小規模多機能型居宅介護とは?通い・泊まり・訪問を1か所で
デイサービスの事業所、ショートステイの施設、訪問介護の会社。在宅の介護は、関わる人が増えるほど段取りも増えます。小規模多機能型居宅介護は、それを1か所にまとめる仕組みです。
小規模多機能型居宅介護とは
1つの事業所が「通い(デイサービス)」「泊まり(ショートステイ)」「訪問(ホームヘルプ)」の3つを引き受けます。同じ職員が3つとも担当するので、通いのときの様子を知っている人が、そのまま家に来て、泊まりの晩も付きます。
登録できるのは1事業所あたり29人まで。通いは1日15人ほど、泊まりは1晩9人ほどという小さな規模です。住んでいる市区町村にある事業所しか使えない「地域密着型」のサービスです。
最大の特徴は「予定を決めなくていい」こと
普通のデイサービスは「毎週火曜と金曜」のように予定を組みます。小規模多機能は月ごとの定額なので、「今日は調子が悪いから泊まりたい」「明日は家族が出かけるから通いたい」という変更がその場でできます。
介護は予定どおりに進みません。急な発熱、家族の出張、本人の気分。こうした揺れを吸収できる点が、この仕組みのいちばんの価値です。
費用の目安(1割負担・1か月)
| 要介護度 | 月あたりの目安 |
|---|---|
| 要介護1 | 約1万700円 |
| 要介護2 | 約1万5,700円 |
| 要介護3 | 約2万2,800円 |
| 要介護4 | 約2万5,200円 |
| 要介護5 | 約2万7,800円 |
ここに食費(1食あたり数百円)、泊まったときの宿泊費(1泊2,000円から4,000円ほど)、おむつ代が加わります。通いを週5回・泊まりを月に何度も使う人ほど、割安になる仕組みです。
1単位を10円として計算した目安です。お住まいの地域と事業所の体制によって変わります。食費・宿泊費・おむつ代は介護保険の対象外で、この金額とは別にかかります。正確な金額は事業所にご確認ください。
使えなくなるサービスがある
ここが最も大事な注意点です。小規模多機能を使うと、次のサービスは原則として併用できなくなります。
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- 通所介護(デイサービス)・通所リハビリ(デイケア)
- 短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)
- ほかの居宅介護支援(ケアマネジャーは事業所のケアマネへ替わります)
併用できるのは、訪問看護・訪問リハビリ・福祉用具貸与・住宅改修などです。長く通ったデイサービスがあり、そこを離れたくない場合は、この点をよく考えてから決めてください。
似ているサービスとの違い
| 通い | 泊まり | 訪問 | 費用 | |
|---|---|---|---|---|
| 小規模多機能型居宅介護 | ○ | ○ | ○ | 月ごとの定額 |
| 通所介護+ショートステイ+訪問介護 | ○ | ○ | ○ | 使った回数ぶん |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | ○ | ○ | ○(看護も) | 月ごとの定額 |
| 定期巡回・随時対応型 | × | × | ○(1日に何度も) | 月ごとの定額 |
医療的なケア(たんの吸引、点滴、床ずれの手当て)が必要なら、看護師のいる「看護小規模多機能型居宅介護」のほうが向いています。
向いている場面
- 認知症があり、場所や人が替わると混乱する
- 家族の仕事の都合で、必要な日が週ごとに変わる
- 一人暮らしで、いざというときに泊まれる場所を確保しておきたい
- 在宅を続けたいが、いつ何が起きるか読めない
- あちこちの事業所と連絡を取るのが負担になっている
- 使わなかった月も定額を払うのですか。
- そうです。月の途中から使い始めた場合は日割りになりますが、「今月はほとんど使わなかった」という月も基本の額はかかります。通いが週2回以下で泊まりも使わないなら、普通のデイサービスのほうが安く済みます。
- ケアマネジャーが替わるのが不安です。
- 小規模多機能では、事業所に所属するケアマネジャーが担当します。これまでの担当者から引き継ぎをしてもらえるので、不安な点は事前に両方へ伝えておいてください。
- 空きがありません。
- 登録できる人数が29人までなので、待つことがよくあります。待っているあいだの組み立て(デイサービスとショートステイの併用など)をケアマネジャーと決めておいてください。