要介護2とは?上限額と、車いす・介護ベッドが借りられる区分

介護の窓口 編集部公開 2026-08-23

在宅で暮らす人がいちばん多い区分のひとつです。道具の力を借りられるようになるので、組み方しだいで家での暮らしがずいぶん楽になります。

どういう状態か

片手では体を支えきれず、起き上がる・立ち上がる・歩くのそれぞれに手が要る状態です。排せつと入浴には、見守りだけでなく実際の介助が必要になります。

  • ベッドから起き上がるのに手を貸してもらう
  • トイレまでの移動と、ズボンの上げ下ろしに介助が要る
  • 入浴は、洗身と浴槽の出入りの両方に手が要る
  • 外出はほぼ付き添いが必要になる

1か月に使える上限

区分1か月の上限額単位1割負担のときの上限
要介護1167,650円16,765単位およそ16,765円
要介護2197,050円19,705単位およそ19,705円
上限額は1単位を10円として計算したものです。1単位の値段は地域とサービスの種類によって10円より高くなるため、実際に使える金額は住んでいる場所で少し変わります。自己負担は1割として書いています(所得により2割・3割)。

借りられる福祉用具が増える

要介護2からは、次の福祉用具が原則として借りられます。要介護1までは対象外だったものです。

品目何のためか
車いす車いす付属品外出と、家の中の長い距離の移動
特殊寝台特殊寝台付属品起き上がりと立ち上がりを楽にする
床ずれ防止用具同じ姿勢が続く人の皮膚を守る
体位変換器寝返りの介助を軽くする
認知症老人徘徊感知機器外へ出たときに気づく
移動用リフトつり具を除く)抱え上げをやめて腰を守る
抱え上げる介助を続けると、介護する側の腰が先に壊れます。リフトやスライディングボードは「大げさな道具」ではなく、介護を続けるための道具です。福祉用具専門相談員に、家の広さに合うものを選んでもらってください。

週のプランの例

曜日内容
月曜・水曜・金曜通所介護(入浴つき、1日)
火曜・木曜訪問介護(身体介護・排せつと着替え)
土曜訪問看護(服薬と体調の確認)
随時福祉用具貸与特殊寝台車いす)、住宅改修(手すり・段差解消)
これは組み立て方の一例です。同じ区分でも、家族が同居しているか、認知症があるか、住まいに段差があるかで組み方はまるで変わります。実際のプランはケアマネジャーと相談して決めます。

住まいの手直しを考える時期

要介護2は、住宅改修がいちばん効く時期です。上限20万円の別枠(自己負担1割なら2万円)で、手すりの取り付け、段差の解消、洋式便器への取り替えなどができます。

この枠は区分支給限度基準額とは別に持てるので、毎月のサービスを削らずに使えます。工事の前に申請しないと支給されないので、必ずケアマネジャーに先に相談してください。

1か月にいくらかかるか

上限まで使って1割負担ならおよそ19,700円です。在宅で通所と訪問を組み合わせたときの、保険の外の費用も入れた目安を並べます。

何に1か月の目安保険が効くか
通所介護(週3回・入浴つき)およそ9,000円効く
訪問介護(週2回・身体介護)およそ2,500円効く
福祉用具貸与特殊寝台車いすおよそ1,500円効く
通所介護の食事代(週3回)月7,000円前後効かない
おむつ・尿とりパッド月4,000円から8,000円効かない

実際の支払いは、月に3万5,000円から4万5,000円あたりに収まることが多い額です。所得が低い世帯には高額介護サービス費という戻しのしくみがあり、1か月の自己負担が決められた上限を超えた分は、あとから返ってきます。

認知症があるときの組み方

要介護2で組み立てがいちばん難しくなるのは、体は動くのに目が離せない場合です。手がかかる量は、区分の数字より認知症の有無で決まります。

困りごと使えるもの
日中ひとりにできない認知症対応型通所介護(少人数・なじみの職員)
通いも泊まりも柔軟にしたい小規模多機能型居宅介護(定額)
外に出て帰れなくなる認知症老人徘徊感知機器の貸与、市区町村の見守り登録
家族が疲れきっている短期入所生活介護(ショートステイ)
薬の管理ができない訪問看護、薬局の居宅療養管理指導

小規模多機能型居宅介護は、通い・泊まり・訪問を同じ事業所から1か月の定額で受けられます。回数を気にせず使えるので、状態が日によって変わる人に向いています。ただし、ほかの事業所の通所介護訪問介護とは併用できません。

