働きながら続けるために、先に手を打っておくこと
隠して抱え込んだ人ほど、突然辞めることになります。伝えるのは弱さではなく段取りです。
休む以外の制度がある
| 制度 | 中身 |
|---|---|
| 介護休暇 | 年5日(2人以上なら10日)。時間単位で取れる |
| 所定外労働の制限 | 残業を免除してもらえる |
| 時間外労働の制限 | 残業を月24時間・年150時間までに |
| 深夜業の制限 | 午後10時から午前5時の勤務を免除 |
| 短時間勤務など | 時差出勤、フレックス、費用の助成など会社が選んだ措置 |
休むより、働き方を変えるほうが長く続きます。 介護休業の93日は限りがありますが、これらの制度は介護が続く間ずっと使えるものが多くあります。
会社に伝える
伝えないと制度は使えません。 何も言わずに遅刻や早退を重ねると、評価だけが下がっていきます。伝えるときは「いつ、どれくらいの時間、何のために抜けるか」を具体的に言うほうが通ります。
介護の相談窓口を置いている会社が増えています。 人事や総務に、使える制度の一覧をもらってください。法律の定めより手厚い制度を持っている会社もあります。
ケアマネジャーにも伝える
「平日の昼間は誰もいない」という前提を伝えないと、それを前提にしたケアプランになりません。 通院の付き添いを訪問介護に頼めないか、デイサービスの日を勤務日に合わせられないか。伝えれば組み替えられることが多くあります。
一人で抱えない
きょうだい、配偶者、離れて住む家族。やることを書き出して分けてください。 「手を出せない人はお金を出す」「月に一度は交代する」といった分け方でも構いません。何も決めないと、近くにいる人に全部が寄ります。
抜ける必要のある時間を、洗い出す
両立が難しくなるのは、平日の昼間に用事が集まるからです。通院、認定調査、担当者会議、施設の見学、役所の手続き。どれも夜や休日には片づきません。
一か月に何回、何時間抜けることになるのかを書き出してください。数が見えると、休暇で足りるのか、働き方を変えるべきなのかが決まります。「なんとなく忙しい」のまま相談すると、会社もケアマネジャーも動きようがありません。
通院の付き添いを、減らせないか
働いている家族にとって、いちばん重いのが通院です。半日から一日が飛びます。
訪問診療に切り替えられないか、薬を長めに出してもらえないか、複数の診療科をまとめられないか、薬局の配達が使えないか。通院そのものを減らせないかを、主治医とケアマネジャーに相談してください。 介護タクシーや訪問介護の付き添いで済む場合もあります。
急なときに、代われる形にしておく
自分にしか分からない状態にしておくと、出張にも行けず、風邪も引けません。
飲んでいる薬、かかりつけ医、ケアマネジャーの連絡先、サービスの曜日、家の鍵の場所。紙一枚にまとめて、家族が誰でも見られるところに置いてください。 ケアマネジャーにも、自分以外の連絡先を伝えておきます。
誰に話すかを、選んでよい
職場の全員に事情を知られたくない、という気持ちはもっともです。制度を使うのに、全員に説明する必要はありません。
人事や総務にだけ伝えて手続きを進める形も取れます。 ただし、日々の仕事を回すのは同じ部署の人です。どこまで伝えるかは選べますが、まったく伝えないまま抜けを重ねるのは、いちばん損な選び方です。
一人で抱えると、続かない
仕事と介護の両方を、一人で回そうとすると必ず限界が来ます。気力の問題ではありません。時間が足りないだけです。
外に出せるものを、先に出してください。 食事、掃除、入浴、通院の送り。 ここを人に頼めるかどうかで、続く年数が変わります。
平日の昼をどう埋めるか
働いている時間帯に、本人が一人になります。そこがいちばん不安な時間です。
通所のサービスに通ってもらう、訪問を入れる、見守りの機器を使う。 組み合わせで埋められます。このサイトの市区町村ページで、近くの通所や訪問の事業所を確かめられます。
緊急の連絡が来たときの決めごと
仕事中に電話が鳴ります。そのたびに全部を投げ出していると、勤め先との関係が持ちません。
すぐ駆けつける事態と、そうでない事態を分けておいてください。 一次の連絡先をケアマネジャーや事業所にしておく方法があります。判断を人に任せられる形を作る。
自分の生活を、削り切らない
睡眠と食事と、人と会う時間。ここを削って回している状態は、長くは持ちません。
泊まりのサービスを定期的に入れて、意識して離れる日を作ってください。 「余裕ができたら休む」では、その日は来ません。先に予定として入れる。
- 非正規でも使えますか。
- 有期雇用の人にも介護休業の適用があります。要件があるので、会社か都道府県労働局の窓口で確かめてください。
- 会社に制度が無いと言われました。
- 就業規則に書かれていなくても、法律で定められた制度は使えます。都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。
数えてみると、訪問介護の多い地域と少ない地域
訪問介護は、当サイトの掲載で34,846件あります。65歳以上1万人あたりにすると全国で9.7件です。定員が分かっている8,124件では、まんなかの定員が30人でした。運営しているのは24,741の法人です。
65歳以上1万人あたりで多い順に並べると、上位は大阪府・和歌山県・徳島県です。上位5県のうち、高齢化率でも全国10位以内に入るのは1県です。高齢者の多さだけで事業所の数が決まるわけではない、ということになります。少ないほうは新潟県・山形県・茨城県の順です。
掲載があるのは全国1,892市区町村のうち1,776市区町村で、116の市区町村には1件もありません。制度として使えることと、住んでいる場所で実際に選べることは別だ、ということです。お住まいの市区町村に何件あるかは、当サイトの市区町村ページで確かめられます。
この記事の出典
- 厚生労働省仕事と介護の両立ポイント2026-08-22 確認
- 厚生労働省育児・介護休業法について2026-08-22 確認
- 福祉医療機構 WAM NET介護保険サービス一覧2026-08-22 確認
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