小規模多機能型居宅介護の選び方!融通の利き方を確かめる
小多機は月ごとの定額です。そのぶん、どれだけ融通を利かせてもらえるかが事業所によって大きく違います。そこを見きわめずに契約すると、「思ったほど使えない」という結果になります。
全国で5,350件、65歳以上1万人あたり1.5件。住んでいる市区町村の事業所しか使えないため、候補は多くて数か所です。そのうえ登録すると、いま使っているデイサービスや訪問介護をやめることになります。確かめずに決めると戻りにくいので、次の点を先に聞いてください。
「今晩泊めてほしい」に応じてもらえるか
この仕組みを選ぶいちばんの理由がここです。介護している人が熱を出した、本人の様子がおかしくて一人にできない。そういう晩に、当日の電話で受けてもらえるかどうかが分かれ目になります。
泊まれる部屋は多くの事業所で九室以下です。埋まっていれば断られます。当日の申し出をどれくらい受けているのか、断られたときにどうなるのか、続けて何泊までできるのかを聞いてください。「できます」ではなく、実際にどれくらい応じているかを聞くのが要点です。
短い訪問を積み重ねてくれるか
定額の中に訪問が含まれますが、実際に何回来てくれるかは事業所によります。訪問介護のように三十分や一時間の枠で数えないので、五分だけ寄るという使い方ができます。
朝の薬を飲んだかどうかを確かめに毎日寄る。夕方に戸締まりを見に行く。こうした短い訪問を積み重ねてくれる事業所は、一人暮らしの人にとって在宅を続ける支えになります。訪問の中身を、具体的にどう組めるか相談してみてください。
泊まる部屋を、必ず見せてもらう
個室なのか、仕切りのある相部屋なのか。布団かベッドか。夜間に職員が何人いるのか。ここを見ずに契約すると、実際に泊まる晩になってから本人が嫌がることがあります。
荷物を置いたままにできるかどうかも聞いてください。泊まるたびに着替えや歯ブラシを持って行き、毎回持ち帰るのは、続けるうちに家族の負担になります。置いておける事業所なら、急な泊まりのときも身ひとつで行けます。
同じ職員が、通いも訪問も泊まりも見る
この仕組みの土台は、同じ顔ぶれが三つの形すべてを担当することにあります。通いで見た様子をふまえて夕方の訪問をし、泊まりの晩にも同じ職員がいる。だから小さな変化に気づけます。
職員の入れ替わりが激しい事業所では、その土台が崩れます。「長く勤めている方は何人ですか」と聞いてみてください。答えにくそうにするなら、そこが今いちばん困っていることなのだと分かります。
どこまで見てもらえるかを、先に聞く
小多機は、状態が変わっても同じ場所で続けられることが強みです。ただし、どこまで続けられるかには事業所ごとに線があります。
| 聞くこと | なぜ大事か |
|---|---|
| 医療的なケアはどこまで対応できますか | 状態が変わったときに続けられるか |
| 看取りをされたことはありますか | 最期まで在宅を望む場合の見通し |
| 卒業される方はどんなときですか | 施設へ移る時期を一緒に考えてくれるか |
| 家族が急に入院したらどうなりますか | 長い泊まりに応じられるか |
使わない月は割高になる
定額なので、体調がよくて通わなかった月も同じ額を払います。月に数回しか使わない見込みなら、デイサービスと訪問介護を個別に組んだほうが安く済みます。
契約の前に、「うちの場合、月にどれくらい使うことになりそうですか」と見通しを立ててもらってください。ケアマネジャーに、普通の組み合わせで組んだ場合の見積りも出してもらって比べます。
今通っている場所をやめることになる
小多機を使うと、今のデイサービスや訪問介護は原則として使えなくなります。ケアマネジャーも事業所の職員に替わります。長く通った場所を本人が気に入っているなら、ここは慎重に決めてください。
ただし、事業所によっては、なじみの場所へ通うのを外出の付き添いという形で続けてくれることがあります。碁の相手がいる、長年通った風呂がある。そういう事情があるなら、相談してみる価値があります。
泊まれる部屋の数を、確かめる
泊まりに使える部屋は、数が限られています。急に泊まりたいときに、埋まっていることがあります。
