要支援1とは?使えるサービスと上限額、要支援2との境目

介護の窓口 編集部公開 2026-08-23

7段階のいちばん軽い区分です。「まだ大丈夫」と受け取られがちですが、ここで手を打つかどうかが数年後を分けます。

どういう状態か

身のまわりのことはおおむね自分でできます。歩ける、食べられる、トイレも自分で行ける。ただし掃除や買い物のような家事の一部に、ときどき手が要る状態です。

  • 立ち上がるときに、何かにつかまることが増えた
  • 風呂の掃除や布団の上げ下ろしが重く感じる
  • 買い物の荷物を持って帰るのがつらい
  • 爪切りや洗髪など、体をひねる動作がしにくい
要支援は「介護が必要な状態」ではなく、そのままにしておくと介護が必要になる状態と位置づけられています。だから使うサービスも、世話をするものではなく、できることを保つためのものが中心になります。

1か月に使える上限

区分1か月の上限額単位1割負担のときの上限
要支援150,320円5,032単位およそ5,032円
上限額は1単位を10円として計算したものです。1単位の値段は地域とサービスの種類によって10円より高くなるため、実際に使える金額は住んでいる場所で少し変わります。自己負担は1割として書いています(所得により2割・3割)。

要支援1の枠は7段階でいちばん狭く、週に1回から2回のサービスでほぼ埋まります。

使えるサービス

要支援の人が使うのは、介護予防のサービス市区町村の総合事業です。名前に「介護予防」が付きます。

したいこと使うもの
家事を手伝ってほしい総合事業の訪問型サービス
体を動かす場に通いたい総合事業の通所型サービス
リハビリを受けたい介護予防通所リハビリテーション
入浴を手伝ってほしい介護予防訪問入浴介護
手すりを付けたい住宅改修(上限20万円の別枠)
歩行器を借りたい介護予防福祉用具貸与
ケアプランを作るのはケアマネジャーではなく、地域包括支援センターの職員です。要支援のあいだは、相談も計画も地域包括支援センターが窓口になります。

週のプランの例

曜日内容
月曜総合事業の通所型サービス(運動と昼食)
木曜総合事業の訪問型サービス(掃除と買い物、1時間)
随時手すりの設置(住宅改修の別枠)
これは組み立て方の一例です。同じ区分でも、家族が同居しているか、認知症があるか、住まいに段差があるかで組み方はまるで変わります。実際のプランはケアマネジャーと相談して決めます。

要支援2との境目

判定のもとになる時間の目安では、要支援1は32分未満、要支援2は32分以上50分未満です。歩行や立ち上がりに手が要る場面が増えると、要支援2に上がります。

要支援2になると上限額はおよそ2倍になり、週に3回から4回のサービスが組めるようになります。生活がつらくなってきたと感じたら、更新を待たずに区分変更を申請できます。

1か月にいくらかかるか

上限まで使って1割負担なら、1か月およそ5,000円です。ただし請求書に載るのはそれだけではありません。介護保険の外にある費用が、実際の支払いの半分ほどを占めることがあります。

何に1か月の目安
総合事業の通所型サービス(週1回)およそ1,700円
総合事業の訪問型サービス(週1回)およそ1,200円
通所したときの昼食代1回500円から700円(週1回なら月2,000円から2,800円)
おやつ代・行事の材料費月に数百円

総合事業の料金は市区町村が決めます。同じ内容でも、隣の市に行くと額が変わります。国の資料ではなく、住んでいる市区町村の一覧で確かめてください。

総合事業は市区町村ごとに中身が違う

要支援の人が使うサービスの多くは、介護保険から市区町村の事業(介護予防・日常生活支援総合事業)へ移されています。国が全国一律に決めているのではなく、市区町村が種類・料金・回数の上限を自分で決めるしくみです。

そのため「要支援1で受けられるサービス」を全国共通の形で言い切ることはできません。運動教室がそろっている市もあれば、住民が運営する集いの場が中心の町もあります。受け皿の厚さが、そのまま暮らしやすさの差になります。

