介護休業は「介護をするための休み」ではない

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

93日を介護そのものに使い切ると、明けた時点で何も変わっていないことになります。

取れる日数と回数

対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分けて取れます。分けて取れることが重要です。 申請のとき、退院のとき、施設を探すとき、というように山場ごとに使えます。

対象になるのは配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫。同居や扶養の要件はありません。 遠くに住む親でも取れます。

「常時介護を必要とする状態」

介護休業を取れるのは、対象家族が常時介護を必要とする状態にあるときです。国が判断基準を示していて、要介護認定を受けていなくても該当することがあります。

「認定が下りていないから取れない」と会社に言われても、そこで終わらせないでください。 判断基準は要介護度だけではありません。都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。

会社は断れない

要件を満たした申し出を、会社は拒めません。介護休業を取ったことを理由に解雇したり不利に扱ったりすることも禁じられています。 就業規則に書かれていなくても、法律の定めが優先します。

申し出は原則として休み始める日の2週間前までに、書面などで行います。急な入院で間に合わないときは、まず会社に事情を伝えてください。

何に使うか

  1. 要介護認定の申請と、認定調査への立ち会い
  2. ケアマネジャーを決め、ケアプランを作る
  3. 家の中を整える(手すり、ベッド、動線)
  4. 医療の体制を決める(かかりつけ医、訪問看護)
  5. 自分が働いている間、誰がどう関わるかを決める

93日で終わるのは休みであって、介護ではありません。 明けたあとに回り続ける形を作るための期間だと考えてください。

分け方の見当

3回に分けられるのだから、最初にまとめて取り切らないほうが後で効きます。山場は、たいてい三つ来ます。

倒れた直後に、認定の申請とケアプランを組むまで。退院して家に戻す、あるいは施設へ移すとき。そして、状態が大きく変わって組み直しが要るとき。一度目を短く切り上げられれば、二度目と三度目に残せます。

給付金は、あとから入る

雇用保険から介護休業給付金が出る場合がありますが、休んでいるあいだにすぐ振り込まれるわけではありません。 休みが終わってから手続きをするのが一般的で、受け取るまでに時間がかかります。

その間の生活費は、自分で持たせることになります。取る前に、いくら入って、いつ入るのかを会社かハローワークで確かめてください。 賃金が一部支払われている場合は、給付の額に影響することがあります。

会社には、何を伝えるか

親の病状を細かく説明する必要はありません。会社が知りたいのは、いつからいつまで抜けるのか、その間の仕事を誰が引き継ぐのか、連絡が付くのかどうかです。

戻る前提であることを、はっきり伝えてください。 曖昧にしていると、辞めるつもりだと受け取られ、仕事を外されていきます。復帰後にどう働きたいかも、この段階で話しておくほうが後が楽です。

対象になる家族が二人いるとき

両親がそろって介護を要する状態になることがあります。93日は、対象になる家族一人ごとに数えます。

父について取った休みと、母について取る休みは別に数えられます。 会社の担当者がこの扱いを知らないことがあるので、そう言われたときは都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に確かめてください。

自分で介護するための休みではない

この休みは、付きっきりで世話をするために取るものではありません。介護しながら働き続けられる形を作るための期間です。

認定の申請、ケアマネジャー探し、施設の見学、住まいの手当て。 段取りを組むほうに使ってください。 自分で全部やる形を作ってしまうと、休みが明けた後に行き詰まります。

分けて取れる

まとめて取り切る必要はありません。分割して取れます。

退院のとき、認定が下りたとき、施設を探すとき。 節目ごとに使うほうが、実際の役に立ちます。一度に使い切ると、次の山で手が出せません。

休み以外の使える形がある

短時間勤務、時差出勤、残業の免除、在宅勤務。休むより、働き方を変えるほうが続くことがあります。

通院の付き添いなどに使える、一日単位の休暇もあります。 どれが使えるかは勤め先の規則によります。就業規則を先に読んでください。

勤め先に、早めに言う

限界まで黙っていて、突然辞めると言い出す。この形がいちばん多く、いちばん損をします。

先に伝えておけば、配置や仕事の割り振りを考えてもらえます。 言いにくければ、人事の窓口に相談してください。同じ立場の社員は、必ず他にもいます。

給料は出ますか。
会社から出るとは限りません。雇用保険から介護休業給付金が出る場合があり、手続きは会社を通してハローワークへ行うのが一般的です。
短い休みだけ取りたいときは。
介護休暇という別の制度があります。対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、時間単位でも取れます。通院の付き添いや手続きに使えます。

数えてみると、居宅介護支援の多い地域と少ない地域

居宅介護支援は、当サイトの掲載で35,879件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で10.0件です。定員が分かっている11,014件では、まんなかの定員が64人でした。運営しているのは27,536の法人です。

65歳以上1万人あたりで見ると、いちばん多いのは和歌山県(15.6件)、いちばん少ないのは鳥取県(7.5件)です。同じ国の中で2.1倍のひらきがあります。全国の平均は10.0件なので、和歌山県は平均の1.6倍にあたります。

掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,855市区町村で、37の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。

この節の数字は、当サイトが掲載している居宅介護支援を数えたものです。もとになっているのは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」のオープンデータと、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」の年齢階級別人口です。どちらも更新のたびに、この数字も変わります。

この記事の出典

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