離れて暮らしていてもできること、できないこと

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22最終更新 2026-08-25

離れているからできないと思われがちですが、担える役目のほうがむしろ多くあります。

窓口を先に作る

親が住む市区町村の地域包括支援センターに、自分の連絡先を伝えておいてください。 これがあるだけで、何かあったときの連絡が届きます。離れていることも併せて伝えます。

ケアマネジャーとは、直接やり取りできる形を作ります。 電話、メール、連絡帳。月に一度は様子を聞くと決めておくと、変化に気づけます。

帰省したときの見方

帰ったときに見るところ
見るところ分かること
冷蔵庫の中食べているか、傷んだものが残っていないか
薬の残り飲めているか、飲みすぎていないか
郵便物・請求書払えているか、不要な契約が増えていないか
床と通路転びやすい状態になっていないか
体重と服のサイズやせていないか
同じ話の回数前回と比べて増えていないか
電話では元気に聞こえます。 声だけで判断しないでください。帰省したときに家の中を見ることが、いちばん確かな情報になります。

見守りを重ねる

1つの方法に頼らないでください。 民生委員、近所の人、配食の見守り、緊急通報装置、電気やガスの使用を知らせるしくみ。重ねておくと、どれかが気づきます。

市区町村が独自の見守りのしくみを持っていることがあります。高齢福祉の窓口に、その地域で使えるものを聞いてください。

呼び寄せる前に考える

住み慣れた場所を離れると、認知機能が落ちることがあります。 知っている道、顔なじみ、通っていた店。それらが全部無くなる負担は、想像より大きいものです。

呼び寄せるなら、その先の見通しを立ててから。 自分の家で暮らせるのか、近くの施設に入るのか、費用はどうなるか。移ってから探し始めると、選ぶ余地が無くなります。

帰る回数より、帰ったときの中身

毎月帰ろうとして無理をし、数か月で続かなくなる人がいます。回数を増やすことより、帰ったときに何をするかを決めておくほうが効きます。

顔を見て安心して帰る、を繰り返しても状況は変わりません。ケアマネジャーと会う、家の中を点検する、通帳と請求書を見る、次の三か月の予定を決める。 この四つを毎回やると決めておけば、二か月に一度でも回ります。

担当者会議に、その場にいなくても加われる

ケアプランを決める話し合いは、平日の日中に、親の家か事業所で開かれます。遠方の家族は、たいてい参加できません。

電話やオンラインで加われないか、ケアマネジャーに聞いてください。 断られることは多くありません。それも難しければ、伝えたいことを紙に書いて渡してもらいます。決まったあとに聞かされる立場になると、口を出しにくくなります。

現地に、見てくれる人を作る

遠距離でいちばん効くのは、現地にいる誰かです。専門職でなくて構いません。隣の家の人、よく行く店、民生委員、昔からの友人。

帰省したときに、自分の顔と連絡先を渡しておいてください。 一度会っている家族には、何かあったときに連絡しやすくなります。「何かあったら」の相手を作ることが、帰省の目的の一つです。

自分の暮らしを、削り切らない

遠距離の介護は、交通費と時間と、休みが消えていきます。仕事の評価が下がり、自分の家族との時間が無くなり、それでも「もっとやるべきだ」と自分を責める。

離れているからできないことは、サービスに置き換えてください。 それが介護保険のしくみです。訪問介護、配食、見守り。どんな事業所が親の住む地域にあるかは、当サイトの市区町村ページで見られます。自分が通うことで埋めようとすると、先に自分が倒れます。

距離があると、変化に気づけない

電話では元気そうに聞こえます。実際に行ってみて、初めて分かることがあります。

冷蔵庫の中、郵便物、薬の残り、家の匂い。 帰ったときは、この4つを見てください。 会話では出てこない情報がここにあります。

地元に、目になってくれる人を作る

自分が見に行ける回数には限りがあります。日常を見られる人が地元に要ります。

ケアマネジャー、訪問の事業所、民生委員、近所の人。 連絡先を交換し、何かあったら知らせてもらえる形にしてください。このサイトの市区町村ページで、地域の事業所と包括の連絡先を確かめられます。

交通費と時間が、積み上がる

毎月帰ると、費用も休みも消えていきます。続けられる回数に、先に線を引いてください。

割引の制度がある交通機関があります。 帰る回数を減らす代わりに、サービスを増やすほうが安く付くこともあります。費用の総額で比べてください。

呼び寄せる前に、考える

自分の近くに引っ越してもらえば解決する、と考えがちです。環境が変わると、状態が落ちることがあります。

知り合いも通っていた場所も無くなります。 認定や事業所も、移った先で組み直しになります。まず短期で滞在させて、様子を見る方法があります。

交通費が負担です。
航空会社の介護帰省割引があります。また、きょうだいの分担で「遠くの人は交通費を自己負担、近くの人の負担を金銭で補う」といった決め方をしている家庭もあります。
緊急のときに間に合いません。
間に合わない前提で、最初に動く人を決めておいてください。近所の人、民生委員、ケアマネジャー、施設。連絡の順番を紙にして、親の家の電話のそばに貼っておきます。

この記事の出典

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