看護小規模多機能型居宅介護の選び方!医療の守備範囲を確かめる

介護の窓口 編集部公開 2026-08-21

看多機を選ぶときに見るのは、どこまでの医療を引き受けてもらえるか、その一点です。状態が変わったときに同じ場所で続けられるかどうかが、ここで決まります。

全国で1,124件しかありません。住んでいる市区町村にあれば選べる、という段階のサービスです。比べる相手がいないぶん、「引き受けてもらえる範囲」を先にはっきりさせておくことが、選ぶことの代わりになります。

夜に看護職員がいるか、呼べるか

看多機のいちばんの強みは、介護と看護が同じ事業所の中にあることです。ただし、夜間まで看護職員がいるかどうかは事業所によって違います。

夜間に事業所に看護職員がいるのか、いない場合は電話でつながるのか、必要なら来てもらえるのか。泊まっている晩に状態が変わったときに、誰がどう判断するのかまで聞いておいてください。ここが曖昧なままだと、結局は救急車を呼ぶことになります。

引き受けてもらえる医療の範囲

今受けている処置の名前を挙げて、一つずつ聞いてください。たんの吸引、在宅酸素、人工呼吸器。胃ろうや経鼻の管、中心静脈栄養。床ずれの手当て、インスリン注射や点滴、尿の管や人工肛門、痛みを抑える薬の管理。

今は必要でなくても、これから必要になりそうなものを聞いておいてください。途中で「うちでは対応できません」となると、いちばん体力の落ちている時期に、また一から事業所を探すことになります。

「年に何件くらい看取っておられますか」

家で最期まで過ごすことを考えているなら、この質問をしてください。見るのは件数の多さではなく、答えるときの落ち着き方です。

経験を積んだ事業所は、その時期に何が起きるか、家族が何に戸惑うかを知っているので、具体的に話してくれます。言葉を濁すようなら、そこはまだ看取りの場になっていないと考えたほうが確かです。

かかりつけ医とのやりとり

医療の必要が重い人ほど、医師の指示がどれだけ早く届くかが効いてきます。事業所と医師のあいだに手間が挟まると、その分だけ対応が遅れます。

聞くこと見るところ
かかりつけの先生とのやりとりはありますか指示をもらうまでの速さ
往診してくれる医師を紹介できますか通院が難しくなったときの備え
入院が必要になったらどうしますか病院との行き来の段取り
退院のときに迎えに行けますか病院からの引き継ぎの丁寧さ

泊まりの部屋と、夜の人数

泊まる部屋が個室かどうか、夜間の職員が何人いて、そのうち看護職員が何人なのか。数で聞いてください。医療機器を持ち込めるかどうかも、在宅酸素などを使っている人には欠かせない確認です。

家族が付き添って泊まれるかも聞いておいてください。状態が悪くなった時期に、そばにいられるかどうかは、あとになって家族の心に長く残ります。

家族の休みを、どう作ってくれるか

看多機を使う家庭は、家族の負担が重くなっていることがほとんどです。それでも、「まだ何とかなります」と言ってしまう人が多くいます。

家族が休めるように泊まりや訪問を組んでくれるかどうかは、事業所の姿勢がよく出るところです。遠慮せず、疲れていることをそのまま伝えてください。介護している人が倒れたら、在宅での暮らしはその日に終わります。

通いの時間に見学して、半日過ごしてもらう

通いをしている時間帯に見学してください。見てほしいのは、医療的なケアを受けている人がどんな表情で過ごしているかです。

ベッドに寝かされたまま一日が過ぎるのか、起きて誰かと話しているのか。医療の必要があっても暮らしを止めない事業所かどうかが、そこに出ます。可能なら、本人に半日過ごしてもらってください。

看護職の人数と、時間帯

看護職がいることと、必要なときに来てもらえることは別です。何人いるか、夜間はどうかで変わります。

24時間の連絡に対応しているかを、最初に聞いてください。 在宅を続けられるかどうかが、ここで決まることがあります。 実際に夜に呼ばれている回数を尋ねると、感触が分かります。

対応できる医療の中身

床ずれ、痰の処理、点滴、経管栄養、看取り。すべてに対応できる事業所ばかりではありません。

いま必要なことと、これから必要になりそうなことを伝えて、確かめてください。 途中で替えると、経過を知らない人に一から説明することになります。先を見て選ぶ。

泊まりの部屋と、訪問の余力

泊まれる部屋は数が限られ、訪問に出る人手にも限りがあります。

部屋数と、1日の訪問件数を聞いてください。 登録している人数に対して足りているか。ここが実際の使い勝手を決めます。

主治医との、つながり

医師と事業所の間で情報が行き来していないと、判断が遅れます。日ごろから付き合いのある組み合わせは、話が早い。

かかりつけ医に、どの事業所と組んでいるかを聞いてください。 事業所側にも、どの医療機関とやり取りがあるかを尋ねる。両方から確かめると、実態が見えます。

費用が高いのが気になります。
訪問看護を月に何度も使う見込みなら、個別に組むより安くなることがあります。ケアマネジャーに、両方の組み方で見積りを出してもらって比べてください。
退院前に決めておくべきですか。
入院中に病院の相談窓口へ伝えるのが、いちばん早い進め方です。退院の日から切れ目なく始められるよう、病院が事業所との調整をしてくれます。
状態が良くなったらどうしますか。
小規模多機能や、通常の在宅サービスの組み合わせへ戻せます。その相談に乗ってくれるかどうかも、事業所を選ぶときの目安になります。

看護小規模多機能型居宅介護の定員は、まんなかが29人

当サイトに掲載している看護小規模多機能型居宅介護のうち、定員が分かっているのは427件です。その427件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが29人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで47人と幅があります。

看護小規模多機能型居宅介護の定員の分かれ方(定員の分かっている427件)
定員件数割合
10人以下43件10.1%
11〜20人20件4.7%
21〜30人363件85%
31人以上1件0.2%

いちばん多いのは21〜30人の85%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。

看護小規模多機能型居宅介護を運営しているのは839の法人

1,119件の運営者をたどると、839の法人にたどり着きます。1法人あたり1.3件という計算で、ほとんどが1か所だけを運営している法人です。系列で複数を持つ大きな法人は多くありません。

同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。

なお、公式サイトを届け出ているのは964件(85.8%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。

看護小規模多機能型居宅介護が1件も無い市区町村が1,339ある

全国1,892の市区町村のうち、看護小規模多機能型居宅介護の掲載があるのは553市区町村です。裏を返すと、1,339の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。

地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。

この節の数字は、当サイトが掲載している看護小規模多機能型居宅介護1,124件を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータで、定員・営業日は事業所が届け出た内容です。届け出の無い項目は数に入れていません。データが更新されるたびに、この数字も変わります。

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掲載情報は 2026-07-09 公開分のデータによるものです。指定の有効性・提供内容の詳細は、各事業所または指定権者へ直接ご確認ください。