看護小規模多機能型居宅介護とは?医療も含めて1か所で支える
退院はできそうだが、家で処置を続けられるだろうか。看護小規模多機能型居宅介護は、その不安をまるごと引き受けるために作られた仕組みです。
看護小規模多機能型居宅介護とは
「看多機(かんたき)」と略されます。小規模多機能型居宅介護(通い・泊まり・訪問介護)に、訪問看護を足した形です。同じ事業所に看護師がいるので、医療と介護の連絡が事業所の中で完結します。
住んでいる市区町村にある事業所しか使えない「地域密着型」のサービスです。登録できるのは29人まで。全国的にまだ数が多くありません。
小規模多機能との違い
| 看護小規模多機能 | 小規模多機能 | |
|---|---|---|
| 訪問看護 | ある(同じ事業所の看護師) | ない(外部の訪問看護と併用) |
| 医療的なケア | たんの吸引、点滴、床ずれの手当てなど | できない |
| 主治医との連絡 | 事業所の看護師が担う | 家族またはケアマネジャーが担う |
| 費用 | 高い | やや安い |
| 向いている時期 | 退院直後、状態が不安定な時期、看取り | 状態が落ち着いている時期 |
費用の目安(1割負担・1か月)
| 要介護度 | 月あたりの目安 |
|---|---|
| 要介護1 | 約1万2,700円 |
| 要介護2 | 約1万7,800円 |
| 要介護3 | 約2万5,000円 |
| 要介護4 | 約2万8,300円 |
| 要介護5 | 約3万2,000円 |
食費・宿泊費・おむつ代はこれとは別にかかります。訪問看護を何度使っても定額に含まれるため、医療的なケアが多い人ほど割安になります。
1単位を10円として計算した目安です。お住まいの地域と事業所の体制によって変わります。食費・宿泊費・おむつ代は介護保険の対象外で、この金額とは別にかかります。正確な金額は事業所にご確認ください。
よく使われる場面
- 退院直後。家での暮らしに戻る数か月を支える
- 胃ろう・在宅酸素・たんの吸引が必要になった
- がんの療養で、体調の波が大きい
- 看取りの時期を家で過ごしたい
- 介護している家族が疲れきっていて、泊まりも訪問も要る
医療が必要な時期を看多機で乗り切り、状態が落ち着いたら小規模多機能や在宅サービスの組み合わせへ戻す、という使い方もできます。ずっと同じ形でいる必要はありません。
使えなくなるサービス
小規模多機能と同じく、訪問介護・通所介護・通所リハビリ・ショートステイは原則として併用できません。訪問看護も、この事業所からのものになります。ケアマネジャーも事業所の職員へ替わります。
- 主治医はそのままでいいですか。
- そのままで構いません。事業所の看護師が主治医から指示を受けて動きます。かかりつけ医が遠い場合は、往診してくれる医師を紹介してもらえることもあります。
- 医療保険の訪問看護は使えますか。
- 末期のがんなど厚生労働大臣が定める病気にあたる場合は、医療保険での訪問看護を併せて使えることがあります。判断は主治医と事業所が行います。
- 近くに事業所がありません。
- 全国的に数が少ないサービスです。無い場合は、小規模多機能+外部の訪問看護、または定期巡回・随時対応型+訪問看護という組み合わせで近い形が作れます。ケアマネジャーに相談してください。