「何部屋ありますか」「どれくらい埋まっていますか」と聞いてください。 登録している人数に対して部屋が少なければ、頼りにできません。 ここが実際の使い勝手を決めます。
訪問に、どれだけ出られるか
通いと泊まりに人手を取られると、訪問に出る余力が無くなります。
1日に何件くらい訪問しているかを聞いてください。 夜間や早朝に来てもらえるかも同じです。「対応します」の中身を、実績で確かめる。
定額であることの、得と損
週に何回も通い、ときどき泊まる人には割安になります。月に数回しか使わない人には割高です。
いまの組み方と並べて、金額を出してもらってください。 数字を見てから決めるものです。別に食費や宿泊費がかかります。
担当者が替わることへの、備え
計画を作る人が、その事業所の職員に替わります。これまでの経過を、新しい担当が知らない状態から始まります。
引き継ぎの場を持ってもらってください。 いまのケアマネジャーから、経過を伝えてもらう。本人が一から説明し直さずに済みます。
- 見学はできますか。
- できます。通いの時間帯に行くと、職員と利用者の距離感が見えます。泊まりの部屋も必ず見せてもらってください。
- 合わなかったらやめられますか。
- やめられます。ただしケアマネジャーも一緒に替わることになるので、元の体制に戻すには少し時間がかかります。始める前に、体験で使えるかを聞いてください。
- 看護小規模多機能とどちらがいいですか。
- 医療的なケアが要るなら看護小規模多機能です。要らないなら小規模多機能のほうが費用は抑えられます。これから医療が必要になりそうなら、先に看護小規模多機能を選んでおく考え方もあります。
小規模多機能型居宅介護の定員は、まんなかが28人
当サイトに掲載している小規模多機能型居宅介護のうち、定員が分かっているのは2,809件です。その2,809件を小さい順に並べると、まんなかに来るのが28人でした。いちばん小さいところで1人、いちばん大きいところで20,141,219人と幅があります。
| 定員 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10人以下 | 214件 | 7.6% |
| 11〜20人 | 225件 | 8% |
| 21〜30人 | 2,366件 | 84.2% |
| 31人以上 | 4件 | 0.1% |
いちばん多いのは21〜30人の84.2%です。定員は大きいほどよい、小さいほどよいというものではありません。人数が多ければ行事や設備の幅が出やすく、少なければ職員の目が届きやすい、という違いがあるだけです。見学のときは定員そのものより、「その日に実際に何人来ているか」を聞いてください。定員いっぱいで動いている日と、半分の日とでは、同じ定員でも過ごし方が変わります。
小規模多機能型居宅介護を運営しているのは3,318の法人
5,236件の運営者をたどると、3,318の法人にたどり着きます。1法人あたり1.6件という計算で、複数の事業所を持つ法人が珍しくないということになります。
同じ法人が近くで複数を運営している場合、空きが出たときに融通が利いたり、別の種類のサービスを同じ法人でまとめられたりすることがあります。一方で、法人が大きいことと、その事業所が自分に合うかどうかは別の話です。運営法人は事業所ページに出しているので、気になったら同じ法人の他の事業所も見てみてください。
なお、公式サイトを届け出ているのは4,375件(81.8%)です。サイトが無い事業所が悪いということではありませんが、事前に様子を知りたいときは、まず電話で聞くことになります。
小規模多機能型居宅介護が1件も無い市区町村が612ある
全国1,892の市区町村のうち、小規模多機能型居宅介護の掲載があるのは1,280市区町村です。裏を返すと、612の市区町村には1件もありません。住んでいる市区町村の中だけで探すと候補が出てこないことがある、ということです。
地元に無いときは、隣の市区町村まで範囲を広げて探すことになります。送迎のあるサービスなら市区町村をまたいで通えることもあるので、まず市区町村の担当課か地域包括支援センターに、どこまで通えるかを聞いてみてください。当サイトの市区町村ページは、掲載が0件のときに近隣の同じサービスを並べます。