家族の世話をしている子どもがいる家庭へ

介護の窓口 編集部公開 2026-08-22

手伝いと世話の境目は、その子の生活が削られているかどうかにあります。

何が起きているか

祖父母の介護、障害のあるきょうだいの世話、家事全般。それ自体が悪いのではなく、そのために学校を休む、勉強の時間が無い、友達と過ごせないことが問題になります。

本人は「うちでは当たり前」と思っていることが多く、自分から助けを求めません。 周りの大人が気づかないと、そのまま進路が狭まります。

気づく手がかり

  • 遅刻や欠席が増えた
  • 宿題ができていない、居眠りが多い
  • 部活や友達との予定を断り続けている
  • 家のことで早く帰らなければならないと言う
  • 年齢に比べて家事に慣れすぎている

相談できるところ

学校の先生、スクールソーシャルワーカー、市区町村のこども家庭の窓口、地域包括支援センター。 介護されている人の側から相談しても構いません。ケアマネジャーに「子どもが世話をしている」と伝えれば、体制の組み直しにつながります。

「家族なんだから当然」と言わないでください。 その一言で、子どもは相談できなくなります。手伝うこと自体を否定する必要はありませんが、学校と将来が削られていないかは大人が見る必要があります。

大人の側でできること

介護サービスを増やして、子どもが担っている部分を置き換えられないかをケアマネジャーと相談します。訪問介護、デイサービス、ショートステイ。 「家族がいるから」と控えていたサービスを、使う方向で組み直してください。

学校に伝えるかどうか

知られたくない、と本人が言うことがあります。友達に事情を話したくない、同情されたくない、という気持ちは自然です。

全員に知らせる必要はありませんが、担任とスクールソーシャルワーカーには伝えておくほうが本人を守れます。遅刻や欠席の理由が分かっているかどうかで、学校の対応が変わります。 何も知らない状態だと、成績や態度の問題として扱われます。

進路とお金のこと

家のことがあるから進学をあきらめる、遠くの学校には行けない、という話になることがあります。ここは、後戻りがいちばん難しいところです。

あきらめる前に相談してください。 奨学金や授業料の減免、家庭の状況に応じた支援があります。学校の先生、スクールソーシャルワーカー、市区町村のこども家庭の窓口が入口です。介護の側の体制を組み直すことで、通えるようになる場合もあります。

大人になっても続くことがある

子どものころから世話をしてきた人が、そのまま就職を選べず、二十代、三十代になっても同じ形で担い続けていることがあります。

年齢が上がると、対象になる相談先が変わります。 地域包括支援センター、仕事の相談ができる窓口、若い介護者の集まり。「もう子どもではないから」と、相談をやめないでください。

本人が話せる相手を、家の外に作る

家の中の大人に言うと、心配をかける、責められる、と感じて黙る子がいます。だから、家の外に話せる相手が要ります。

学校の先生でも、部活の顧問でも、親戚でも構いません。同じ立場の人が集まるオンラインの場を、自治体や団体が用意していることもあります。 話す相手が一人いるだけで、抱え込み方が変わります。

本人は、自分がそうだと気づいていない

家のことをするのは当たり前だと思って育ちます。特別なことをしている自覚がありません。

だから、自分からは言い出しません。 周りの大人が気づくしかありません。 遅刻が増えた、疲れている、部活を辞めた、進路の話を避ける。

手伝いと、負担の境目

家事を手伝うこと自体は、悪いことではありません。問題は、学校や睡眠や友人関係が削られているかどうかです。

そこが削られているなら、量が過ぎています。 大人が代わりを用意しなければ、本人が減らすことはできません。「偉いね」で終わらせないでください。

大人の側が、動く

子どもに相談を促しても、家のことを外に言うのをためらいます。家族を守ろうとするからです。

学校の先生、スクールソーシャルワーカー、市区町村の窓口、地域包括支援センター。 大人が先に相談してください。介護される側にサービスを入れることが、いちばん直接の解決です。

進路を諦めさせない

家のことがあるから進学を諦める、就職先を狭める。ここが最も長く尾を引きます。

本人の将来を削って回している状態は、家族全体にとっても損です。 学費の支援や、介護の体制を組み直す道があります。手遅れになる前に、外に出してください。

手伝わせるのは全部いけないことですか。
いいえ。家族の中で役割を持つこと自体は自然です。問題になるのは、学校生活や睡眠、友人関係が削られている場合です。
本人が助けを求めません。
「大変ではないか」ではなく「何時に寝ているか」「今日は宿題ができたか」と具体的に聞いてください。事実を聞くほうが答えやすくなります。

この記事の出典

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