要介護3との境目

判定のもとになる時間の目安は、要介護2が50分以上70分未満、要介護3が70分以上90分未満です。排せつ・入浴・着替えが「手伝えば何とかなる」から「介助なしには成り立たない」に変わるあたりが境目になります。

見るところ要介護2要介護3
1か月の上限197,050円270,480円
特別養護老人ホーム原則として申し込めない申し込める
排せつ介助が要る場面があるほぼ全面的に介助
移動見守りや部分的な介助で歩ける車いすが中心になる
夜間起きることがある何度も起き、そのたびに手が要る

要介護3になると特別養護老人ホームに申し込めるようになります。待機が長い地域では、申し込みの列に並ぶこと自体に意味があるため、状態が変わったら早めに区分変更を申請してください。

1日の流れの例

時間本人手を貸すところ
起きる、着替える起き上がりと着替えの介助
朝食後トイレ移動とズボンの上げ下ろし
午前通所介護送り出し
通所先で食事、入浴なし
夕方帰宅車いすからの移乗
夕食、トイレ食事の見守りと排せつの介助
夜間就寝1回から2回の付き添い

要介護2から、夜に起こされる回数が家族の限界を決めるようになります。昼のサービスをいくら足しても、夜が続かなければ在宅は持ちません。

先に手を打っておくこと

要介護2は、道具と住まいの手直しがいちばん効く時期です。人手を増やす前に、道具で減らせる手間を減らしてください。

介護ベッドは、起き上がりと立ち上がりを本人の力で済ませるための道具です。手すり(サイドレール)と組み合わせると、夜のトイレに家族が付き添わずに済むことがあります。月に千円台で借りられるので、迷うより先に試してください。

住宅改修の20万円の枠は、トイレまでの導線に集中して使うのが定石です。寝室からトイレまでの手すり、敷居の段差の解消、扉を引き戸に替える。ここが片づくと、夜間の介助が目に見えて減ります。

あわせて、家族が働き方を見直す時期でもあります。介護休業は通算93日を3回まで分けて取れます。辞めてしまう前に、勤め先の制度と地域のサービスを一度そろえて並べてみてください。

家族の負担が、はっきり増える段階

この区分になると、見守りだけでは済まなくなります。手を出す場面が増えます。

支える側の限界を、先に見てください。 仕事、睡眠、他の家族。 ここが削られ始めているなら、サービスの組み方を変える時期です。

通いと泊まりを、組み合わせる

日中の通所だけで足りない家庭が出てきます。夜と、家族が離れる時間をどう作るかが課題になります。

定期的に泊まりを挟む、夜間に来てもらう、小規模多機能でまとめる。 選び方はいくつかあります。「限界が近い」とケアマネジャーに伝えれば、組み替えられます。

施設を考え始める時期

すぐ入る必要はなくても、候補を見ておく時期に入っています。

特別養護老人ホームは、この区分では原則として対象外です。 対象になる区分まで待つのか、他の住まいを見るのか。先に知っておくと、慌てずに済みます。

要介護2で特別養護老人ホームに入れますか。
原則として入れません。ただし認知症で日常生活に支障がある、家族による虐待が疑われるなど、特例で認められる場合があります。市区町村の担当課に相談してください。
車いすは買うのと借りるのとどちらがよいですか。
介護保険で借りると1割負担で月に数百円から千円台です。体の状態が変われば取り替えられるので、まず借りるほうが理にかなっています。
上限を超えそうです。どうすればよいですか。
まずケアプランの組み直しをケアマネジャーに相談してください。通所介護の回数を変える、小規模多機能型居宅介護のような定額のサービスに切り替えるといった手があります。

通所介護の数を、掲載データから確かめる

通所介護が全国にどれくらいあるかというと、当サイトの掲載で24,590件です。65歳以上1万人あたりにすると全国で6.8件です。定員が分かっている10,770件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは14,372の法人です。

65歳以上の人数で割って多い順に並べると、上から沖縄県・群馬県・宮崎県。少ないほうは北海道・神奈川県・秋田県の順になります。件数そのものの順位とは、まるで違う顔ぶれになります。件数で並べると人口の多い都道府県が上に来るだけで、その地域が手厚いかどうかは分からないためです。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,712市区町村で、180の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している通所介護を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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