、同じ名前でも中身がまるで違います。本人が「行きたくない」と言うようになるかどうかは、施設選びの段階でほとんど決まります。見学のときにどこを見ればいいのかを説明します。
全国に24,473件あるサービスなので、送迎の範囲に入っているところだけでも、いくつか候補が出てくるはずです。数が多いということは、中身の幅も広いということです。同じ「デイサービス」という名前でも、過ごし方は事業所ごとにまるで違います。
通っている人の顔ぶれを、いちばんに見る
設備でも料金でもなく、ここがいちばん効きます。本人と年齢や状態、雰囲気の近い人がいるかどうかを見てください。要介護5の人ばかりの中に要介護1の人が入ると、話し相手がいないまま一日が終わります。逆に、元気な人ばかりの中に体の動きにくい人が入っても、置いていかれる感じが残ります。
男性の割合も見ておきます。女性が多い施設で、男性が一人か二人しかいないという状況は珍しくありません。手芸や歌の時間が続くと、居場所がないと感じて足が遠のきます。男性の利用者が何人くらいいるか、男性向けの過ごし方があるかを聞いてください。
曜日によって顔ぶれが変わることもよくあります。見学のときに「何曜日が本人に合いそうですか」と相談してみてください。毎日を見ている職員のほうが、その勘は確かです。
風呂の形が、続くかどうかを分ける
デイサービスに通う理由の上位に、家では入れなくなった風呂があります。それだけに、風呂の形が合わないと通う意味が薄れます。
大勢で入る大浴場か、一人ずつ入る風呂か。座ったまま、あるいは横になったまま入れる浴槽があるか。同性の職員が介助してくれるか。髪を乾かすところまでしてもらえるか。この四つを聞いて、できれば実際に浴室を見せてもらってください。
一日をどう過ごすのか
午後の時間割を見せてもらってください。テレビが点いているだけの施設と、運動や手作業、外出が組まれている施設があります。どちらが良いかは本人の好み次第です。にぎやかなのが苦手な人にとっては、静かに過ごせるほうがありがたいこともあります。
見ておきたいのは、選べる余地があるかどうかです。全員が同じことをする決まりの施設と、参加しないでいることも許される施設では、過ごしやすさが違います。「今日は参加したくないと言われたらどうされますか」と聞いてみてください。
機能訓練が、全員同じ体操で終わっていないか
機能訓練という言葉の中身も、施設によって差があります。全員で同じ体操をして終わる施設と、一人ずつ計画を立てて別のことをする施設があります。
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 機能訓練指導員はどんな資格の方ですか | 理学療法士・作業療法士・看護師・柔道整復師など |
| 一人ずつの計画はありますか | 全員同じ体操だけで終わっていないか |
| どんな機器がありますか | 手すり、平行棒、自転車型の機器など |
| 家でやることを教えてもらえますか | 通う日以外まで見ているか |
本格的なリハビリを望むなら、医師と専門職のいる通所リハビリテーションのほうが向いています。デイサービスの機能訓練は、今できていることを保つためのものだと考えておくと、期待と実際がずれません。
食事
施設の中で作っているか、外から運んでくるか。刻んだもの、とろみを付けたもの、塩分を控えたものなど、体に合わせた形にできるか。食事代はいくらか。そして、食べ残しが多いときに気づいて知らせてくれるか。
最後のひとつは、体調の変化に気づく入り口になります。家では一人で食べているので分かりませんが、施設では毎回同じ量が出るぶん、残す量の変化が見えます。それを伝えてくれる施設は、本人をよく見ています。
送迎で疲れてしまわないか
まず自宅が送迎の範囲に入っているかを確かめます。そのうえで、玄関から車までの介助をどこまでしてもらえるか、車内でどれくらいの時間座ることになるかを聞いてください。
順路の都合で、一時間近く車に乗ることになる施設もあります。往復で二時間となると、それだけで一日ぶんの体力を使ってしまいます。通う場所そのものが良くても、ここで疲れ果てるようなら別の施設を探したほうがいい場合もあります。
職員の動き方
見学のときに、職員が走り回っていないかを見てください。利用者に声をかけながら動いているか、呼ばれてすぐに応じられているか。人手が足りない施設は、どれだけ理念が立派でも回りません。
職員どうしの声のかけ合いも見ておきます。互いに気持ちよくやりとりしている職場は、利用者への接し方も落ち着いています。見学者に見せる顔と普段の顔は違うものですが、職員どうしのやりとりまでは、そう取り繕えません。
においと音
玄関を入ったときのにおいは、その施設に手が入っているかどうかをよく表します。排せつのにおいがこもっている施設は、掃除だけでなく、トイレの誘導まで手が回っていないことが多いものです。
音の大きさも見ておきます。テレビと音楽と職員の声が同時に鳴っている場所は、耳の遠い人にとってつらい環境です。何も聞き取れないまま一日を過ごすことになり、疲れて帰ってくることになります。
家族に何が伝わるか
連絡帳があるか、書かれている内容が具体的か。「変わりありません」だけが並ぶ連絡帳からは、本人の様子は何も分かりません。何をして、誰と話し、どんな表情だったか。そこまで書ける施設は、それだけ見ています。
体調の変化に気づいたとき、誰にいつ連絡が来るのかも決めておいてください。離れて暮らしているなら、なおさらです。写真で様子を見せてくれる施設もあります。
やめたいときにやめられるか