地域包括支援センターへ行くと、その地域で実際に使えるものの一覧を出してもらえます。まずそこへ行くのが、いちばん早い調べ方です。相談だけなら費用はかかりません。

有効期間と、次にすること

認定には有効期間があります。はじめての認定は原則6か月、更新のときは原則12か月です(状態が安定していれば、更新でさらに長く設定されることがあります)。期間が切れる60日前から更新の申請ができます。

更新の案内は市区町村から届きますが、届かないこともあります。有効期間の終わりは認定結果の通知に書いてあるので、カレンダーに書き写しておいてください。切れると、いったんサービスが使えなくなります。

状態が落ちたと感じたら、更新を待たずに区分変更を申請できます。窓口は市区町村の介護保険担当課か地域包括支援センターです。区分が上がるとは限りませんが、申請そのものに費用はかかりません。

1日の流れの例

時間本人手を貸すところ
自分で起きて着替えるなし
午前通所型サービスへ(送迎あり)送り出しの声かけ
通所先で食事と運動なし
夕方帰宅、テレビを見て過ごすなし
入浴、就寝浴室の見守り(週に何度か)

要支援1の1日は、手を貸す場面がまだ点でしかないのが特徴です。介護というより、危ないところだけを見ておく段階といえます。

先に手を打っておくこと

この区分でやっておくと効くことが3つあります。どれも、状態が落ちてからでは間に合わないものです。

ひとつは、住まいの手直しです。住宅改修の20万円の枠は区分に関係なく使えます。玄関と浴室とトイレに手すりを付けておくと、転んで骨折する道筋をひとつ減らせます。転倒による骨折は、要介護度が一気に上がるきっかけになります。

ふたつめは、通う先を作ることです。家から出ない日が続くと、体より先に気持ちが落ちます。週に1回でも人と会う予定があるかどうかで、1年後の状態が変わります。

みっつめは、家族が窓口を知っておくことです。急に倒れたときに動くのは家族です。地域包括支援センターの場所と電話番号を、離れて暮らす家族にも伝えておいてください。

この段階で止められるかどうか

この区分は、まだ自分でできることが多く残っている段階です。ここで手を打てるかどうかで、この先の何年かが変わります。

使わずに済ませようとして、動く量が減るのがいちばん危ういです。 通う場所を作る、体を動かす機会を持つ、人と話す。 予防の目的で組まれるのは、そこです。

担当する相手が違う

この区分では、計画を作るのは地域包括支援センターが中心になります。居宅介護支援事業所のケアマネジャーではありません。

窓口が違うので、相談先を間違えると回り道になります。 住んでいる区域のセンターが担当します。このサイトの市区町村ページに連絡先を載せてあります。

市区町村の事業と組み合わせる

介護保険のサービスだけが選択肢ではありません。市区町村が行う総合事業や、地域の通いの場があります。

費用が安く、通いやすいものがあります。 何があるかは地域によってまったく違います。センターに、近くで通える場所を聞いてください。

要支援1でも介護保険料は払うのですか。
払います。保険料は認定の有無や区分とは関係なく、40歳から生涯にわたって納めるものです。
訪問介護は使えますか。
介護保険の訪問介護ではなく、市区町村の総合事業の訪問型サービスを使います。中身は似ていますが、料金と回数のきまりが市区町村ごとに違います。
特別養護老人ホームには入れますか。
入れません。原則として要介護3以上が対象です。
認定を受けたのに何も使わないと、どうなりますか。
不利益はありません。有効期間が切れれば失効するだけです。ただし使わないまま状態が落ちると、次に困ったときに申請からやり直すことになります。

居宅介護支援の数を、掲載データから確かめる

居宅介護支援が全国にどれくらいあるかというと、当サイトの掲載で36,110件です。65歳以上1万人あたりにすると全国で10.1件です。定員が分かっている11,100件では、まんなかの定員が62人でした。運営しているのは27,642の法人です。

65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは和歌山県(15.6件)、いちばん少ないのは鳥取県(7.5件)です。同じ国の中で2.1倍のひらきがあります。全国の平均は10.1件なので、和歌山県は平均の1.5倍にあたります。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,857市区町村で、35の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している居宅介護支援を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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