認知症対応型通所介護とは?少人数の通いと普通のデイの違い

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

普通のデイサービスに通ってみたが、落ち着かず帰りたがる。同じ話を繰り返して、周りから浮いてしまう。そういうときに選択肢になるのが、認知症のある人だけの少人数の通いです。

認知症対応型通所介護とは

認知症と診断された人だけが通うデイサービスです。1日の定員は12人以下と決められていて、普通のデイサービス(30人前後のことが多い)よりずっと小さな場になります。

職員の配置も手厚く、認知症の対応に慣れた人が付きます。住んでいる市区町村にある事業所しか使えない「地域密着型」のサービスです。

認知症対応型通所介護は全国で2,988件、65歳以上1万人あたり0.8件です。定員が12人以下と決められているぶん、事業所の数のわりに受け入れられる人数は限られます。住んでいる市区町村の事業所しか使えないので、まず地域にあるかどうかをケアマネジャーに調べてもらってください。

普通のデイサービスとの違い

認知症対応型通所介護通所介護(一般)
定員12人以下18人以下から30人以上までさまざま
通う人認知症と診断された人だけ認知症の有無を問わない
職員の配置手厚い基準どおり
費用高い(1.3倍から1.5倍ほど)標準
使える地域住んでいる市区町村のみ制限なし

費用は上がりますが、「大人数の中でどう振る舞えばいいか分からない」という混乱が減り、同じ職員が毎回付くことで表情が変わる人がいます。

費用の目安(1割負担・単独型・7時間以上8時間未満)

要介護度1回あたりの目安
要介護1約1,000円
要介護3約1,200円
要介護5約1,400円
1単位を10円として計算した目安です。事業所の規模・体制、お住まいの地域によって変わります。食事代とおむつ代は介護保険の対象外で、この金額とは別にかかります。正確な金額は事業所にご確認ください。

向いている場面

  • 普通のデイサービスで落ち着かず、帰りたがる
  • 大きな音や大人数が苦手になった
  • 同じことを繰り返し言い、周囲との関係が難しくなっている
  • 一人で外へ出てしまうことがある
  • 職員が毎回替わると混乱する
反対に、本人が大人数の中でも落ち着いていられるなら、普通のデイサービスのままで構いません。認知症の診断があるからといって、こちらに移らなければならないわけではありません。

使うための条件

  1. 認知症の診断を受けていること(主治医の意見書などで確認されます)
  2. 要介護1から5、または要支援1・2の認定を受けていること
  3. 事業所と同じ市区町村に住んでいること

事業所の数は多くありません。住んでいる市区町村にあるかどうかを、担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに確かめてください。

少人数であることの意味

大勢の中では落ち着かない人が、少人数なら過ごせることがあります。音、人の動き、声の数。 これらが減るだけで、混乱が和らぎます。

職員が一人ひとりの背景を覚えていられる規模である、という点が効きます。 昔の仕事、呼ばれ慣れた名前、苦手なこと。 覚えられている場所では、本人の表情が変わります。

通常のデイサービスで断られた人の受け皿

落ち着かない、外へ出ようとする、他の人とぶつかる。この理由で通えなくなった人が、こちらでは過ごせることがあります。

職員の配置が手厚く、認知症への対応に慣れているからです。 「もう通える場所がない」と諦める前に、ケアマネジャーに相談してください。このサイトの市区町村ページで、近くにあるかを確かめられます。

住んでいる市区町村の中から選ぶ

この形は、原則としてその市区町村の住民が使うものとして位置づけられています。隣の市の事業所は、そのままでは使えません。

近くに無い地域があります。 その場合は、通常のデイサービスで対応してもらえるところを探すことになります。市区町村の担当課で、地域に何があるかを確かめてください。

費用は、通常のデイサービスより高め

手厚い配置のぶん、同じ時間でも費用は上がります。その分だけ、支給限度額を早く使います。

週の回数と、他のサービスとの兼ね合いで組む必要があります。 ケアマネジャーに、限度額の中でどう配分するかを示してもらってください。超えた分は全額の負担になります。

認知症と診断されていませんが、それらしい様子があります。
まず主治医に相談してください。診断がつかないうちは、普通のデイサービスや小規模多機能型居宅介護を検討することになります。
普通のデイサービスから移れますか。
移れます。ケアマネジャーに伝えてください。見学と体験をしてから決めることをおすすめします。
費用が高いのが気になります。
回数を減らして質を取る、という考え方もあります。週3回の一般のデイより、週2回の認知症対応型のほうが本人が落ち着くなら、そのほうが結果的に長く続きます。

認知症対応型通所介護の数は、都道府県で7倍ひらいている

全国の認知症対応型通所介護は2,988件です。ただし件数をそのまま並べても、人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いのかどうかは分かりません。65歳以上の人数で割ると比べられるようになります。全国では65歳以上1万人あたり0.8件です。

いちばん多いのは富山県(2.1件)、いちばん少ないのは茨城県(0.3件)で、同じ国の中で7倍のひらきがあります。住んでいる場所によって、選べる事業所の数がこれだけ変わるということです。

認知症対応型通所介護が多い都道府県と少ない都道府県(65歳以上1万人あたり・全47都道府県中)
順位都道府県件数65歳以上1万人あたり
1位富山県69件2.1件
2位福井県42件1.8件
3位大分県60件1.6件
4位熊本県85件1.5件
5位福島県76件1.3件
47位茨城県26件0.3件
46位千葉県65件0.4件
45位埼玉県75件0.4件
44位和歌山県18件0.6件
43位宮崎県20件0.6件

この上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入る都道府県はありません。高齢者が多い地域ほど認知症対応型通所介護が多い、という関係にはなっていません。事業所の数は、高齢者の数だけで決まるものではないようです。

数が少ない地域が、そのまま「足りない」という意味になるとは限りません。1か所あたりの規模が大きい、近隣の市区町村から通っている、別の種類のサービスで代えている、といった事情は件数からは読み取れないためです。実際に使えるかどうかは、お住まいの市区町村の一覧で確かめてください。

件数は当サイトの掲載データ(厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータ、47都道府県に掲載あり)、人口は総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2026年1月1日現在)によるものです。どちらも更新のたびにこの数字も変わります。

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

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