契約の期間に縛りがあるか、やめるときに費用がかかるかを確かめておきます。始める前に終わり方を聞くのは気が引けますが、ここを知っているかどうかで、通いはじめの気持ちが変わります。
「合わなければ替えればいい」と思える状態で始めたほうが、本人も家族も楽です。実際、二か所目、三か所目で落ち着く人はたくさんいます。最初の一か所で決まらなくても、失敗したわけではありません。
見学は本人と一緒に、できれば昼どきに
昼食の時間に見学すると、食事の中身、職員の関わり方、利用者の表情が一度に見えます。午前中の静かな時間だけを見て決めると、いちばん人手の要る時間帯の様子が分からないままになります。
本人を連れて行き、帰り道に「どうだった」と聞いてください。本人が選んだ形にすると、通いはじめてからの抵抗がかなり減ります。見学だけで決めきれないときは、体験の日を作ってもらってください。たいていの施設が応じてくれます。
見学は、昼をまたいで行く
午前だけ見て帰ると、いちばん見たいところを外します。入浴と昼食の時間に、職員の手がどう回っているかが出ます。
待たされている人がいないか、声のかけ方はどうか、食事に手を添えてもらえているか。 説明を聞く時間より、この30分のほうが確かです。 昼をまたげる時間で予約してください。
本人と、通っている人の顔ぶれが合うか
同じくらいの状態の人が多いか、話の合いそうな人がいるか。ここが合わないと、続きません。
男性が少ない事業所では、通い続けられない男性がいます。 見学のときに、どんな人が通っているかを見てください。体験で一日過ごさせてもらえるところが多くあります。
送迎の実際を確かめる
車に乗っている時間が長いと、着いた時点で疲れます。遠回りの順路に組み込まれると、片道で1時間近くかかることがあります。
自分の家がどの順番になるかを、聞いてください。 玄関まで介助してもらえるか、階段があっても対応できるかも同じです。ここは通う日数に直接響きます。
休みと、急な変更への強さ
年末年始、お盆、日曜。休みの日は事業所によって違います。 家族が働いている家庭では、ここが決め手になります。
急に休みたいとき、逆に急に増やしたいときに応じてもらえるかも聞いてください。 定員に余裕があるかどうかで変わります。このサイトの市区町村ページで、近くの事業所を並べて比べられます。
- 大きい施設と小さい施設のどちらがいいですか。
- 大人数がにぎやかで楽しいという人と、十人ほどの小さな施設のほうが落ち着くという人に分かれます。人見知りの傾向があるなら、地域密着型通所介護と呼ばれる小さな施設から試してください。
- 複数の施設に通えますか。
- 通えます。月曜と木曜は機能訓練が中心の施設、土曜はにぎやかな施設、という組み方をしている人もいます。曜日ごとに目的を変えると、本人の張り合いにもつながります。
- 見学のときに何を持って行けばいいですか。
- 介護保険の被保険者証と、聞きたいことを書いた紙です。その場では思い出せなくなるものなので、書いて持って行ってください。見た印象もその場でメモしておくと、二か所目、三か所目と比べるときに役立ちます。
通所介護の定員は、まんなかが30人
当サイトに掲載している通所介護のうち、定員が分かっているのは10,706件です。その10,706件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが30人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで1,550人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 676件 | 6.3% |
| 11〜20人 | 1,520件 | 14.2% |
| 21〜30人 | 4,044件 | 37.8% |
| 31人以上 | 4,466件 | 41.7% |
いちばん多いのは31人以上の41.7%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
日曜に開いている通所介護は21.3%
24,473件のうち、日曜に開いているのは5,219件でした。土曜は19,960件(81.6%)、祝日は22,254件(90.9%)です。土曜まで開いているところは多い一方で、日曜まで開いているところはぐんと減ります。
平日に働いている家族が付き添える日、あるいは家族が休みで介護を代わりにくい日に使いたいのであれば、この条件で候補はかなり絞られます。曜日は後から変えにくい条件なので、見学の順番を決める前に確かめておくと無駄がありません。当サイトの一覧は市区町村ごとに絞り込めるので、住んでいる地域で何件残るかを先に見てください。
通所介護を運営しているのは14,326の法人
24,002件の運営者をたどると、14,326の法人にたどり着きます。1法人あたり1.7件という計算で、複数の事業所を持つ法人が珍しくないということになります。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは19,722件(80.6%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
通所介護が1件も無い市区町村が182ある
全国1,892の市区町村のうち、通所介護の掲載があるのは1,710市区町村です。裏を返すと、182の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。